娘からのラブレターを読んでみると…

5歳の娘からもらった手紙を読んでみると、それは父親へのラブレターだった。
しかし、その愛情表現が独特で、漫画家である父親は娘の文才に嫉妬。そんなTwitterの投稿が話題になっている。

5歳の娘からこんなラブレターをもらった。「I LOVE YOU」を「一緒にヘビに吞まれてもいい」と表現するその感覚に、正直一瞬恋に落ち…いや、落ちないけど、しばらく頭の中で二人一緒にヘビに呑まれている様子を想像し、時間を奪われてしまった。

このように投稿したのは漫画家の宮川サトシさん。娘からもらった手紙の自分への愛情表現の仕方に驚いたそうだ。

そんな娘さんが書いた手紙の内容がこちら。

おとうさんへ
おとうさんがへびにたべられたら、はなえもたべられていいよ。どうしてそうおもうかとゆうと、おとうさんがすきだから。

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「お父さんがヘビに食べられたら、自分も食べられてもいい」。この表現は、同じ運命を共にしてもいいと思えるほどにお父さんが好きだということのようだが、5歳の子が書いたとは思えない独特な表現だ。

この投稿には「これ以上の愛情表現はないんじゃないかなと思って泣いちゃいました」や「素晴らしい文才ですね!こんな文章なかなか産み出せないですよ」などのコメントが寄せられ12万超のいいねが付いている。(7月21日現在)

娘さんからの手紙を読んだ時、どのように思ったのか。そして、なぜ娘さんはヘビに例えて愛情表現をしたのか。宮川さんにお話を伺った。

「愛」を使わず、知り得る限りの言葉で愛を表現しているのかなと

ーーこの手紙はどのような経緯でもらった?

特に僕が誕生日だとか何かの記念日だとかそういった経緯はなく、普段から本当に手紙を書くのが好きな子で、いつものように一通くれたという感じでこの手紙をもらいました。友達や妻にも何のきっかけもなくいきなり書いて渡してくれます。買い物に行っても新しいレターセットをよく欲しがります。

自粛期間中に偶然会えた友達に書いた手紙

ーー手紙を読んだ時、どのように思った?

嬉しさよりも驚きが先にありました。まず文法がしっかりしていること、そしてこの気持ちの表現に、ヘビに二人で呑まれているイメージが一瞬で膨らんで、こちらの時間が止まったようでした。そしてすぐに夏目漱石の「I LOVE YOU」の訳「月が綺麗ですね」のことを思い出しました。

「愛」を使わず、知り得る限りの言葉で愛を表現しているのかなと。物書きの端くれとして、少しだけ嫉妬もしましたが(笑)。誇らしくとても嬉しい思いでおります。宝物がひとつ増えましたね。

彼女なりに「死」とはヘビに呑まれること

ーーなぜ「ヘビに食べられてもいい」という表現になったのか?

毎晩かなりの数の絵本(昔話)を読んできたので、その影響か、もしくはピクサー・ディズニー系のアニメや映画も大好きなので、そのどこかでそんな場面を見て彼女なりに「死」とはヘビに呑まれること、と頭の中で結びついていたのかもしれません。 親としては、本当は呑まれた僕を置いて逃げて生き抜いてほしいですが…愛の言葉だと思うとやっぱり嬉しいですね。

ーー娘さんはヘビが嫌い?

川で泳いでる蛇を見たことがありますが、怖がっていたので嫌いだと思いますね。犬や猫、海の生き物は好きだそうです。

ーー娘さんはどのようなお子さん?

いつも元気で飛び回っていますが、寂しがり屋でもありますね。おしゃべりが好きで、相手を笑わせようとするところもあります。将来の夢は獣医さんか漫画家だそうで、いつも自宅で仕事をしている僕を見ているようです。

ーーこの他に娘さんから手紙をもらったことはある?

あります。いつも折り紙で作ったオブジェと一緒に、イラスト入りの手紙をくれますね。

お父さんへの手紙
お父さんへの手紙

手紙を書くのが大好きだという宮川さんの娘さん。「死」と「ヘビ」が結びついていたため、今回の表現になったようだが、数多くの絵本やアニメを見ていたからこそ出てきた表現といえるだろう。
娘さんの文才が羨ましいが、次はどのような表現で手紙を書いて驚かせてくれるのだろうか。

宮川サトシ 1978年、岐阜県出身。2013年に地方出身妖怪たちの日常を哀愁あふれるタッチで描いた『東京百鬼夜行』でデビュー。最愛の人を喪った哀しみとそこからの再生を描いた自伝エッセイ『母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。』は、多くの共感を得た。SFギャグ『宇宙戦艦ティラミス』(原作)のほか、『情熱大陸への執拗な情熱』、『そのオムツ、俺が換えます』、『僕!!男塾』(原作)など話題作多数。現在は週刊漫画ゴラクにて『LV41才の勇者』(原作)等を連載中。