39歳、現役最年少校長の挑戦

12月14日の「教育のキモ」では、現役最年少、39歳の大阪府立箕面高校の日野田直彦校長が挑む学校改革についてお話を伺った。

海外で育った日野田さんは、帰国後、日本の学校の姿に衝撃を受けた。

「講義を真面目に黙って聞いてノートをとる。それがいい生徒と。これでは世界で全く通用しない」(日野田さん、以下同)


日野田さんが着任した大阪府立の箕面高校は、当時、普通の公立高校だった。

「偏差値52くらいの地域の四番手高で、国際教養科がありながら海外進学をすることもなく、世界で活躍をするってどういうことなのか答えがちゃんとなかった」

日野田さんは早速グローバル人材を育てるための学校改革に取り掛かった。

しかし当時の教員の平均年齢は52歳。若い校長にネガティブな反応が多かったという。

そこで日野田さんは、トップダウンではなくボトムアップ方式を取り入れ、教員から授業でやりたいことをヒヤリングした。そのうえで、まずは課外授業からスタートし、プロトタイプをつくって、授業に取り入れる方式をとった。

また外部のアイデアも取り入れた。

英語教育のベルリッツと提携し、ベルリッツと教員がお互いに知恵を出し合い、ディスカッションやプレゼンテーションを取り入れた授業を作った。

ここでユニークなのは、授業に参加する教員は英語の担任だけでなく、数学や体育、美術の担任もいることだ。

この狙いについて日野田さんはこう語る。

「英語はツール。授業はツールを学ぶのではなく、マインドセット、考え方を変えるのが目的。科目の違う先生が集まり、外部とコミュニケーションすると想像以上にいいものができる」

TOEFLの成績もめざましく向上

さらに箕面高校では、教育関連のベンチャー企業と連携し、ハーバード大学やMITなどの学生が来て、ワークショップを行う。

授業の3分の1は、アクティブラーニングだ。海外の大学で取り入れているホワイトボードミーティング(ホワイトボードを通じて議論をマッチング)や、図書館をスタンフォード大学のdスクールのように机と椅子を円卓に変えて生徒たちが車座になり議論する。

こうした授業を取り入れたことで、生徒たちは変わった。

「ハーバードの学生と、もっとしゃべりたいと、よりいっそう勉強する。やれと言われなくても勉強する」


実際にTOEFLの成績が目覚ましく向上したほか、海外の有名大学への入学者も出てきた。

帰国子女が何も勉強せずに受けると約70点と言われる。

さらに授業に対する姿勢にも変化が見られ、改善したい点があれば自ら提案を持ってくるようになったという。

しかし日野田さんは、海外の大学への入学が目標のすべてではないという。

「多様な人材が集まるのが公立学校のいいところ。自分たちで意思決定して進路を決めるようになればいい。目指すのは生徒が元気になってくれること。2050年には日本の人口は世界で16位、GDPは7位。それでもまだ偏差値教育しますか」