〈韓国〉朴被告の恩赦を提案する声
収賄などの罪に問われていた韓国の前大統領、朴槿恵被告について、1月14日懲役20年の刑が確定しました。朴被告は別の事件で懲役2年の実刑が確定していて、合わせて22年の懲役となります。退任後に罪に問われ、収監された韓国大統領経験者はこれで4人目です。一方、与党の代表からは、2020年11月から収監されている李明博元大統領と朴被告の2人の恩赦を提案する声が挙がっています。敵対する保守派の元トップをなぜ塀の中からシャバに出そうというのか?実は保守派の内部分裂を促す狙いがあるとの分析もあります。恩赦を出す権限を持つ文大統領が、どんな判断を下すのか、注目されています。(ソウル支局長 渡邊)
この記事の画像(12枚)〈米国〉街がまるごと要塞化
バイデン次期大統領の就任式が行われる1月20日を前に、過激な抗議活動に備えて、市内の中心部では、一面びっしりと金属製のフェンスが設置され、街がまるごと要塞化しています。議会襲撃事件を受けてワシントンには非常事態が宣言されていて、州兵の配備は2万人に膨らむ見通しです。13日に議会下院でトランプ大統領の弾劾訴追決議案が可決された際には、議事堂内が武装した兵士でごった返しになる一幕も。民泊大手の「エアビーアンドビー」は、この地域の来週の予約をすべてキャンセルすると発表するなど、前例のない厳戒態勢が続きます。異例尽くめの就任式に向け、刻一刻と緊張感が高まっています。(ワシントン支局 瀬島)
〈米国〉「脱トランプ」の動きはビジネス界にも
マンハッタンの摩天楼の真下で滑ることができることが人気のこちらのスケート場。議会襲撃事件の余波はここにも及んでいます。リンクサイドの壁には「トランプ・オーガニゼーション」との文字が目立っていてトランプ大統領の一族が運営していることがわかります。しかし、ニューヨーク市はトランプ大統領が議会襲撃を扇動したと批判し、締結している契約の打ち切りを発表。この一族企業はスケート場のほかにも、メリーゴーラウンドやゴルフ場などの運営をニューヨーク市と契約していて、年間17億円以上の収入を得ていました。民主主義の根幹を揺るがした今回の事件、脱トランプの動きは、そのビジネスにも及びつつあります。(ニューヨーク支局 米村)
〈米国〉ディズニーランドでワクチン接種
ここは2020年から休園が続くディズニーランドの駐車場です。実はここが大規模なワクチンの接種会場となり、朝から多くの人が訪れています。カリフォルニア州は死者が3万人を超えるなど状況が悪化し続けていますが、これまでに州が入荷したワクチンの3割程度しか接種が進んでいません。そこで目をつけたのが、10カ月にわたって休園しているディズニーランドの広大な駐車場です。ここで1日7千人以上が接種できるということです。接種した人は「とても嬉しいです。ディズニーランドで接種したんですよ!!」と話しています。カリフォルニア州ではメジャーリーグの球場なども使って接種のスピードを上げ、7月までに全ての住民の接種を目指しています。(ロサンゼルス支局長 益野)
〈英国〉競馬場でワクチン接種
こちらの競馬場も接種会場です。朝から多くの人が訪れています。変異ウイルスの拡大で医療のひっ迫など深刻な状況が続くイギリスでは、競馬場などの大型施設を活用したワクチン接種を始めました。こうした大型の接種会場はイングランドで7カ所開設され、政府は2月中旬までに1500万人に接種を目指すとしています。(接種を受けた人は)「最高の気分だ。効率的に接種出来てよかった」「夫)安心した。妻)これでもう大丈夫だと思う」しかし、ワクチンの効果が出るのはまだ先とされ、専門家は「今後数週間は最悪の期間になる」と警告しています。(ロンドン支局 小堀)
〈フランス〉3週間で19万人が接種
安全面への懸念からワクチン接種を希望する人が4割に留まっていたフランスですが、政府のキャンペーンもあり、接種を受ける人が急激に増えています。こちらは公民館を転用した接種会場です。政府が設置を進める500ヵ所の「ワクチンセンター」の1つで、1日50人に接種することができます。センター内では医師が、ワクチン接種の前後に、体調の変化がないかを確認しています。接種受けた医師は「医師として一刻も早く高齢者や持病を持つ患者がワクチン接種をするべきだと思います」と話しています。接種開始から3週間あまりで19万人がワクチンを接種したフランス、感染者は280万人以上、死者は6万人を超えています。(パリ支局 藤田)
