福島県との県境に位置する新潟・三条市。中でも下田地区は、名勝・八木ヶ鼻をはじめ、山々が独特の表情を見せる秘境として知られている。

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下田地区をさらに福島県方面に向かった先に今回の目的地がある。

五十嵐川のほとりにたたずむ「そば処 山河」 こだわりの地元食材で人気

下田地区を流れる五十嵐川。
そのほとりにたたずむのが「そば処 山河」。

朝からそば打ちに精を出すのは、店主の中山博貴さん(39)。
自慢の手打ちそばをいただいた。

飛田厚史アナウンサー:
ザルから、そばの香りが漂ってくる。おいしいです!

そば処山河 中山博貴さん:
(そば粉は)下田産の“とよむすめ”という品種

飛田厚史アナウンサー:
こんなに香りが豊かなものなんですね

そば処山河 中山博貴さん:
僕も食べて驚いて、これしかないと思って使っている

そばも天ぷらも地元の食材にこだわる「そば処 山河」は、市街地から離れているにも関わらず、その味が評判を呼び、人気を集めている。

さらに、こんな珍しいお酒も。

飛田厚史アナウンサー:
こちらは何ですか?

そば処山河 中山博貴さん:
カジカ酒。地元の川からやってきた。僕が突いた

五十嵐川ではブラックバスによる生態系の“破壊”が…

釣りが好きな中山さん自身がとった魚も、店で提供している。

ところが…。

そば処山河 中山博貴さん:
下田の自然の中で仕事をしているし、魚を出しているので、「このままじゃいかんな」という思いが出てきて

いったい、何がいけないというのか?

中山さんについて行くと、五十嵐川で釣りを始めた。
すると、たちまち20cmほどの“ブラックバス”が釣れた。

飛田厚史アナウンサー:
これが在来のお魚を食べちゃう?

そば処山河 中山博貴さん:
全部丸飲みにしちゃう

中山さんによると、2019年から五十嵐川で見られるようになったというブラックバス。
アユやイワナなどの在来種が食べられてしまうと、地元の漁協関係者も危機感を募らせる。

五十嵐川漁業協同組合 飯塚喜一組合長:
これだけ簡単に釣れるというのは、相当の数がいるのでは。せっかくお金をかけて(稚魚を)放流してもみんな食べられるのは、やっぱり外来魚による被害がかなり大きい

清流を守る勇者「ブラックバスターズ」

愛する五十嵐川の生態系を守るため、中山さんはある秘策を考えた。

そば処山河 中山博貴さん:
「ブラックバスターズ」。うちに釣ったブラックバスを持ち込んでもらう

中山さんはブラックバスから清流を守る勇者、その名も「ブラックバスターズ」を募っている。

ブラックバスを釣るごとにポイントがたまり、最高レベルの“ブラックマスター”になると、そばと天ぷら1人前をサービス。

豪雨被害で一時は再建断念 息子の言葉がきっかけに…

中山さんがここまで下田に尽くすわけを聞いてみると…。

そば処山河 中山博貴さん:
この場所は被災した場所。そういうのに負けないで、下田で頑張る姿を発信できたら

2011年7月に発生した新潟・福島豪雨。
当時から川沿いにあった山河は、五十嵐川の増水で土台がえぐられ、閉店に追い込まれる。

一時は再建を断念した中山さんだが…。

そば処山河 中山博貴さん:
被災したときは1歳だった子ども(長男)が、4歳ぐらいのときに、自宅のテーブルでそば打ちの真似をし始めて、「昔、パパこうやって作っていたよね」みたいな話をして

長男・湊人くんの言葉で一念発起。
「下田を元気にしたい」と、水害から5年となる2016年にこの場所で再出発を果たした。

渓流釣り未経験の飛田アナも挑戦!

そうと聞いては一肌脱ぎたいところ。
飛田アナウンサーもブラックバスターズとして、いざ、冒険の旅へ!

飛田厚史アナウンサー:
いる、いる、いる!

中山さんの手助けを借りながらではあったが、渓流釣りの経験のない飛田アナウンサーでも釣り上げることができた。

飛田厚史アナウンサー:
やりました! 人生初のブラックバス!

ブラックバスに罪はないが、やはり、かなりの数が生息しているよう。

そば処山河 中山博貴さん:
五十嵐川にこういうものが増えていると知ってもらうのが第一。釣ってくれる人も増えて、少しでもいい方向に向かっていけば。下田の五十嵐川は本当に誇れるものなので、きれいなまま残していけたらいい

時に厳しくも豊かな恵みをもたらす自然。
自慢のそばとともに、下田を愛する中山さんの取り組みはこれからも続く。

(NST新潟総合テレビ)