子どもたちにとってクリスマスの喜びの1つ、サンタさんからのクリスマスプレゼント。
「こんな物が欲しい」とサンタさんへ手紙を書いた経験がある人も多いのではないだろうか?
そんなサンタさんへのとある手紙が、「愛に溢れかわいい」とTwitterで話題になっている。
その手紙がこちら。
娘がサンタクロースに宛てて書いた手紙、腰が砕けそうになるほど可愛いんだけど…。 pic.twitter.com/FghmkWRxbX
— 宮川サトシ@1月7日『ワンオペJOKER』連載開始 (@bitchhime) December 21, 2020
娘がサンタクロースに宛てて書いた手紙、腰が砕けそうになるほど可愛いんだけど…。
このコメントと共に投稿されたのは、漫画家・宮川サトシさん(@bitchhime)の5歳の娘さんがサンタさんへ宛てたという手紙。
娘さんは、以前編集部で「一緒にヘビに食べられてもいいよ」という独特な表現のラブレターを父親の宮川さんに書いたことを紹介させてもらっていた。
(参考資料:「一緒にヘビに食べられてもいいよ」5歳娘が漫画家の父親に書いた“ラブレター”が独特すぎる)
今回の手紙も本当にかわいいのでご覧いただきたい。
さんたさんへ
わたしのおとうとに
やきいももください。
おとうとのなまえははじめです。
かわいいです。
かおがかわいいです。
「弟に焼き芋もください」「弟がかわいい」といった内容で、一文字ずつ丁寧なひらがなで書かれ、時に書き直した跡が見えることからも、生後6カ月の弟への溢れた愛を感じられる。
受け取ったサンタさんも癒されるだろうこの手紙の内容に、Twitterでは、「これは泣けます」「素敵な姉弟愛にほっこりです」「悶絶」と投稿者同様、あまりのかわいさに腰が砕ける人たちが続出、20万以上のいいねがついている(12月25日時点)。
なおこの手紙には前段があり、そこには娘さん自身の要望もしっかりと書かれていたんだとか。挨拶・近況報告もできている内容は優秀そのもの。
手紙には前段がありました、弟は芋で自分はこのピアノが欲しかったのね…(すでに買って隠してあるけど…) pic.twitter.com/FyVaKOv2qF
— 宮川サトシ@1月7日『ワンオペJOKER』連載開始 (@bitchhime) December 21, 2020
さんたさんへ
ライト&オーケストラグランドピアノをください。
ひさしぶりですね。
おげんきですか?
ほいくえんでいつもなわとびであそんでいます。
はなえより
なんともほっこりする手紙だが、まずはクリスマスの数日前に、父親である投稿者の宮川サトシさんに話を聞いた。
0歳児の欲しいものを考えてあげる優しさに感動
ーー手紙を書いている際の娘さんは見た?
いえ、見てないですね。階段を降りてきてリビングの上に書きあがったものが置いてあった感じです。僕個人がそういう“子供が遊んでた、何か創作していた形跡”みたいなものを覗き見するのが好きなので、見つけたときはワクワクしましたね。
ーーでは、手紙を見つけた時の様子を教えて。
あの投稿をした日の夜、自分は2階の自室で原稿の仕事をしてたのですが、そこに娘がやってきて「今からお母さんが顔を洗うから(お化粧落とすから)、弟と二人になると(弟を一人残して私が)トイレに行けなくなるから少し一緒にいて…」と頼まれました。仕事も大詰めでしたし、リビングと洗面所は地続きなので妻の目も届くし大丈夫でしょ…?と思いながら、しぶしぶ階段を降りていったところ、リビングの机の上に折り紙やらシールやらペンが散乱してまして、どうやら娘が何か書き物をしていた形跡がありました。
すぐに娘がトイレに行ったので、その散らかった机の上に目をやったらメモ用紙に書かれた手紙らしきものがありまして、こっそり読んでみたらそれがサンタ宛てのものだったんですね。
僕もしぶしぶ降りてきていたのに、手紙の内容の可愛さに一気に腰が砕けるような思いになったので、思わずSNSにアップしてしまった次第です。

ーー手紙を見た時どう思った?
ただただ可愛い、でしたね。焼き芋というチョイスがまたピュアな感じがして、大人は0歳児の欲しいものなんて考えもしないじゃないですか。そこを考えてあげてる(目線を合わせてあげてる)5歳児のお姉ちゃんの優しさに、ちょっと感動すらしました。
ーー娘さんは、ちゃっかり自分の要望も伝えているようだが?
「あ!この手紙、前段があったんだ!」とはなりました笑。
最初「したたかだな〜」とも思ったのですが、娘の普段の性格から、弟が来て初めてのクリスマスで、自分の頼み事だけを書いただけでは申し訳ないと思ったんだろうなと想像もできて、また愛おしく感じもしましたね。

