国会では、13日から衆議院予算委員会での論戦が始まりました。
“予算カット”発言で波紋が広がる簗農林水産大臣ですが、高市総理も異例の表現で厳しい姿勢を示しました。
午前10時過ぎ、やや険しい表情で衆議院第一委員会室に入った簗和生農林水産大臣。
受け取った資料に目を落とすと、口を真一文字に結び、より一層厳しい表情を見せました。
13日から始まった衆議院の予算委員会では、簗大臣の「道路予算カット」発言を巡り、野党から厳しい追及が行われました。
午後、質問に立った公明党の中野洋昌議員は、“最後の質問”として高市総理大臣に簗大臣の更迭を求めました。
公明党・中野洋昌議員:
自分を支持しない地域の道路予算を大幅にカットしたという発言そのものが、やはり私は大臣の適性を欠いている、国民全体の奉仕者とは程遠い姿だというふうに思う。大臣より適性、適切な適性を持った方に代わっていただくべきではないか。
簗大臣の続投の是非について問われた高市総理は…。
高市総理:
簗大臣の地元での発言は、もうあれが事実であるとしたら本当に不適切なもので、本当にダサいと思います。その人が行政の運営をしていいのかどうかということも含め、これは私はしっかりと考えさせていただきますけれども、現時点において農林水産行政や国会にも国民の皆さまにもご迷惑をかけない形で、まずは自らの口でしっかりと責任、説明責任を果たしてもらいたい。これがまずやってもらいたいことです。
これまで一貫して簗大臣を続投させる方針を示していた高市総理が「ダサい」という異例の表現で厳しい姿勢を示し、進退については「しっかり考えさせていただく」と述べました。
この発言をうつむきながら聞いていた簗大臣。
その後は、表情を曇らせる姿が多く見られました。
続いて質問に立った、民主改革の会の山岡議員からも厳しい追及を受けた簗大臣。
民主改革の会・山岡達丸議員:
2つの自治体だけ非常に固執して何らかの思いをもって問い合わせた、そうじゃないんですか?他の街でも同じように官房長や副大臣から聞いてるんですか?
簗農水大臣:
どういう形で問い合わせをしているか、これについては明確な私、今何も記録等持っていませんので正確なお答えはできませんけども。
民主改革の会・山岡達丸議員:
肝心なところは記憶や記録がないというご答弁なわけです。
2026年2月の衆議院選挙で、自身を支援しなかった市長がいる栃木県の那須烏山市と那珂川町の道路予算を“大幅にカットした”と発言した問題。
当時の選挙中の街頭演説では、「政権与党の議席がなくなった地域、その地域の予算というのはごっそり削られます。だってそうですよね、民意が与党議員をいらないっていうんですから。役所も官僚も何にも遠慮いらないんです。遠慮なしに予算を削れるんです」と述べていました。
野党側は、予算配分などの経緯や高市総理大臣の任命責任などを巡り厳しく追及する構えですが、野党に先立ち、午前中に質問に立った身内の自民党議員が急きょ質問内容を変更。
簗大臣の予算カット問題に対し、「政治家として信じられない」などと厳しく詰め寄り、簗大臣が表情を曇らせる場面が見られました。
自民党・田村憲久議員:
予算を削減するなんてことを政治家がするなんて、私信じられないです、ありえない話。ですから一体どういう経緯なのか。全く私は信じられないと、本当にそんなことをやられたのか。
簗農水大臣:
予算の減額を求めたといった事実は一切ございません。にもかかわらず、私が影響を及ぼしたかのような発言をしてしまったことに対しては改めて撤回をして、そして不適切だったということを真摯(しんし)に受け止めて、おわびを申し上げたいと思っております。
また、過去の衆院選で支持者を無料のシャトルバスで送迎したことが、公職選挙法違反にあたるのではないかと報じられたことを問われた簗大臣は、送迎した事実を認める一方で違法性は否定しました。
簗農水大臣:
会場運営上、不可欠なものであるとそういう認識のもとで、利益供与や寄付を行ったということでは一切ございません。
自民党・田村憲久議員:
いろんな疑念があるからこういう問題も報道ベースに乗ってくる。なかなか国民の疑念は晴れないというふうに思います。
身内である与野党からも批判が強まる中、簗大臣は農林水産省内に自身をサポートする“お支えチーム”があることを認めました。
簗農水大臣:
国会対応ですとか、大臣としての職務の関係でこうしたことに当たってもらっている職員もいます。
13日朝の閣議後の会見で、簗大臣は省内に作られた“お支えチーム”について、自身の国会答弁や報道対応を強化するためのものと説明しました。
さらに、高市内閣を巡っては新たな火種も。
関文部科学大臣が衆議院の内規に反し、議員館内で政治資金パーティーを開催していたことが分かったのです。
13日朝の閣議後の会見で、「今後このようなことがないよう猛省しまして、十分注意をしてまいります」と謝罪した関大臣。
9月に発足した第2次高市改造内閣で、簗大臣とともに初入閣を果たしましたが、2人はともに自民党の派閥の政治資金問題で収支報告書への不記載がありながら入閣したことで注目を集めていました。
関大臣が代表を務める地元の支部の政治資金収支報告書によりますと、関大臣は2024年6月に衆院議員会館内で政治資金パーティーを開催。
81万円の収入に対して、会館内の食堂などに8万1957円を支出し、約9割にあたる72万8043円が利益となっていました。
関文科大臣:
パーティーですから“商行為とはまたちょっと違うものがあるのではないか”と私個人で判断してしまってた。
簗大臣への追及が続く予算委員会は、13日と14日は衆議院で、そして16日と19日は参議院で開かれます。
「辞めないなら徹底的に追及する」などと攻勢を強める構えの野党側。
公明党と民主改革の会の幹部らは、13日朝、簗大臣の説明次第では野党が多数を占める参議院で、問責決議案の提出を含めて追及する方針で一致しました。
民主改革の会・階幹事長:
いずれにしてもアウトだと考えています。自ら身を引いてもよいのではないかと率直に思います。
午後の衆議院予算委員会では、民主改革の会の長妻昭元厚生労働大臣が質問に立ちました。
民主改革の会・長妻昭議員:
問題となっている発言は、自民党の栃木県大田原市の支部懇親会での発言。このような発言は以前にもされているんですか。
簗農水大臣:
このようなということが明確に趣旨として私の方で整理できておりませんが、予算の関係ということでいいますと、他の支部の集まりの中でもそういった話をしたということは事実です。
民主改革の会・長妻昭議員:
1カ所でされた失言の類いというような捉え方を自民党の中ではされている方もいるようですが、ちょっとそうじゃないんじゃないかなと。
問題の予算カット発言は、単なる失言ではないのではないかと指摘する長妻議員。
民主改革の会・長妻昭議員:
このまま大臣の職にとどまれば、自民党を応援しないと予算が削られるのではないか?ということが、有権者に一定の信ぴょう性を持って受け止められるようになってしまうのでは。選挙にとっても民主主義にとっても良くないことだと思います。高市首相、そう思われませんか。
このように問いかけられた高市総理は、簗大臣に対し、国民が納得する説明を求めたいと回答しました。
高市総理:
自民党を応援しないと予算が削られるということはあってはならないし、実際にはないことでございます。ぜひとも簗大臣にしっかりと正確に、そして誠実に答弁をして、今日は中継も入っております。多くの国民の皆さまに納得していただけるような説明を求めたいと思っております。
午後4時50分現在も続く衆議院予算委員会。
14日も簗大臣への追及が続く見通しです。
