「地域猫活動」とは、住んでいる地域で数などを管理し、人間とネコが共存するために必要な活動のこと。

自宅や職場の周りで見かける野良ネコ。
繁華街、住宅街、そして原爆ドーム前など色んな場所にネコはいる。野良ネコとして生まれ、ペットとして家族の一員になれるネコはほんの一握り。
道行く人に餌をねだったり、生ごみをあさり何とか生きているが、時には「厄介者」扱いされ、人間関係のトラブルの元にもなるネコと人間が共存する取り組みを取材した。

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野良猫を厄介者にしたくない

12月のある寒い夜、女性が市内の住宅を訪ねた。

秋本直美さん:
こんばんは、お世話になります。ご飯はこちらであげとってですよね?

目的は野良ネコの捕獲。こちらの広島市内の住宅付近では、10年前からネコが増え続けているという。

ーーこれは捕獲器ですか?

秋本直美さん:
そうです、捕獲器です。これを仕掛けて、この中でご飯をあげて、餌の時間に合わせてご飯をあげます

広島市に住む秋本直美さん。
子どものころから動物が好きで、野良ネコが車にひかれて死んでいる姿を見るたび、自分に何かできることはないかとずっと悩んでいた。
そんな思いを胸に20年前から野良ネコに不妊去勢手術を受けさせ、繁殖させない活動などを続けている。

ーー今、野良ネコはどのくらいいる?

地区の住民は:
大体10匹くらいは来ていますね。ネコがどんどん増えたらいけませんです、いろいろ苦情も出ますし

餌を入れたケージを置くと、早速 姿を現わした。しかし警戒心の強い野良ネコは、中々 奥まで入らない。
寒空の中、待つこと約40分。ようやく捕獲、ネコを怖がらせないようにケージを毛布でくるむ。

秋本直美さん:
10匹いるんですけど、(捕獲される)姿を見ていると、賢いので覚えているんですよ。よっぽどお腹が空かないと、どんどん入らなくなる

翌日、秋本さんが訪れたのは広島市の動物管理センター。捕獲したネコの去勢手術をしてもらうため。

ーーこれから何匹くらいを持ち込まないといけないと思いますか?

秋本直美さん:
まだまだじゃないですか、3桁はいきたいなと…いきたいなというか、いるんじゃないかと

ネコの繁殖力は高く、生後4カ月~12カ月で子どもを産めるようになり、1度に2匹~6匹の子ネコを産む。
広島市によると年間1,000匹以上のネコが管理センターや保健所に持ち込まれ、その7割が生まれたばかりの野良ネコの子ネコ。

2011年 広島県で犬猫の殺処分の数が全国最多となったことを受け、広島市は2014年から地域猫活動に取り組む町内会・自治会に対して、野良ネコの不妊去勢手術などの支援を行っている。

手術を終えた野良ネコは耳の先を桜の花びらのようにカットされ、「さくらねこ」として元いた場所にリリースされる。
餌は地区のボランティアの人が決まった場所で与え、臭いがきつい排泄物もネコトイレで用を足させる。

このように1代限りの生を全うさせ、地域で世話をする活動を「地域猫活動」という。
広島市によると、センターに持ち込まれる数は1日10匹ほどだという。

広島市南区在住:
これが13匹目。ゴミをかじったりするわけよ。そういう被害も少なくなる

広島市西区在住:
今年で4年目。糞尿被害がひどかった、活動をやりだしてから、ネコはけっこう減ってきた

そして活動に必要なのは町内会や自治会の理解。
広島市は「地域猫活動」の説明会を開催し、活動への参加を呼びかけている。
活動に取り組んでいる町内会などでは「鳴き声」「糞尿」「餌放置」などの苦情が大幅に減ったそう。

一方、市内に約2,000ある自治会や町内会で活動を行っているのは全体の18.5%、全ての地域に野良ネコがいるわけではないが、活動に対する地域住民の理解はまだまだ。

広島市動物管理センター・渡邊真由美専門員:
かわいそうだからと餌やりをする人の気持ちもわかるが、それによってネコが増えて周りの方に迷惑をかけてしまう。それでネコが嫌われ者になってしまう。地域猫活動を進めることで人と人との関係もつなげることができます

多くの猫を救うため…他の地域でも

長年、野良ネコが増えない活動を行っている秋本さん。この日は「地域猫活動」を行っていない地区でネコを捕獲する。
この場合、捕獲しても市の援助は受けられないため、秋本さんは知り合いの動物病院へ持ち込み、自腹を切って手術をしてもらう。

秋本直美さん:
探しているネコがいて、暫く餌を置いて、そこに来るようにして、ゆくゆくは捕獲器を仕掛けて、捕獲したいと思います

入っていったのは、とあるマンション。捕獲のために許可を得て、餌を置いている。

ーー最低でも何匹いる?

秋本直美さん:
私が見たネコで、黒と黒白とお母さんネコ、子どもを入れて5匹ですね

秋本さんが餌を置くと、間もなく1匹のネコが姿を現わした。

秋本直美さん:
雄なんですよこれ。これは餌やりさんがいるんですよ。この子はエリアが広くて、色んなエリアに現れるんです

警戒しながら餌を食べる雄ネコ。その上を見ると、これまで確認されなかったお腹の大きい雌ネコが姿を現わした。

秋本直美さん:
このネコはカットがないので、多分避妊はしていない、この大きさだと近々生むんじゃないかと

このように、活動の途中に捕獲しなければならないネコが見つかることは日常茶飯事。秋本さんの活動に終わりはない。

秋本直美さん:
この活動を続けていると色んな人と会うんですけど、いい人が多いです。1人じゃ限界があるので。地域のネコなんで、地域の方たちがそういう風に協力して頂くのが一番

きょうもこの寒空の下、秋本さんは市内のどこかで活動を行っている。

(テレビ新広島)