簗和生農林水産大臣がことし5月、衆院選で自身を支持しなかった首長がいる自治体に対する国の道路予算を「大幅にカットした」と発言した問題。
簗大臣はおととい=10日、出席予定だった地元・栃木の会合を欠席しました。
国会では野党からの追及が続く中、身内からも厳しい声が上がっています。
12日放送の関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、元大阪府知事の橋下徹氏が出演。
野党側の動きについて「いつもの審議拒否はどうした?今でしょ」と指摘しました。
■「怒られて、謝った。少しはプラスになったのでは」
簗大臣の対応には、自民党のベテラン議員も“一喝”しました。
今月9日、自民党の会合の場で挨拶の際に一連の問題に言及しなかった簗大臣に対し、鈴木宗男議員が「まず説明責任を果たすべき、人としての矜持が問われている」と叱責したのです。
この鈴木議員の行動について、橋下徹氏は一定の評価を示しました。
【橋下徹氏】「やっぱり宗男さんは面白いですよね。全部よく分かっていて、宗男さんのアピールでもあるけれども、あの場であのように叱責することで、いま全体的にものすごくマイナスの簗大臣の評価が、少しはプラスになったんではないんですか。
これで全部逆転するほどではないけれども、『怒られて、謝った』というところでね」
■「高市総理が支持と言った途端、みんな黙ってしまう」
そのうえで橋下氏は、鈴木議員のような発言が自民党内でほぼ出ていない現状を「残念」と指摘しました。
橋下氏は、与党内で批判の声が広がらない背景に「高市総理の強い影響力」があると推測します。
【橋下徹氏】「残念なのは宗男さんみたいに言う人がもういま、自民党で居なくなった。要は高市総理がすごく強いから、高市総理が『簗大臣を支持』と言った途端に、ほとんど声上がらない」
さらに、連立政権を組む維新についても言及しました。
【橋下徹氏】「維新だってちらほらぐらいしか声上げないし。これはもっと厳しく言ってしかるべきだと思います。高市総理が『簗大臣を支持』と言ったらみんな黙ってしまうような、これがいまの自民党・維新の実態じゃないですか」
■「いつもの審議拒否はどうした、今でしょ」
橋下氏は野党側の動きについても“言いたいことがある”として、「いつもの審議拒否はどうした?今でしょ」と指摘しました。
審議拒否とは、野党が国会の審議の場を“欠席”することで“ボイコット”の意を示すことです。
橋下氏は、週刊誌が報じるスキャンダル問題や、政策論の対立を理由にした「審議拒否」には基本的に反対の立場であると前置きしつつ、今回はケースが異なると主張しました。
【橋下徹氏】「今回は、権力の使い方を誤ったわけですよ。予算の権力の使い方、要は一番やっちゃいけない、自分の権力を予算を使って敵対する相手にひれ伏させようとした。僕はこんな政治家・政治は嫌だから野党が頑張って、この人のもとでは審議できないと、ここでこそ審議拒否やるべきだと思いますよ」
■「野党は肝心なときにやらない」
一方で、野党側が「審議拒否に踏み切れない事情」についても橋下氏は分析しました。
ことし6月以降、与党が成立を目指す「議員定数削減」や「副首都」法案をめぐって衆参ともに野党が“審議拒否”を行ったことで、野党の国会運営のあり方が問われたことや、中道改革連合が政党交付金の扱いをめぐる批判を受けていること、消費税減税の議論が控えていることを挙げました。
【橋下徹氏】「世論の風向きを見ている。『審議を拒否したらまた税金の無駄遣いだって言われるんじゃないか』と恐れてるわけですよ。でもちゃんと筋通してね、裁判の場でも裁判官が裁判をやるにも値しないということになれば除斥忌避っていう、そういう制度があるんですよ。
国民がみんなその審議拒否についてきてくれると思えば、ここはもうドーンといつもの審議拒否やればいいのに、いつもやってるのに肝心の時にやらないな、あの人たちは」
■「世論を作っていくのが政治家の役割」
橋下氏は、SNSの反応を見ながら動く野党の姿勢について、「世論を作っていくのが政治家の役割でもある。SNSがどうであれ、『こうだ』って言って世論も引きつけてくるような政治もやってもらいたい」と指摘しました。
また、予算をめぐる権力の行使について、「減らすぞ」と圧力をかけるケースは珍しくないと橋下氏は述べました。
【橋下徹氏】「今回のように『予算を減らした』とは言わなくても『減らすぞ』なんていうのは、いろんな人が言います。僕も大阪府知事時代に言われたからね」
参議院の野党6党は、簗大臣の「問責決議案」を提出するか検討していて、13日以降の衆議院予算委員会の答弁などを踏まえて協議する方針です。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年10月12日放送)
