スギの花粉が気になる季節になってきた。
2021年、本格的に花粉が飛び始めるのは、仙台市では2月25日、宮城県内では、その前後  2月中旬~下旬と予想される。
花粉症の症状といえば、「くしゃみ」「鼻水」「目のかゆみ」などだが、それらが新型コロナの感染をさらに広げるのではと危惧されている。

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2021年は人前でくしゃみや、鼻をかめない!?

仙台市青葉区の耳鼻咽喉科クリニック。
40年以上、スギ花粉症に悩まされている、こちらの女性。薬を処方してもらうため、2021年は早めに受診したという。

花粉症に悩む人:
自宅に戻るとくしゃみが出るんです。そして、鼻水が限りなく出てくる。マスクを外して鼻をかむのが、やっぱり不安

こちらのクリニックでは、スギ花粉症の患者に受診を呼びかけるはがきを、例年1月頃に発送しているが、コロナ禍の今シーズンは、いつもより1カ月早い、2020年12月に発送した。

鈴木耳鼻咽喉科・アレルギー科医院 鈴木直弘 院長:
今年は人前でくしゃみをしたり、鼻をかめない。2月中旬からスギ花粉の本格飛散が始まりますが、新型コロナ患者がその頃に減少しても、スギ花粉で再びコロナ患者が増えるのは何としても抑えないといけない

専門医が危惧する、スギ花粉症と新型コロナの関係。東北医科薬科大学耳鼻咽喉科の太田伸男教授も、次の2つのポイントを心配している。

花粉症患者の感染リスク「高」

一つめは、花粉症の患者が、新型コロナに感染するリスクが高まるのではないかということ。

東北医科薬科大学耳鼻咽喉科 太田伸男 教授:
「目がかゆい」、「鼻がムズムズ」して、周りにあるいろいろなものを触った手で、目を強くこする、鼻をいじる、口をいじると、新型コロナに感染するリスクが上がるのではないか

国民の38.8%(スギ花粉症の有病率:2019年)が悩まされている、スギ花粉症。
2021年春のスギ花粉の飛散量は、例年より少なかった2020年の春と比べると、宮城県はオレンジ色の「多い」予想で、隣りの福島県など「非常に多くなる」予想の地域もある。
2020年の春は症状が軽かったという人も、2021年の春は注意が必要。

また、新たにスギ花粉症になる人も増えるとみられている。
専門医が心配する2つ目のポイントは…

東北医科薬科大学耳鼻咽喉科 太田伸男 教授:
新型コロナにかかっている患者が無症状の場合に、花粉症を合併していると、新型コロナ感染症を周りに広げてしまう心配がある

新型コロナ無症状者のくしゃみで感染拡大か

東北医科薬科大学耳鼻咽喉科 太田伸男 教授:
くしゃみも一回、「ハクション!」で終わりではなく、「ハクション!ハクション!ハクション!」と、連続して続けて症状が出る場合も多いので

「くしゃみ」は、新型コロナの飛沫感染の要因ともなるが、我慢するのは難しいという人も多いのでは…

一方で、2020年12月に行われた、くしゃみに関するアンケート調査では「新型コロナの流行後、人の『くしゃみ』が気になる度合が増した」という人は、合わせて8割に上り、「くしゃみ」に対する周囲の目が厳しくなっていることがうかがえる。

東北医科薬科大学耳鼻咽喉科 太田伸男 教授:
周りの多くの方々に、コロナと関連して悪い影響が出る可能性もあるので、なるべく症状自体をしっかりシャットアウトするのが大事。一人一人の症状に合わせた、一番効く薬をなるべく早い時期から服用してほしい。一度、医療機関、薬局を受診して、使う薬を手元に置いておいてほしい

(仙台放送)

仙台放送
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