年度末まであと1カ月半。

例年であれば、人事異動や卒入学もあり、引っ越しの繁忙期となる時期だろう。

国土交通省は1月13日、3月の引っ越し件数は通常月の約2倍になるとして、民間企業の異動時期分散化の検討要請をするなど、引っ越しの分散化を呼びかけている。同省の予測で「特に混雑が予想されます」としているのが、3月20日から4月4日までだ。

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しかし今年はコロナ禍ということもあり、大学の授業がオンラインとなったり、完全テレワークに移行した企業が出てきたりと、引っ越しをする必要性が薄い人もいるかもしれない。一方で、働き方の変化に伴い、区切りの年度末に住環境を変えることを検討している人もいるだろう。

実際はどうなのだろうか?そして引っ越しとなれば業者と接触は避けられないため、作業時の感染予防対策も気になるところだ。年度末の引っ越し事情を、日本通運の担当者に聞いた。

例年と比べ受付の出足は鈍い

――引っ越しシーズンの予約状況だが、例年と比べて変化はある?

緊急事態宣言再発出の影響や今後の状況について不透明なことから、人事異動の規模・内容を決めかねているお客様も多数いらっしゃいます。受付の出足は例年と比較すると鈍い状況にあります。


――コロナの感染拡大から1年が経った。この1年、引っ越し業界にはどのような影響があった?

緊急事態宣言の発出による移動の自粛、転居を伴う人事異動の見合わせなどにより、引越需要は縮小しました。その結果、業者間の競争が例年にも増して激しくなっています。一方、接触を避けたいというニーズが高まり、リモート見積もりの開発など新たなサービスを生み出す呼び水にもなりました。


――では、引っ越しする人の傾向などに変化はあった?

この1年ということではありませんが、人口及び世帯数の減少等もあり、家族での引越しより単身の引越しの比率が増加しております。今後、各企業においてテレワーク導入による就業環境の変化が進み、移動を伴う引越しの需要が変化していくと考えられます。

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接触機会を減らす“リモート見積もり”などで感染対策

――コロナ禍においては感染予防が重要だが、従業員においてはどのような対策をしている?

従業員においては以下の対策を徹底させています。
                               
・出勤前の検温、事務所より出発前の体調確認 
・訪問時、事前に「うがい」「手洗い」の励行                      
・移動中における車内換気                    
・休憩時3密防止(休憩時の車内窓開け等による換気、少人数かつ対面を回避した食事取得)       
・業務従事中のマスク着用

そして、発熱があるなど体調が悪い従業員は、その日の勤務を念のため取りやめています。


――では、接客時においては?

接客時には、以下のような対応で感染予防をしています。
                                
・非接触型(リモート)による見積 「リモミ」の積極的な活用 
・お客様との対応者を限定(原則作業リーダーのみ)         
・お客様へ作業時の換気(窓開け)の依頼           
・お客様へ見積時のマスク着用の依頼              
・繰り返し使用する資材の作業都度の消毒

「リモミ」とは、お客様のご自宅への訪問をせず、スマートフォン端末などを利用してお客様が映すお部屋の様子をもとに、訪問時と同様のお見積書を作成するサービスとなっています。コロナ禍の昨年7月1日から導入しています。

客にスマホなどで室内を撮影してもらい(左)、リモートで見積もりを行う(画像提供:日本通運)

ピーク時のスタッフ確保は苦戦を予想

――例年のことだと思うが、引っ越しシーズンの人手の確保は今年も難しくなりそう?

需要期(3・4月)に必要となる作業スタッフ及び車両については、引越し以外の業務に従事している社内、グループ会社における戦力調整、協力会社への協力要請、臨時スタッフの雇用等を中心に、必要とする戦力確保に取り組んでいるところです。       

臨時の作業スタッフについては、イベント関連、飲食店を中心としたサービス業等、アルバイト等の臨時スタッフを多数雇用されている業種が、新型コロナウイルス感染拡大・緊急事態宣言再発出等により規模縮小、時間短縮等を行わざるを得ない状況もあり、例年と比較すると確保しやすいのではないかという見方もありますが、運輸業界では以前よりドライバー不足が続いており、コロナ禍でも変わりはありません。

人手の確保に努力していますが、最ピーク時はかなり苦戦すると予想しています。

今年人手の確保には苦戦の可能性もある(画像はイメージ)

やはりコロナ禍というイレギュラーの状況でもあり、年度末の人の移動は現在のところ例年より少ないようだ。

ただし、同社は「受付の出足は鈍いものの、最終的には例年に近い状況となる可能性もある。引っ越しを検討している方は早めに申し込みをしてほしい」としており、引っ越しの予定がある人は、時期がずらせるかを検討しつつ、日程が決まった時点で予約することをすすめたい。
 

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