福岡県議会の金銭授受疑惑など一連の問題をめぐり、8月に議員辞職した蔵内勇夫前議長の記者会見が5日午前、福岡市内で始まりました。
議員辞職後、約2か月半ぶりに公の場に姿を見せた蔵内氏。
福岡市内のホテルで午前11時に始まった会見で蔵内氏は金銭授受疑惑について「そのような事実はございません」と改めて否定し、「お車代であれ、いかなる名目であれ、社会的な儀礼を超えた政治倫理に反する現金を受け取ったことはありません」と述べました。
ゴルフ代や飲食代については「割り勘と認識していた」として「その場ではなくとも後で支払っており、誰かに負担を負わせることはありません。招待された場合も社会的な常識として相応の包みを渡しております」と説明しました。
「金銭を支払った」という証言が出ていることについては「そのような証言が出された理由や経緯は、私にはわかりません。ぜひ第三者委員会等で事実を確認し、明らかにしていただきたいと思います」と述べました。
“県議会のドン”とも呼ばれた蔵内氏は長年、福岡県政界で絶大な影響力を持っていましたが、7月に議長経験者である吉松源昭県議が、過去に議長就任の見返りとして蔵内氏など自民党県議団幹部から金銭を要求されたと証言しました。
吉松氏は「カツアゲされたようなものだ」などと説明し、金銭要求をめぐる生々しい音声データを公開しました。
7月には疑惑への関与が取りざたされた中尾正幸副議長(当時)が議員辞職したほか、自民党県議団会長(当時)の松尾統章県議も会長職の辞任を表明し、県議会トップである蔵内氏へ説明責任を求める声が一層強まりました。
また、熊本地震後の8月には自身が推進する「ワンヘルス」政策関連の海外出張から帰国した際に「ネパールは天国だった」などと発言し、激しい批判を受けました。
8月17日に開かれた臨時議会では、吉松氏から蔵内議長に対する議長辞職勧告決議案が提出されましたが、蔵内氏の元秘書で自民党(当時)の林泰輔議員から採決を取り止める緊急動議が出されて可決し、さらに県議会は混乱しました。
議員辞職を求める世論や県議会内の反発が収まらない中、蔵内氏は8月25日、東京都内で「本日をもって議長、県議を辞職する」と述べて辞職しましたが、その理由については「後日、福岡でゆっくり報告したい」と語っていました。
蔵内氏の辞職後も、議長経験者の樋口明県議が自民党県議団の幹部からの求めに応じて議長就任前に「ゴルフ代や食事代など約700万円支払った」と証言したほか、副議長経験者で民主系会派だった新村雅彦元県議が「料亭で蔵内氏に500万円を渡した」などと会見で明らかにしていました。
蔵内氏は新村氏の証言について「議会人事に関して金銭の授受を行ったことは一切ありません。新村氏の発言の意図は不明ですが、事実に反し、私の名誉を棄損する発言ですので、会見内容を精査した上で、関係者とも協議し、必要となれば断固として法的措置を講じる所存です」と書面でコメントしていました。
TNCなどテレビ局や新聞各社などでつくる福岡県政記者クラブは9月、蔵内前議長に対して記者会見の開催を要請していました。