弟は、焼き芋のすりつぶしたものはダントツで食いつきがよい
ーー投稿に大きな反響があるが、どう思う?
単純に嬉しかったですね。引用ツイートされてる方達のコメント文を見ていると、「つらいニュースが多かった今年の最後にほっこりできるものが見れて嬉しかった」というようなものが多く見られて、娘の書いたものでそんなふうに感じてもらえたのなら、親として誇らしく思えました。「一緒に腰が砕けていただけて嬉しかったです」とお一人お一人に伝えたいぐらいです。
ーーなぜ娘さんは、弟の分までお願いを書いてあげたと思う?
弟は0歳で自分で書けないからお姉ちゃんが書いてあげる、とは話してたようです(妻の話)
ーー弟は本当にお芋を欲しがっているのでしょうか?
それは0歳児なのでわかりかねますが…最近離乳食を始めて、おかゆやほうれん草のペーストを食べ始めたところなんですが、焼き芋のすりつぶしたものはダントツで食いつきがよいので、欲しがっているといえば欲しがっているのではないでしょうか?笑
ーー娘さんと弟の仲はどんな感じ?
普段からも関係はとても良いと思います。娘は誰よりも0歳児によく話しかけていますし、最近は夜泣きがひどい時期なんですが、娘は横で寝ているのに全然文句も言いません。弟の方も、寝坊して遅れて起きてきた姉や保育園から帰ってきた姉の顔を見ると、ニコーッと満面の笑みを浮かべます。

生後6カ月の弟さんは、よく笑い、おっぱい大好き、暗いの怖い、音楽が好き、お姉ちゃんの歌はもっと好きという子だそう。仲が良い姉弟だからこそ、弟の望みが分かったのかもしれない。
手紙は“サンタさん向けの祭壇”へお供え
ーー現在この手紙はどうしてる?
一昨年ぐらいから、我が家ではサンタクロースを迎え入れる祭壇?みたいなものをリビングで作って、そこに24日の夜、サンタ用の飲み物やお菓子を供えるのがルールみたいになっているのですが、そこに今回の手紙もお供え?するそうで、リビングのテレビボード(祭壇を設営する予定地の横にあります)の上に置いてあります。
去年は「さんたさん、とちゅうでたべてね、きてくれてありがとう」と書いたメモと一緒に「雪の宿(あまじょっぱい煎餅)」を並べていました。

そして、このかわいらしい願いが叶って姉弟が希望するプレゼントが25日朝にサンタさんから届いたそうだ。25日に改めてクリスマス当日の様子を宮川さんに聞いてみた。
プレゼントよりサンタの存在に喜び!
ーー今年の「サンタクロースを迎え入れる祭壇」はどうだった?
今年は去年のお菓子とお茶に加えて、湿布(ハリックス55)があったのが面白かったですね。
昨日保育園で外部のボランティア?のサンタさんが来てくれたみたいで、ずっと腰が痛いって言ってたから、母親(妻)に頼んで我が家の薬箱から用意したのだそうです。

ーープレゼントを受け取った娘さんたちの様子はどうだった?
娘はまずサンタさんが本当に来てくれたことにテンションが上がっていましたね。「用意していた湿布(ハリックス55)使ってある〜!お茶減ってる〜!お菓子食べてある〜…おいももある〜!」って感じで、やっと自分のプレゼントに気づいたという感じでした。
息子はそんな様子を見て「ぼけ〜っ」としてました笑

ーーその反応を見てどう思った?
正直、サンタクロースの存在をもうあんまり信じてないのかな?と思っていたところがあったので、そのはしゃぎっぷりは嬉しかったというか、どこか安心しましたね。まだまだ自分の子供でいてくれるんだ…みたいな安心というか。立派に成長してほしいと思いつつ、矛盾してるんですが…自分の親もこんな矛盾を感じてたのかな?とか、いろいろ想像していました。

ーー来年のクリスマスへの思いを教えて。
もっとマセてしまっているでしょうけど、今年みたいに思い出深いクリスマスになったらいいなと思いますね。

今年の祭壇には手紙やお菓子だけでなく、湿布まで用意したという娘さん。ちなみに湿布は1枚減っていたそうだ。弟だけでなくサンタさんをも労わるその優しい心を大事に、すくすくと育ってほしい。
なおプレゼントに喜んだ後、娘さんはもっと弾きたかったピアノのフタを閉じ、保育園に向かったという。
宮川さん一家は、クリスマスの夜をチキンとケーキを買ってゆっくり過ごすそうだ。娘さんもチキンとケーキを何よりも楽しみにしているそうで、プレゼントも相まって笑顔が溢れる一日になっていることだろう。

宮川サトシ 1978年、岐阜県出身。2013年に地方出身妖怪たちの日常を哀愁あふれるタッチで描いた『東京百鬼夜行』でデビュー。最愛の人を喪った哀しみとそこからの再生を描いた自伝エッセイ『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』は、多くの共感を得た。SFギャグ『宇宙戦艦ティラミス』(原作)のほか、『情熱大陸への執拗な情熱』、『そのオムツ、俺が換えます』、など話題作多数。現在は週刊モーニングにて『ワンオペJOKER』(原作)を、週刊漫画ゴラクにて『LV41才の勇者』(原作)を連載中。
【関連記事】
「皆目見当がつかん…」6歳娘が希望する謎のプレゼント探しにネット上の“サンタたち”が起こした奇跡