止まらない"北朝鮮愛"

文在寅大統領の北朝鮮愛が止まりません。文大統領は1月18日、北朝鮮が中止を要求していた米韓合同軍事演習の実施について「北朝鮮と協議する」と発言。駐韓アメリカ大使は「訓練は平和を支援し、警戒を疎かにしないためのものだ」と不快感を示しました。さらに1月20日には突然、康京和外相の交代を発表。北朝鮮の金与正副部長が、康外相を名指しで批判していたためとの分析もあります。日本に対し慰安婦訴訟などで融和的なメッセージを出したのも、バイデン新政権から北朝鮮との対話姿勢を引き出そうという思惑が見え隠れしています。残り任期が1年余りとなった文大統領、北朝鮮への拘りが一層強まっています。(ソウル支局長 渡邊)

"脱トランプ"鮮明に

新大統領に就任したバイデン氏は、初日から前政権の政策を180度転換する大統領令に次々署名し、“脱トランプ”を鮮明にしています。就任演説でバイデン氏は「団結こそが前進への道だ」と国民に強く「結束」を呼びかけました。また、ハリス副大統領が就任式で着用したドレスが、共和党の赤、民主党の青の中間色となる紫だったことも「融和の象徴」として注目されています。CNNの最新の世論調査では、支持率59%とまずまずの滑りだしを見せたバイデン政権。しかしその前途にはトランプ氏の弾劾裁判や分断の解消など課題が山積みで、今後は難しい舵取りが迫られそうです。(ワシントン支局 石橋)

「融和の象徴」紫のドレスを着用したハリス副大統領
「融和の象徴」紫のドレスを着用したハリス副大統領
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「私たちの登る丘」で脚光浴びるアマンダさん

大統領就任式で、一気に脚光を浴びた22歳の女性がいます。ロサンゼルス出身の詩人、アマンダ・ゴーマンさんです。

【アマンダ・ゴーマンさん】
「私たちは平穏が必ずしも平和ではないと学んだ。正しさの規範や観念が正義とは限らないことを学んだ」

ーWe've learned that quiet isn't always peace. And the norms and notions of what just is. Isn't always just-ice.ー

言語障害などと戦いながらハーバード大学へ進んだアマンダさん。バイデン氏の妻ジルさんの目に止まり、就任式で詩を朗読するという大役を歴代最年少で務めることになりました。自作の詩「私たちの登る丘」は、人種差別に揺れる国に向け、結束を訴える力強い言葉にあふれています。

【アマンダ・ゴーマンさん】   

「光は常にある。それを見つめるだけの勇気さえあれば。光になるという勇気さえあれば」
ーFor there is always light,if only we're brave enough to see it. If only we're brave enough to be it.ー

将来は大統領選出馬も考えているというアマンダさん。言葉の力で、今後、世界を動かしていく存在になりそうです。(ロサンゼルス支局長 益野)

アマンダ・ゴードンさん
アマンダ・ゴードンさん

トランプ氏退任受けて警備見直し

トランプ氏の大統領退任を受けてマンハッタンにあるトランプタワー周辺でも、警備の見直しが始まっています。あちらの通りを4年以上ふさいできた柵やブロックも撤去される見通しです。
ニューヨークではトランプ氏が関連する施設の警備に多い日で1日およそ3000万円もの経費がかかっていて、これまでも度々市民の批判の的になっていました。また、トランプタワーの周辺は高級ブランドの店舗が立ち並ぶ五番街で、交通渋滞も問題視されていました。トランプ氏は当面フロリダに居住すると見られ、新型コロナウイルスで大打撃を受けているニューヨークのビジネス関係者からは歓迎の声が上がっています。(ニューヨーク支局 新庄)

「元の生活を取り戻せ」学生たちの訴え

新型コロナウイルス対策でリモート授業や経済負担など苦境に立たされている大学生たちが、
元の生活を取り戻せと声をあげました。フランスでは感染防止のため、大学の授業は2020年秋から全てオンラインとなり、学生たちは自宅に閉じこもる、孤立した生活を強いられています。また夜間の外出禁止によってアルバイトなど、収入の手段を失い、経済的な負担も大きくなっています。参加者「一日中オンライン授業を2ヵ月間受けています。外出規制によって18時以降は、私の10平方メートルのアパートの部屋からは出られません。こうなると自動的に精神状態が悪化してしまいます」デモに参加した学生たちは、うつ状態になるなど精神面での不調に苦しむ人も多いとして、大学での対面授業再開や、経済支援の必要性を訴えました。(パリ支局 藤田)

