高校バレー界最大の舞台である春高バレー山形県代表決定戦が10月17日に開幕する。2025年大会の決勝で山形中央高校に敗れ、連覇を逃した山形城北高校男子バレーボール部が目指すのは、雪辱となる通算4回目の頂点。圧倒的な決定力を誇った絶対的エースの引退を経て、チームは個への依存から「全員バレー」へと舵を切った。2026年6月の県高校総体を制した強豪が、組織力の向上を武器に全国切符の奪還へ挑む。
全国の壁と組織の進化
2025年の春高予選決勝で山形中央高校に苦杯をなめ、大会2連覇を阻まれた山形城北高校男子バレーボール部。
2026年6月の県高校総体では山形中央高校を制して優勝を飾ったものの、続く全国高校総体(インターハイ)では予選敗退に終わり、目標としていた全国ベスト8の座には届かなかった。

安部功監督は、インターハイの結果は極めて残念だったと振り返りつつも、一つ一つの課題を克服し、夏季大会の時期よりもチーム力は確実に向上していると手応えを語る。

主将の細矢大翔(ひろと)選手も、「全国大会のレベルの高さを実感したことで、選手一人一人の練習に対する向き合い方が大きく変化した」と話す。

絶対的エース“依存”からの脱却
直近3年にわたり連続で県決勝に進出している山形城北だが、2026年の新チームは従来の戦略を見直す必要に迫られた。
最大の要因は、得点源としてチームを牽引(けんいん)してきた絶対的エースの引退。
圧倒的なパワーから放たれるスパイクで相手守備を崩し、大量得点を重ねて全国高校選抜にも選出された佐藤純大さんが、2025年度をもって引退した。

決定力に長けた大黒柱の不在について安部監督は、「当初は戦力低下の側面が大きかった」と説明する。
しかし、現在はコートのどこからでも得点を奪える全員バレーの形が整い、戦力的な穴は埋まりつつあると強調する。

台頭する得点源は2人の2年生
チームが掲げる全員バレーへの移行において、攻撃の中核を担うのが2年生の2選手。
オポジットを務める工藤煌太(こうた)選手は、部内随一の跳躍力と強打を放つ腕の強さが武器。
ジャンプ時の最高到達点は3メートル25センチに達し、打点の高さから切れ味鋭いスパイクを打ち込む。
工藤選手は、「常に自信を持ってプレーすることを心掛けていて、本番でも強気な姿勢を保ち、自身が得点源となってチームを全国へ連れていきたい」と決意を語った。

同じく2年生でアウトサイドヒッターの金子明日翔(あすか)選手は、先発メンバーの平均身長が180.5センチに達する中、177センチと体格的には恵まれていない。
だが、最高到達点3メートル20センチの跳躍力を生かし、味方がつないだボールを着実に相手コートへ叩き込む。
金子選手は、「絶対に優勝して春高へ行くという強い意志を持ち、託されたボールをすべて決め切る覚悟で練習に打ち込んでいる」と意気込みを示した。

司令塔が誓う兄の雪辱
2年生のダブルエースを巧みな配球で生かすのが、3年生のセッター・佐藤悠大(ゆうだい)選手。
佐藤選手は前主力を担った佐藤純大さんの実弟であり、1年生の段階から定位置を確保して司令塔としての役割を果たしてきた。
佐藤選手は、工藤選手と金子選手の2人が勝つための鍵であるとし、両選手が崩れないよう支えるのが自らの役目であると捉えている。

2025年までは卓越した決定力を誇る兄へボールを集める展開が中心だったが、新体制では攻撃の多様性を意識している。
佐藤選手は、過去の戦い方では絶対的な存在に頼り切っていたと省み、コンビネーション練習に注力するようになったと明かす。

兄の影響を受けて競技を始めてから約10年。
佐藤選手は、兄とともに挑んだ2025年の高校最後の公式戦で敗北を喫した悔しさを忘れていない。
兄と果たすことが叶わなかった悲願を晴らす舞台は全国しかないと力を込め、チーム一丸となって県予選の頂点を目指すと前を向く。

山形城北高校は10月17日の初戦で、日大山形高校との対戦に臨む。
(さくらんぼテレビ)

