韓国の裁判所が8日、日本政府に元慰安婦への損害賠償を命じる判決を出したことを受け、自民党内から韓国に対し、「国家間紛争に発展する可能性」に言及するなどの激しい怒りの声が上がっている。

この裁判は、旧日本軍の慰安婦だった韓国人女性12人が1人あたり1億ウォン(日本円で約950万円)の損害賠償を日本政府に求めていたものだ。日本政府は、『主権国家は外国の裁判で被告にならない』という国際慣習法「主権免除」を理由に、裁判に参加していない。

しかし、ソウル中央地裁は「日本による反人道的な不法行為に対し主権免除は認められない」として日本政府に対して総額12億ウォン(日本円で約1億4000万円)を支払うように命じたのだ。判決が確定すれば韓国国内の日本政府の資産が差し押さえられる可能性がある。

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この判決に自民党内からは猛反発の声が上がった。自民党の佐藤正久外交部会長は、「仮に日本政府の資産を押さえることになれば、旧朝鮮半島出身労働者問題は民間レベルだが、これは国家間紛争に発展する可能性がある」と怒りのツイートを投稿。週明け12日の自民党・外交部会でこの問題を議論することも明らかにした。

また、ある自民党議員は、「もはや思いっきり国際問題に発展した方が結果的にすっきりする」と語る。一方で、日本政府の対応については、コロナ禍を受けた国際的な人の往来に関する対応を引き合いに、「現政権は本当に弱腰だ」と批判した。

また、ある閣僚経験者は、韓国への対抗策について「ハーグの国際司法裁判所に提訴すべきだ」と政府に早急な対応を求めた。

一方、政府内でも今回の判決に不満の声があがる。ある政府関係者は、「個人は国家を訴えられない。呆れるしかない」と語るほか、別の政府関係者は、「判決は国際慣習法に先行するというのはあり得ない。都合のいいように判決が変わる国だということだ」と突き放した。

国際慣習法を無視した韓国の裁判所の判決に対し、菅首相がリーダーシップを取り毅然とした姿勢で対抗策を打ち出せるかどうか注目が集まる。