寒くなると食べたくなる『おでん』。いま具材の値上がりに店も頭を悩ませている。
押し寄せる値上がりの波
10月28日の福岡県内は内陸部を中心に気温が下がり、各地で今シーズン一番の冷え込みとなった。各地の最低気温は添田町で7.9度、大牟田市で8.2度など、殆どの観測地点で今シーズン最低を記録した。

通勤する男性は「きょうは上着を忘れちゃって。急に寒くなりましたよね」と肩を窄め、同じく通勤する女性は「きのうよりかなり寒いですね。もう1枚上に着てくればよかった」と苦笑いを浮かべる。

日に日に寒さが増すこの時期に恋しくなるのが、あったかいおでんだ。

「ぴったりな季節になってきました。お持ち帰りや店内で食べるお客さま、テイクアウトとか、すごく増えてきました」と話すのは『旦過うどん』(北九州市小倉北区)の水上桂子さん。

“北九州市民の台所”と親しまれている旦過市場にある老舗のうどん店だ。
40年以上前から店先の大鍋で煮込むスタイルを守ってきたおでんは、売り上げの6割を占める看板商品だが、いま店を悩ませているのが相次ぐ材料費の値上がりだ。

旦過うどんの水上さんも「全体的に具材の値段が上がってきて、練りものも上がったし、卵も昔に比べたら倍ぐらいに上がっている。出汁を取るカツオや昆布がすごく値段が上がりました」と溜息を漏らす。

具材に加えて、出汁の材料まで値上がりしているのだ。
原料のスケトウダラのすり身の価格上昇
なかでも深刻なのが具材の半分を占める練り製品の仕入れ価格の上昇だ。

水上さんも「練り物は、仕入れ値の”低価格チーム”だったんですよ。それがもう本当に上がってきたから」と嘆く。練り製品の値上がりの背景にあるのが、原料となるスケトウダラのすり身の価格上昇だ。

最大の輸入元であるアメリカで生産が減少する一方、ヨーロッパでは切り身での需要が増加してすり身の供給が減り、ここ数年は価格が上昇傾向にある。

「(値上げ?) はい。来月ぐらいから、ちょっと値上げさせてもらう方向に考えてます。そんなに大幅には上げられないですけどね」(『旦過うどん』水上桂子さん)

最早、値上げが避けられないほど事態は深刻。温かいおでんや鍋料理に欠かせない練り製品の値上がりが、消費者の懐をさらに冷やすことが懸念されている。
(テレビ西日本)

