防衛省から要請されていた漁業制限期間の延長について、地元漁協が10月1日の臨時総会で正式に同意を決めた。出席者97人全員が賛成という結果の一方、工事に反対する漁師からは「漁業はほとんどダメになると思う」と悔しさの声も上がった。
補償額は約4億9000万円、制限期間をさらに3年4カ月延長
地元の旧種子島漁協は2023年2月、馬毛島における基地工事に伴う漁業制限を受け入れる代わりに、補償金約22億円を受け取ることで同意していた。
しかしその後、防衛省から工期の遅れを理由に、2027年11月までとしていた漁業制限をさらに3年4カ月延長するよう要請があった。延長分の補償額として、約4億9000万円が提示されたという。

10月10日までに同意が必要な組合員3分の2以上の賛成が、事前に書面で確認されていた。10月1日に非公開で開かれた臨時総会では、正組合員102人のうち書面を含む出席者97人全員が賛成し、正式に同意することが決まった。
「手続きを踏んでいくだけ」 支所運営委員長が今後の方針を語る
臨時総会後、県漁協種子島支所の荒河勝文支所運営委員長は「きょう同意したので防衛省に結果を話す。あとは手続きを踏んでいくだけ」と述べ、今後の流れを説明した。工事終了後の漁業再開に向けては、「組合として頑張っていく」と前を向いた姿勢を示した。

「地元は被害を受ける」 反対派の漁師が悔しさをにじませる
一方、今回の臨時総会には准組合員として出席したものの、議決権を持たない立場だった漁師の浜田純男さんは、複雑な思いを打ち明けた。
「漁協と違う組織があるので、了解をとって話を進めていかないと不満を持つ。地元は被害を受けるから、おそらく馬毛島周辺の漁業はほとんどダメになると思う」

組合の多数決として同意は成立したものの、現場で海と向き合う漁師たちの間には、将来の漁場への不安が色濃く残っている。工事終了後、地域の漁業がどのように再生されるかが、今後の大きな課題となる。

