10月25日投開票の福島県知事選挙の争点から、福島の今を考える。今回は地方にとって共通の課題でもある「人口減少」について。
県内人口は1998年の213万人をピークに減少し、2026年6月1日時点の人口は戦後初めて170万人を下回った。中でも歯止めがかからないのが、若者の人口流出だ。
■会津大学 県内就職は3割届かず
日本で最初のコンピュータ理工学専門の大学として開学した歴史を持つ会津大学。
その高い専門性が評価され、2025年度は大学院で100%、学部で98%と高い就職率を誇る。
一方で福島県内での就職割合を見てみると、会津大学が目標とする3割には届いていないのが現状だ。
学生たちからは「僕が目指しているのがゲーム会社というのもあり、会社が東京に集中している」「大企業になると都会にあることが多い。福島にも大企業まではいかなくてもそれに近いようなものがあれば働いてもいいかな」との声か聞かれた。
■福島に残る ここだからできること
25歳から29歳の、県内の就業者に占める大卒者の割合は、男性が33.1%、女性が27.3%で全国平均を大幅に下回り、受け皿不足を浮き彫りにしている。
こうしたなか、福島に残り起業する道を選んだ人もいた。
福島県二本松市出身の石川達也さんは、自分のスキルを活用し株式会社inf(インフ)を20歳の時に立ち上げた。地方で学ぶ機会が少なかった、プログラミングの出前授業などを行っている。
「超一流のプロフェッショナルではなくても、必ず役に立てるとか解決できる課題があると思っている。そういった課題に福島であると出会いやすい」と石川さんは話す。
一方で、ほとんどの同期が就職で福島県を離れていったという。石川さんは仕方ないとしながらも「福島が選択の土台にすら上がらないというのが悲しい」と語る。
■福島の魅力や企業について知る
こうした思いから取り組み始めたのが、学生と企業を繋ぐAizu-BASE(アイヅ・ベース)での活動だ。2025年2月に法人化し、石川さんは取締役を務めている。
この日は、会津大学の学生が中心となって地元企業と連携したイベントの打ち合わせが行われていた。
Aizu-BASEでは他にも、猪苗代湖の美化活動や雪遊びなど企業や地元住民を巻き込んだイベントを開催。地域との交流の輪が、県内の魅力や企業を知ってもらうことに繋がっている。
学生からは「ITは都心部に集まっている印象があって、僕も東京都か関東辺りにいこうかなと思っていた。1つの選択肢として、地方に行くのもありなのかなって感じた」と話した。
■“可能性”を感じられる場所へ
若者にとって魅力や可能性を感じられる場所を作ることが、定着へのカギを握ると石川さんは考えている。
「まだまだ始まったばかりの活動なので事例としては少ないが、確実に事例が生まれてきているのは事実。長期的になるかもしれないが、福島という環境が若者の魅力的な場所になっていくというのはあるのではないか」と石川さんは語った。
若者に『選ばれる福島』をどうつくっていくのか。若者の人口減少に歯止めをかけるためにも、県政の舵取り役が果たす役割は、ますます大きくなっていく。
■各候補者の考え
Q:人口減少対策として、何に最優先で取り組むべきだと考えますか
(福島テレビが実施した候補者へのアンケートから当該質問の回答を全文掲載)
【新人・金山屯候補】
産・官・学で話し合いましょう(cf.母校青山学院大学の進学の精神)
【現職・内堀雅雄候補】
本県の人口減少は「自然減」と「社会減」が相まって進行しており、両面からの対策が必要であるため、自然減対策として、出会い・結婚・妊娠・出産・子育てに至るまでのライフステージに応じた、きめ細かな施策を展開するとともに、社会減対策としては、特に若い世代や女性の県外流出が続いていることから、若者や女性の声を丁寧に伺い施策に反映しながら、若者・女性の定着・還流や移住・定住等を促進していく。
【新人・小山田友子候補】
新自由主義経済の下で雇用が破壊され、安心して働き、結婚・子育てできる土台が失われた。賃上げ独自支援や保育料・学校給 食費の完全無償化、奨学金返還支援の抜本拡充で若者や子育てを応援する。また、男女の賃金格差是正と長時間労働解消に取り組み、政策決定に関与できる女性管理職を増やす。多様性を尊重し、人権教育や幼少期からの包括的性教育をすすめ、ジェンダー平等を前へすすめる。
【新人・塚越栄光候補】
人口減少だから縮小する、では人口減少は止まりません。まず仕事を増やし、若い人が福島に残れる、そして一度県外に出た人も戻ってこられる環境をつくる。そのために民間投資を呼び込み、産業を成長させ、医療・教育・子育て・交通など暮らしの安心を守ります。
【新人・遠藤雄大候補】
少子化対策
【新人・藤本昭一候補】
20代、30代の若者に対する負担軽減や、子育てしやすい環境の改善が必要です。
【新人・長谷沼邦彦候補】
少子化対策、子育て支援として、1世帯あたり年間10万円の支援を行う。物価高に合わせて支援を増額する。
若者の出会いの機会を増やす。医療の水準を向上させ、死亡者数を減らす。
