受験期に祖母が急須で淹れてくれた一杯のお茶。
その時の体験をきっかけに、日本茶に魅了された女子大生が大分にいる。
お茶好きが高じて、お茶屋さんに自ら電話をかけてアルバイトを始め、今では毎日7杯のお茶を飲むほどになったという。
その結果、全国にわずか10人しか認められず九州では唯一という「日本茶エバンジェリスト」となった。
お茶の魅力や急須で淹れるコツなどを聞いた。
九州で唯一の「日本茶エバンジェリスト」がいる学校へ
やってきたのは大分県大分市にある大分県立芸術文化短期大学。
茶道サークルの部屋にお邪魔すると、お茶の準備をしている学生が。
(Qあなたが日本茶エバンジェリストですか)
ーー石井まい香さん
「はい、そうです。私が日本茶エバンジェリストです」
そう、こちらの女性が九州で唯一の「日本茶エバンジェリスト」石井まい香さんだ。

全国にわずか10人 日本茶の魅力や文化を発信する「日本茶エバンジェリスト」
ーー石井まい香さん
(Q「日本茶エバンジェリスト」とは?)
「エバンジェリストは伝道師という意味。日本茶の魅力を、皆さんにお伝えできたらなと思って」
日本茶エバンジェリストとは、学生日本茶協会が毎年選定する、日本茶の魅力や文化を国内外へ発信するための人材のこと。
全国のお茶好きの学生から、書類審査や面接を経て選ばれる。石井さんは、7倍近い倍率の中から選ばれた、国内にわずか10人しかいないうちの1人で、なんと九州では唯一のエバンジェリスト。

九州で唯一の「日本茶エバンジェリスト」のお茶愛は?
そのお茶愛は本物で、1日に飲むお茶の量は7杯。
朝3杯、夜4杯。昼は茶道サークルで抹茶を点てているという。
お茶屋さんでアルバイトもしているそうで、募集をしていなかったため、自分から「アルバイトできませんか」と電話をかけて働き始めたという情熱の持ち主。
休日には県外のお茶屋さんを巡ったり、生産者を訪ねて茶畑を見学したりと、自らの足で日本茶の魅力を学び続けている。

エバンジェリスト直伝 急須で淹れる絶品日本茶を体験
ということで、日本茶エバンジェリスト直々に、急須でお茶を淹れてもらうことに。
最初の茶葉は「玉露(ぎょくろ)」。淹れ方にもポイントがあるという。
ーー石井まい香さん
「この冷たいお水を…」
そう。玉露は低温で淹れるのが良いそうで、今回はうまみを最大限に感じてもらうために、あえて湯ではなく冷水で淹れるとのこと。
茶葉を入れた急須に冷たい水を注ぎ、待つこと約2分半。
ーー石井まい香さん
「回しつぎっていうのがあって、交互に注ぐことで味が同じになる」
そう言いながら、小さな器に交互にお茶を注いでいく石井さん。急須にお茶が残ると渋みや酸味が出やすくなるため最後の一滴までしっかり出すことで2煎目もおいしくいただけるんだとか。

「玉露」のお味は?
淹れてもらった玉露は、まず香りが良い。
石井さんによると青のりのような匂いがするそうで、そう言われると、確かに磯のような豊かな香りがする。
スタッフが一口いただくと…「あ、濃い」。
普段、飲むお茶とは全く違い、口の中に、お茶の濃いうまみが広がっていく感じ。
冷たいのにどこか温かみも感じる不思議な感覚だ。

続いて「千歳」ポイントは?
続いては、石井さんいちおしの「千歳」を温かいお茶でいただく。
ここにもポイントが。
ーー石井まい香さん
「この茶器に先にお湯を入れて、茶器を温めるのが大事です」
こうすることで、お茶を淹れるときの温度が下がりにくくなるそうという。
石井さんのおすすめの温度は約70度。沸騰したお湯を”湯冷まし”という器に移し替えることで、ちょうど良い温度に調整していく。
器を1回移すごとに10度下がる計算だそうだ。

30秒ほど待って淹れてもらったお茶は、これまた絶品。
さっきの玉露とは違い、甘さがあって喉越しがすっとしている。
でも、香りは豊かに感じられ、淹れた本人の石井さんも「うまい」と一言。

急須の魅力を若者へ 彼女が描く未来
そんな石井さんが日本茶の魅力に目覚めたのは、中学3年生の受験期。
勉強の合間に、祖母が急須で淹れてくれた日本茶がおいしくて、そこからはまったそうという。
「若者に日本茶の魅力を伝えたい。いろいろな日本茶を飲む体験会を通して日本茶の良さを知ってもらいたいです」と語る石井さん。
九州で唯一の日本茶エバンジェリストとして、これから交流会に参加したり、学内で日本茶の体験会を計画したりと、その活動はますます広がっていきそうだ。


