各地に被害をもたらした記録的な大雨や、例年よりも多数発生した台風などで、ことしはいつもよりも天気予報をチェックする方も多かったのではないでしょうか?
そんな中、気象情報への信頼を揺るがしかねない悪質な事態が起きています。
SNSで“ニセ天気予報”が拡散されているのです。
先月5日に「X(旧Twitter)」に投稿された、生成AIで作られた“ニセ”の大雨予想動画は150万回以上再生されています。
12日放送の関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、浅田麻実気象予報士が、“ニセ天気予報”の見抜き方を解説しました。
■ 150万回以上再生された“大雨予想動画”
9月5日、Xにある投稿が拡散されました。
「警戒」「関東・甲信で週明けに警報級の大雨の恐れ」などといった文言とともに、降水量の多さを色で示した大雨予想の動画が添付されたものです。再生回数は150万回を超えています。
よくある大雨予想の動画に見えますが…実は“ニセ”の動画でした。
気象予報会社「ウェザーニューズ」によると、生成AIによって作られた“ニセ動画”と判定されました。
■ 動画のどこがおかしい?
ニセ動画には、不自然な点が複数ありました。
1つ目は、降水量の広がり方です。
動画では赤色や紫色の大雨エリアが放射状に広がっていく様子が映し出されていましたが、浅田気象予報士はこう指摘しました。
【浅田麻実気象予報士】「この広がり方はあまりないというか、ほとんどない。雨雲は塊として動いてくることが基本ですので、このように同じ地域でブワッと成長するのは、違和感を覚えます」
一方、動画では違和感を覚えやすいものの、静止画の場合、判別が難しいこともあるそうです。
2つ目は、時刻の表示です。
動画内に示された時刻が「午前7時」のまま一切変わらず、時間が経過しないという不自然さがありました。
本物の動画であれば、8時、9時と時刻が進んでいきます。
■ 本物と並べてもわかりにくい“そっくり投稿”
“ニセ天気予報”は他にも投稿されています。中には、“実際の気象情報”を模倣したものも。
先月2日にXに投稿されたニセ投稿と、先月1日に投稿された本物の気象情報を並べて比較しました。
見た目はそっくりですが、よく見ると、いくつかおかしな点がありました。
まず、9月5日の曜日表記です。本物では「土曜日」となっているのに対し、ニセの投稿では「金曜日」と誤って表示されていました。
また、この時期に接近していた台風は「台風24号」であったにもかかわらず、ニセの投稿では「台風25号」と記載されていました。
さらに、ニセ投稿の画面右下にAIが作ったことを示すマークが表示されていました。
■ なぜニセの天気予報が作られる?
ニセ情報が拡散される目的について、関西テレビ・江口茂解説デスクはこう分析しました。
【関西テレビ・江口茂解説デスク】「『閲覧数を稼ぐ』ということなんでしょうね。生成AIを使えば、本物にそっくりな天気図も作れてしまう」
また、天気予報という題材が狙われやすい背景についても言及があました。
【関西テレビ・江口茂解説デスク】「台風とか大雨という文字を入れとけば、注目が集められるということなんでしょう」
■ “命に関わる”気象情報 見極めるためには
浅田気象予報士は、こうしたニセ情報の危険性を強調したうえで、情報を見極めるための具体的な方法を呼びかけました。
【浅田麻実気象予報士】「気象情報は人の命とか財産に関わってくるものですので、本当にこういうことはやめてほしい。
SNSで目にする機会も多いと思うんですけど、そういうときは、この情報の出どころがどういうところなのか、例えば気象庁なのか、気象会社なのか、あるいは放送局や、信頼できる気象予報士が名前と顔を出しているのかというのを、情報源を確認するということも習慣づけてもらえたらと思います」
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年10月12日放送)
