暗闇の線路に現れた、一頭のヒグマ。次の瞬間、特急列車を襲った衝撃―
10月30日、JR宗谷線の天塩中川駅と問寒別駅の間を走行していた特急サロベツ3号(4両編成)がクマと衝突。先頭車両が脱線する、道内初の事故となった。
乗客は32人。夜の現場でクマの生死や車両の状態を確かめるのは危険と判断され、ハンターの到着を待つことに。乗客たちは車内で一夜を明かした。
明るくなってから確認されたクマの姿に、関係者は驚いた。
体長はおよそ2メートル、推定体重は400キロ超。北海道でも珍しい「巨大グマ」だった。
その巨体は車体の下に入り込んでいて、撤去作業は難航。現場で死骸を解体しながら引き抜く必要が生じるほどだった。
衝突の爪痕は、車両にも。車体を支える「空気バネ」が故障し、ブレーキを解除できなくなる恐れも判明。完全復旧は11月4日までずれ込んだ。
列車とクマの衝突事故は、2026年に入ってすでに36件。過去最多だった2025年には50件が発生している。しかし、列車が脱線したのは今回が初めて。
線路に現れた、推定400キロ超の巨大なヒグマ。その圧倒的な巨体が、特急列車の脱線という異例の事態を招いたのかもしれない。