「元の生活を取り戻せ」と訴えるフランスの大学生たち
「元の生活を取り戻せ」と訴えるフランスの大学生たち

「病院に来るのを控えて」

全国的なロックダウンが始まってから2週間、医療現場が危機に瀕しています。新型コロナウイルスの新規感染者数は一時に比べて減少傾向ですが、死者は増え続けていて20日には過去最悪となる1日1800人を超えました。重症化のケースは感染から遅れて現れるため、さらに増えていく恐れがあります。入院患者も年明けから急増し4万人近くに達していて、病院の受け入れ体制は限界を迎えつつあります。私の携帯にも保健当局から「緊急を要する症状でなければ病院に来るのを控えてほしい」とのメッセージが届きました。ワクチン接種が始まっても厳しい状況は全く変わっていません。(ロンドン支局長 立石)

ワクチン接種1週間で100万人

新型コロナウイルスワクチンの接種がここトルコでも一斉に始まりました。トルコは中国のシノバック社との間でワクチン5000万回分の購入契約を交わしています。大規模接種は1月14日に始まり、エルドアン大統領も早速接種を受け国民に安全性をアピールしました。接種はまず医療従事者、次に介護施設の高齢者などへと段階的に進められ、開始から1週間で100万人を超えました。ただ、シノバック製ワクチンの有効性については、トルコが9割以上としたのに対しブラジルでは5割にとどまったとされ、データの信頼性には不安の声も出ています。政府は欧米企業のワクチン購入や国産ワクチンの開発を急ぐ方針です。(イスタンブール支局長 清水)

「ロシア人が寒さに負けたのか?」

ロシア正教の伝統行事である真冬の沐浴が突如、中止されました。キリストの洗礼を記念するこの行事は、ロシア正教にとって最も大切な行事の一つで、プーチン大統領も沐浴する姿を公開するほどです。2021年も1月18日から19日にかけて予定されていましたが、ロシア全土でモスクワだけが寒さを理由に、当日突然キャンセルされました。この日のモスクワの最低気温は氷点下24度で、準備をしていた神父は「長い歴史の中で聞いたことがない。一体何が起こったんだ」と戸惑っていました。SNSなどでは新型コロナウイルス対策か?ロシア人が寒さに負けたのか?などと憶測が広がっていますが、真相は謎のままです。(モスクワ支局長 関根)

真冬の"沐浴"はプーチン大統領も愛した歴史ある伝統行事
真冬の"沐浴"はプーチン大統領も愛した歴史ある伝統行事

開催なるか?北京2022オリンピック

あちらの北京市内にあるスケート場は2022年の冬季オリンピック・パラリンピックの会場の1つになります。現在、リニューアル工事が進められています。習近平国家主席は最近、北京市や隣接する河北省にある五輪会場を相次いで訪れ、準備状況を視察。「盛大な大会の開催に自信を持っている」などと語り、開催に問題はないとアピールしました。自信満々なのかと思いきや、中国には別の心配が。実は、IOC=国際オリンピック委員会の委員からは、この夏の東京大会が中止になれば、北京での開催も困難との見方も出ているのです。国の威信をかけて準備を進める中国としては、東京大会が予定通り実現するかどうか、気が気でないことは間違いなさそうです。(北京支局 木村)

五輪会場を相次いで視察する習近平国家主席
五輪会場を相次いで視察する習近平国家主席

WHOの調査団武漢入り

こちらは武漢の中心部から車で40分ほどの場所です。後ろに見えるのが、以前、新型コロナウィルスが流出したのではないかと指摘されたこともある中国のウィルス研究所です。広大な敷地の中には、ウィルスの研究や保存をする施設の他、生物を使った実験施設もあるとみられますが、現在は工事中で、活動の実態を窺い知ることはできません。アメリカのトランプ政権は退陣間際にも、研究所をウィルスの発生源とする新たな証拠が見つかったと主張、中国側は「うそつき外交、最後の狂気」と猛反発しました。1月14日にはWHOの調査官が武漢入り。米中対立が尾を引く中で、どこまで発生源に迫れるか、注目されます。(上海支局長 森)

新型コロナウイルスが流出したのではないかと指摘されたウイルス研究所
新型コロナウイルスが流出したのではないかと指摘されたウイルス研究所

感染対策と公平性の両立

2月から始まるテニスの全豪オープンが、コロナ禍での国際大会開催の難しさに直面しています。狭いホテルの室内でワークアウトをする選手たち。ゴムバンドを使って素振りをしたり…ベッドのマットレスにボールを打ち込む選手も。その様子は真剣そのものです。それもそのはず。選手らを運んだチャーター便3機から陽性者が見つかったため、同乗していた選手70人以上が、試合前にもかかわらず、外での練習を一切禁じられたのです。一方、制約なしに外で練習できる選手もいることから、「不公平」だと不満の声が上がっています。コロナ禍の国際大会、感染対策と公平性をどう両立させるのかが問われています。(バンコク支局長 佐々木)

【取材:FNN海外支局特派員取材班】

国際取材部
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