東京オリンピック・パラリンピックの大会組織委員会トップである森喜朗会長の発言に、世界から厳しい声が相次いでいる。

2月4日、森会長は会見を行い、陳謝した上で発言を撤回したが辞任は否定した。

「深く反省」と発言撤回も会長辞任は否定

午後2時すぎ、会見場に現れた大会組織委員会の森喜朗会長(83)。

大会組織委 森喜朗会長:
深く反省をしております。そして、発言を致しました件につきましては撤回をしたい。不愉快な思いをされた皆さまにはお詫びを申し上げたい

この記事の画像(14枚)

3日のJOCと日本オリンピック委員会内での発言について、不適切な表現だったと陳謝し発言を撤回すると話した。

自身の進退については…

大会組織委 森喜朗会長:
辞任するという考えはありません

大会組織委 森喜朗会長:
皆さんが邪魔だと言われれば、老害が粗大ゴミになったのかもしれませんから、そうしたら掃いてもらえばいいんじゃないですか

このように述べ、会長職にとどまる考えを示した。

「女性が多いと時間がかかる」に海外メディアも批判

発言があったのは、3日午後に開かれたJOC臨時評議員会。女性の理事を増やすというJOCの目標に対し、名誉委員として出席していた森会長は挨拶の中で次のように述べた。

大会組織委 森喜朗会長:
女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります。女性は競争意識が強い。誰かか1人が手を挙げて言われると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね。それでみんな発言されるんです

この発言が女性への差別や蔑視にあたるとして、日本だけでなく海外の主要メディアもこぞって報じた。

ニューヨーク・タイムズ紙
東京オリンピックのトップが会議への女性参加制限を示唆

AP通信
費用の増加や開催反対の声が上がっている東京オリンピックに、新たな騒動が持ち上がった

ワシントン・ポスト紙
(首相在任中の失言を紹介して)内閣支持率が1桁に低迷して辞任した

小池知事「女性の声を活かすのは当たり前」  党内からも“老害”の声

発言から一夜が明け、オリンピックでタッグを組む東京都の小池知事は…

東京都 小池百合子知事:
女性の声を活かすのは当たり前の話。話が長いのは人によるんじゃないでしょうか

この問題は国会でも取り上げられた。

立憲民主党 枝野幸男代表:
世界に報道されているんです。伝えられているんです。本当に日本人として恥ずかしい。森さんの首に鈴を付けられるのは総理しかいないでしょう?

菅義偉首相:
森さんの発言した内容の詳細について、正直承知してません

と、一旦は質問をかわそうとした菅首相だったが、その後、答弁を修正した。

菅義偉首相:
これはあってはならない発言だと思っています

批判の声は自民党内からも上がっている。

自民党中堅議員は「時代についていけてない。老害そのもの」と話した。

森会長は適任?記者の問いに…

当の森会長は、会見で「女性が入ると時間がかかる」という発言の真意をこう説明した。

大会組織委 森喜朗会長:
(女性理事の)数字にこだわって無理なことはなさらない方がいい…ということを言いたかったわけです

記者:
そういった方が大会組織委員会の会長をされることは適任なのでしょうか

大会組織委 森喜朗会長:
さあ?あなたはどう思いますか?

記者:
私は適任ではないと思うのですが

大会組織委 森喜朗会長:
じゃあそういうふうに承っておきます

今後も会長として、東京オリンピック・パラリンピックが開催できるように努力したいと話した森会長。内外の信頼を取り戻すには時間がかかりそうだ。

(「イット!」2月4日放送分より)