〈ロシア〉医療体制の危機
ロシアでは新型コロナウイルスに感染し、入院する人の数が高止まりしていて、医療体制を圧迫しています。ロシア政府によりますと、全国でおよそ27万床ある感染症専用の病床は使用率が70%に達しています。特に地方都市の一部では病床が90%以上埋まっていて、ベッドが足りず、患者が病院の廊下で寝たり、遺体が霊安室に放置されたりする事態に陥っています。感染者の数は減少傾向ですが、プーチン大統領は「感染をコントロールし切れていない」として、医療従事者などに限定していたロシア製ワクチン接種の対象を、全国民に拡大するよう指示しました。68歳のプーチン大統領がいつワクチンを接種するのかも注目です。(モスクワ支局長 関根)
〈中国〉北部地域で感染再拡大
冬の北京の風物詩でもある天然スケート場が一般開放され、市民が氷遊びを楽しんでいますが、全員マスク着用が義務付けられています。新型コロナウイルス対策で、入場の際は検温はもちろん、隔離状態にないことを示す健康コードを見せる必要があり、入場客も例年の半分に制限されました。中国は一時感染をほぼ抑え込んだとしていましたが、冬に入り、北部地域を中心に感染が広がっていて、発生地域を封鎖したり大規模PCR検査の実施など対策が厳格化されました。武漢での感染拡大から一年、2月には中国の旧正月「春節」を迎えますが、当局は里帰りを控えるよう呼び掛けるなど、感染拡大の再発に神経を尖らせています。(北京支局長 高橋)
〈トルコ〉注目を集めるトルコの軍用ドローン
トルコの軍用ドローンが世界の軍事関係者らの注目を集めています。その転機となったのが、2020年秋の旧ソビエトのアゼルバイジャンとアルメニアの係争地、ナゴルノカラバフをめぐる戦闘です。アゼルバイジャンがこの戦闘に投入したのが、軍事支援を受けている友好国トルコの軍用ドローン。その性能はアメリカ軍のドローンに匹敵するとされ、アルメニア軍の地対空ミサイルなどを破壊して制空権を奪い、アゼルバイジャンの事実上の勝利に貢献しました。アゼルバイジャンは勝利を祝う軍事パレードにトルコのエルドアン大統領を招待し、このトルコ製ドローンを披露しました。イギリスがトルコを参考に軍用ドローン開発を進めるとの報道もあり、この分野でトルコの影響力がさらに強まりそうです。(イスタンブール支局長 清水)
〈タイ〉反政府集会の自粛
何度も反政府集会が行われていたこちらの民主記念塔前の道路ですが、今は閑散としています。5カ月以上続いていた反政府集会は、2020年12月下旬からぱたりと止まりました。その理由は新型コロナウイルスの感染拡大です。タイでは1月に入り、1日の新規感染者数が過去最多を更新し、累計の感染者数も1万人を超えました。FNNの取材に反政府運動の学生リーダー、パリット氏は「感染の状況が落ち着くまで、様子を見ている」と話し、集会の自粛を明らかにしました。ソーシャルメディアを利用した少人数の活動は各地で続いていて、リーダーたちはいずれ大きな集会を開きたいと意気込んでいます。(バンコク支局 武田)
〈中国〉労働者の休憩所
こちらは、働く人たちが共用で使える休憩所なのですが、上海には現在このような休憩所が1000カ所以上あります。上海市政府が主導してこうした休憩所が作られ始めたのは2017年のこと。年々サービスが拡充され、今では電子レンジや冷蔵庫、無料のWi-Fiが設置されていて、感染防止のため少なくとも一日2回消毒が行われます。また、曜日や場所は限られますが、最近は労働関係の法律相談を受けられるサービスや、24時間使用可能な休憩所も登場しました。ここのところ上海では最高気温が氷点下になった日もあり、利用者は設備も充実していて、とても快適ですと話していました。(上海支局長 森)
【FNN海外特派員取材班】