新型コロナウイルス対策に国が地方の自治体に配った地方創生臨時交付金、いわゆる”コロナ交付金”の使い道が今各地で問題となっている。

”コロナ交付金”で公園看板

千葉県白井市は12月の市議会で、いわゆる”コロナ交付金”3000万円以上を、市内の公園などに看板を設置する事業を含む予算案を可決した。

この記事の画像(10枚)

看板は公園にあるもので、新しく設置するものが12、建て替えるものが27。建て替えるものは30年から40年が経過しているもので、この39ヵ所の公園の看板に、手洗いやマスク着用など感染対策を呼びかける内容が加えられるという。

津々木企画財政部長(12月18日白井市議会 HPより):
公園緑地補正額3022万8000円の増につきましては、都市公園に新しい生活様式に沿った公園利用案内看板を整備するため、所要額を計上するものです。

その3000万円以上の費用に充てられるのは、国からの「地方創生臨時交付金」、いわゆる”コロナ交付金”。医療機関の支援や休業した事業者への協力金などにも使われる予算である。

市民反発、反対署名も

これを使っての看板設置に、市民からは批判的な意見が多く上がっていた。

80代女性:
看板はいらない。看板の角で頭を叩きたいぐらい、PCR検査をしたほうがいい

30代女性:
保育園とか前回の緊急事態宣言では休んだ子供たちは保育料が返還されるというのが白井市であったんですけど、今回の緊急事態宣言ではそれがないみたいで、そういうのにもし使ってもらえたら

20代女性:
今ただでさえ木とかになんか貼ってあるんですよ。お金かけてやるのはちょっとおかしい

こうした声を受け、1月21日、有志の市民たちが看板設置の中止を求める反対署名を笠井市長に提出した。

白井市民有志の会 藤森義韶 共同代表:
お渡ししたのは1959人の方の署名です。1週間ない中でこれだけのものが自主的に市民の皆さんから寄せられた

鐘、公用車…各地で「ノー」

”コロナ交付金”の使い道をめぐっては、住民からの理解が得られないケースが各地で相次いでいる。

佐賀県ではコロナ交付金779万円で設置しようとした”誓いの鐘”について、県民からの反対意見が多く寄せられたため、設置を取りやめた。

自民党 川崎常博議員(12月16日 佐賀県議会)
広く県民の理解が得られているとは思えません。鐘の設置はこういう状況の中で実施すべき事業ではないと考えます。

また、広島県三次市では”コロナ交付金”で公用車を購入。

白井市では看板の単価に疑問も

今回の白井市では3000万円という額の大きさにも議会で疑問の声が上がっていた。

小田川敦子議員(12月18日 白井市議会 HPより):
看板の単価が非常に高い気がするんです。ここがちょっと納得ができないんですよね

髙石都市建設部長(12月18日 白井市議会 HPより):
私の方に今、内訳計算書等ございます。妥当じゃないかと考えているところでございます

市によると、3000万円の予算には看板の設置や撤去にかかる作業料も含まれているという。

看板製作業者:
撤去と設置と処分費が含まれているようであれば、(1個)70万円ぐらいですかね。なので妥当だと思います。

白井市の笠井市長は25日、この看板設置事業についてホームページで、「この看板は新型コロナウイルスとの共存に向けて、将来にわたって活用できるもの」とコメントを発表し、市民の理解を呼びかけている。

(「イット!」1月25日放送より)