逆境が生んだ新しい旅の形

世界5カ国の都市を90分で巡る「オンライン体験ツアー」。

参加者はチャット機能を通じて現地スタッフとコミュニケーションを取りながら、街中を散歩したり、電車移動を体験したりと、旅の臨場感を味わうことができる。

逆境の旅行業界で注目が集まる、新しい旅の形を体験してみた。

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パソコンを目の前にした添乗員。

新型コロナの影響で海外との往来が制限される中、エイチ・アイ・エスは、オンラインの海外体験ツアーを始めた。

日本とエイチ・アイ・エスの海外拠点をリモートでつなぎ、現地スタッフが観光スポットをリアルタイムで案内する企画。

この日の旅のスタートは、日本から飛行機でおよそ4時間。中国にある世界遺産・万里の長城。

現地では、2人のスタッフが険しい石段を登りながら、見どころをリポートする。

現地スタッフ:
今見ていただいたところ、急だと思うんですが、“八達嶺”の一番角度のあるところは40度と言われています!

東京の添乗員:
すごく急ですね、そこも階段ですか?

現地スタッフ:
階段です

旅の売りは、この臨場感。

参加者はチャット機能を使って質問もできる。

東京の添乗員:
今、北京の気温は1℃でしたよね。お客さまから『寒いですか?』との質問が来ています

現地スタッフ:
そうです、寒いです。風が強いので、1℃よりももっと寒い感じがします

参加費用は1つの端末につき1,000円

この日は、「中国・万里の長城」「オーストラリア・シドニー」「ベトナム・ハロン湾」「UAE・ドバイ」「ロシア・サンクトペテルブルク」の世界5地点を巡るツアー。

ロシアのサンクトペテルブルクでは美しい街並みを歩いてみたり、オーストラリア・シドニーでは、市内を走る電車に実際乗り込んで、車内の様子も生中継。

旅のプランは、それぞれ現地スタッフのアイデアをもとに立てられている。

ロシア・サンクトペテルブルク

オーストラリアのシドニーでは、世界遺産のオペラハウスの前で、富士山の形をした帽子をかぶってみせる演出も…

現地スタッフ:
世界遺産、シドニーのオペラハウスと富士山の融合です。日本の皆さん、お元気で。またシドニーでお会いしましょう!

オーストラリア・シドニー

東京の添乗員:
向かうは、ベトナムの世界遺産『ハロン湾』です。トゥンさん、お願いします!

現地スタッフ:
わたしは、ハロン湾の観光の船の上に立っています。わたしと一緒にハロン湾観光しましょう。

ベトナム・ハロン湾

各都市およそ15分ずつ、90分で巡る今回のツアー。

費用は、現地のお土産が付かない通常プランなら1000円。(1端末につき最大5名まで視聴可能)

オンラインツアーに参加した田木正樹さん:
動画を見るだけなのかなと思っていたが、現地の人と双方向のコミュニケーションが取れて、リアルな臨場感みたいなものは感じられました

子どもや高齢者の新たな文化体験に

エイチ・アイ・エスは、緊急事態宣言が全国に拡大された春ごろに、北米からオンラインツアーを試験的にスタート。

現地ガイドのモチベーションが向上する効果も見られたため、事業化を決めた。

エイチ・アイ・エス Online Experience本部・勇川千絵さん:
子どもの新たな文化体験、異文化の体験を、もっと早いうちからオンラインに親しんでいるデジタルネイティブの子どもたちがすることによって、もっと違った新しい人生、未来につながるんじゃないかとか、高齢の方が『リアルでは行けないと思っていたが、こんな新しい体験ができるようになった』とか、想像もしていなかった反応をいただいていて、いろいろな可能性があると思っています。

感染終息後の旅行者囲い込みにも

三田友梨佳キャスター:
エコノミストで企業ファイナンスを研究している崔真澄さんに聞きます。崔さんはこのオンラインツアーに参加したことがあるんですよね?

エコノミスト・崔真淑さん:
そうなんです。予想以上に面白くて、インドのタージマハールのオンラインツアーに参加しましたが、マーケティングツールにも活かせると思いました

エコノミスト・崔真淑さん:
オンラインでもかなりコミュニケーションができるし、面白いのでオフラインでも行きたいと潜在顧客の発掘にも繋がると思いました。ツアーガイドにオフラインでも会ってみたい、オンラインでこれだけ面白いんだから、と感染が終息した後の旅行者の囲い込みにも繋がると思います。

三田友梨佳キャスター:
遠くて行くことの難しい旅先にもオンラインを活用することで、より身近に感じることができそうですね

(「Live News α」12月17日放送分)