育児の話題をお伝えする「Thank you for zero」のコーナーです。
今回は、4日に本格スタートした全国初の取り組みを取材しました。
広島での出産は全国的に見ても安心・安全レベルが高い、そう誇れる取り組みが動き始めています。
広島市南区の県立広島病院。ここにあるのが「総合周産期母子医療センター」です。母体や胎児、新生児の重い症状や緊急事態に24時間体制で対応する高度専門医療施設で、中四国地方では初めて誕生。
現在、県内では県立広島病院と広島市民病院の2拠点で、小さな命と母体を救っています。
その県立広島病院で3日、全国初となるシステムのデモンストレーションが行われました。
医師たちが見守るパソコン画面からは… 心音
【県立広島病院成育医療センター産婦人科 阪埜浩司 主任部長】
「この音が心拍、拍動を音に変えていて、画面に出てくる情報としては上側が赤ちゃんの心拍、下がお母さんの陣痛になる」
これは、別の病院から緊急搬送される妊婦と胎児の情報です。情報を送っていたのは救急車両。搬送の最中から妊婦や胎児の状態を、受け入れ先で把握できる、初めてのシステムなんです。本格的な運用開始を前に実際に臨月の妊婦である看護師の協力を得て最終チェックを行いました。
このシステムを導入するとどんなメリットがあるのでしょうか?
【県立広島病院成育医療センター産婦人科 阪埜浩司 主任部長】
「より早く的確な診断・対応ができると思います。緊急に赤ちゃんを外に出さなくてはいけない状態であれば連絡をして手術室、麻酔科、新生児科関係各位にすぐに連絡をとってもらうことができるということになります」
これまで搬送先の病院が診断できるのは妊婦の到着後でしたが、このシステムでは到着前ににデータが送られてくるため、約20分から30分早く方針の決定や医療処置ができるようになります。さらに、スマートフォンでも確認できるため、複数の人が同時に情報を共有できます。外で救急車の到着を待つ間も直前まで、母子の状態を見守ることができました。
デモンストレーションでは、妊婦の到着後、スムーズな受け入れにつながりました。
今回システムの運用に参加するのは7つの病院。三次市の病院をはじめ東広島市、尾道市など地域周産期医療施設が加わりました。地域連携によるより強固な医療体制が実現するといいます。
【県立広島病院成育医療センター産婦人科 阪埜浩司 主任部長】
「成熟して質の高い周産期医療を提供できるということを、できれば県民の人には理解していただいて、今、県から出て、地方にいる人も安心な広島に戻って、ぜひ里帰り分娩を積極的にしていただきたい」
導入の背景には低出生体重児の増加など出産をめぐる現状もあります。県立広島病院では去年1年間で147件の母体の緊急搬送がありました。出産にはリスクが伴うことがわかります。
【県立広島病院成育医療センター産婦人科 阪埜浩司 主任部長】
「初産の人も高齢になったり、あるいは対外受精とか、生殖医療で妊娠されているとハイリスクは増えている。当然そういうようなハイリスクの妊娠自体も増えていれば搬送されるケースも今後増えていく可能性がある」
地域と高度医療をつなぐ新しいリアルタイム連携システム。県内一丸の取り組みに病院も自信をのぞかせます。
【県立広島病院 福本里恵 副院長】
「より設備が整って交通網もしっかりしている都会で産もうかなと思っている方は、少なからずいらっしゃるんじゃないかなと思うんですけれども、そこを広島県で安心していただきたい」
【県立広島病院成育医療センター産婦人科 阪埜浩司 主任部長】
「搬送中から受け入れ先の方で自分の状態を診ていてくれるということが、よりご本人、お母さんの安心につながればと考えています。もっと多くの施設が参加することで、多くの症例に安全性の高い医療を提供できる環境に更になっていく」
