福岡・太宰府市で起きた主婦暴行死事件で、恐喝未遂について元暴力団組員の男に有罪判決が言い渡された。法廷では、「死人に口なしや」など生々しい会話の録音も再生された。

死体遺棄について否認してきた田中被告

2019年10月、佐賀・基山町の主婦・高畑瑠美さん(当時36)が外傷性ショックで死亡した太宰府市主婦暴行死事件。
その後の捜査で、瑠美さんと同居していた山本美幸被告(42)、その交際相手の岸颯被告(25)を傷害致死などの罪で起訴。また、瑠美さんの遺体を運ぶ際に電話で指示をしたなどとして元暴力団組員の田中政樹被告(47)が、死体遺棄などの罪で起訴されている。

岸颯被告・山本美幸被告・田中政樹被告
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2月に始まる山本被告と岸被告の裁判員裁判を前にした1月21日、共犯の田中被告に判決が言い渡された。

判決当日、入廷する田中被告に記者が問いかけた。

記者:
田中さん! 判決ですけど、今のお気持ちは?

田中政樹被告:
…ノーコメント

判決公判に向かう田中政樹被告

死体遺棄などの罪に問われている田中政樹被告は、記者の問いかけには応じず、そのまま裁判所へ向かった。

ーー脅迫電話の録音音声(2019年9月・瑠美さんの夫が録音)

山本美幸被告:
詐欺やろ。詐欺

田中政樹被告:
おう! 弁護士◎△$♪×¥!?ナメたまねしてくれたな。弁護士いれた△&*%+=◆〇@×$上等や。弁護士入れてどないなるかしてみたらいいやない。なぁ、聞いてる? 黙りんこか? 黙りんこかいうとんのや!

山本美幸被告:
ちょっとアニキ、声を静めて、今、公共の場やけんさ、フッ

田中政樹被告:
おおう、公共もへったくれもあるかいコラ!

起訴状などによると、田中被告は2019年8月から9月にかけて、山本美幸被告と共謀し、亡くなった高畑瑠美さんの夫から現金305万円を脅し取ろうとしたほか、2019年10月には、山本被告や岸颯被告と共謀して、瑠美さんの遺体を福岡市博多区から太宰府市まで車で運んだ死体遺棄の罪に問われていた。

ーー初公判時

田中政樹被告:
自分は、死体遺棄したつもりはありません。共謀したつもりもありません。以上です

これまでの裁判で、田中被告は、恐喝未遂については認めたものの、死体遺棄については否認し、「山本被告らと電話でやり取りしただけで、現場にはいなかった」、「そもそも遺体を車で運んだだけであって、遺棄にはあたらない」などと無罪を主張していた。

「死人に口なし」…車内で交わされた会話

一方、検察側は、車内で交わされた生々しい会話の録音を法廷で再生した。

田中被告らが車内で交わした会話は…

ーー検察が法廷で再生した音声

山本美幸被告:
まさか死ぬとは思ってないよ

岸颯被告:
太宰府インター降りる直前に後ろ見たら、息してない。舌かんだ状態で

岸颯被告

田中政樹被告:
殴ったの何時や?

山本美幸被告:
昨日の夜中まで殴りよったかもしれん

田中政樹被告:
どの程度?

山本美幸被告:
木刀で

田中政樹被告:
顔、殴ったりしとるわけじゃないんやろ?

山本美幸被告:
私、顔殴った

田中政樹被告:
警察は免れんやんけ。埋める以外

田中政樹被告

山本美幸被告:
でも、埋めるとか無理よ、さすがに私は、しきらん

山本美幸被告

岸颯被告:
俺はできるけど!

山本美幸被告:
全責任が私にくるんよ、もう~

岸颯被告:
下手なうそつくより、ある程度本当に言って黙っとく。死人に口なしやけんね

田中政樹被告:
死人に口なしや

田中政樹被告「死人に口なしや」

検察側は、「遺体を埋める提案や体の傷についての口裏合わせなど積極的に意見した」などと指摘して、田中被告に懲役2年6カ月を求刑した。

判決前日に直撃 田中被告「後悔はしとる」

1月20日、田中被告を直撃。被告は今回の事件について、次のように語った。

ーー田中被告への取材

田中政樹被告:
後悔はしとる。命なくなるまで追い込んどるわけやからな

田中政樹被告「後悔はしとる」

記者:
これまでに山本被告と何人くらいから金を脅し取った?

田中政樹被告:
10人いかんくらい

記者:
本当に? 20年前から2人で同じことやってますよね

田中政樹被告:
よう調べとるなぁ。二人三脚、あうんの呼吸でやってきた。でも、わしが出ていくのは、金を払わんとかそういう障害が発生した時だけや

一方、遺族に対しては…

田中政樹被告:
ん~、自分が関わったことで遺族には…ん~、どんな言葉も軽いな。1人死んどるのに申し訳ないでは軽い。そやろ?

田中政樹被告「どんな言葉も軽い」

恐喝未遂は有罪 一方で死体遺棄は無罪に

そして、21日の判決公判。

福岡地裁・足立勉裁判長:
主文。被告人を懲役2年、執行猶予4年に処す

福岡地裁・足立勉裁判長

福岡地裁の足立勉裁判長は、恐喝未遂について「暴力団員を装って強烈な脅迫文言を告げており、重要かつ不可欠な役割を果たしている」と指摘。
一方、死体遺棄については、「口裏合わせなどの行為は身勝手で好ましいことではない」としたが、「死体を車に乗せて走行させたのは、時間稼ぎを考えたもので、隠匿しようとしたものではなく、刑法上の遺棄には該当しない」として無罪とした。

死体遺棄については無罪に

そして、弁護側の主張通り懲役2年、執行猶予4年の判決を言い渡した。

田中被告は、テレビ西日本の直撃取材に対して「瑠美さんが暴行を受けていることも知っていた。止めていればよかった」と悔やんだ一方で、山本被告については、「今でもかわいい妹分」と話した。

2月2日からは、その山本被告らの裁判員裁判が始まるが、山本被告は、起訴内容を完全に否認するとみられている。

(テレビ西日本)

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