70年以上にわたり世界の第一線で活躍した指揮者のヘルベルト・ブロムシュテットさんが4日、スウェーデン・ヨーテボリにある自宅で死去しました。99歳でした。
ブロムシュテットさんは1927年7月11日、アメリカ・マサチューセッツ州で生まれ、2歳のときに両親の祖国スウェーデンに移住しました。ストックホルム王立音楽院で学んだ後、ニューヨークのジュリアード音楽院でレナード・バーンスタイン氏に指揮を学び、さらにイーゴリ・マルケビッチ氏らの指導を受けました。
その後、1954年にプロの指揮者としてデビューすると、1975年から10年間、当時の東ドイツの名門オーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデンで首席指揮者を務めました。1985年にはアメリカ・サンフランシスコ交響楽団の音楽監督に就任すると、演奏と録音の完成度が世界的に評価され、アメリカのグラミー賞を複数回受賞しました。
NHK交響楽団とは1981年の初共演以来、45年にわたる関係を築き、去年10月に東京で共演し、ブラームスの「交響曲第3番ヘ長調 作品90」を演奏していました。今年10月に来日が予定されていましたが、公演は中止されました。
指揮棒を持たず、両手で包み込むようにオーケストラを導き、楽団員とは対話を重ねて信頼関係を築いてきました。敬虔なキリスト教徒で信仰に基づき禁酒・禁煙を貫くストイックなライフスタイルが活力の源でした。
先月28日には第37回高松宮殿下記念世界文化賞の音楽部門を受賞していましたが、自身の体調を鑑み来日を断念、代理人のスウェーデン王立音楽アカデミー会長が常陸宮妃華子さまからメダルを受け取りました。
サンフランシスコ交響楽団は公式ホームページでブロムシュテットさんについて「気高く、魅力的で、冷静で、謙虚。指揮者のような非凡な者にとって異例な資質といえる」と評し死を悼みました。ドイツのベルリン・フィルハーモニー管弦楽団は「彼はとりわけブルックナーの偉大な解釈者の一人としてその名を知られていた。また、その温かな人柄でも人々に深い感銘を与えていた。」とSNS に投稿し哀悼の意を表しました。
