「東京に店をオープンする準備のために、ヌガチンと一緒に上京することにしたんです。住み始めたばかりの部屋はマンションの1階だったので、買い出しした大きな荷物をベランダから搬入していたんですが、そのとき窓の鍵を閉め忘れていたみたいで…。夜に外で晩ご飯を食べて帰ってきたら、窓が15cmくらい開いていて、ヌガチンがいなくなっていたんです」
上京してまだ1週間ほどしか経っておらず、土地勘がまったくなかった桑原さんは、ダメ元でかつてヌガチンを発見してくれた占い師に、再びコンタクトをとることに。
「もう何年も経っていたので、さすがに連絡がつかないかと思ったんですが、すぐに連絡がきて、以前のようにアドバイスしていただいたんです」
・喉が渇いてしゃがれ声になっている
・家の近くの野良猫と戯れている
・家の周りをゆっくり歩けば声が聞こえる
・慌てず優しく抱きかかえれば捕まえられる
桑原さんはお礼を伝えて、すぐに自宅周辺を捜索。しばらくすると、2匹の猫が目の前を走り抜けていった。
「よく見てみたら、ヌガチンのことを野良猫が追いかけていたんです。襲われていると思って僕も後を追いかけていったら、袋小路のところでその野良猫がヌガチンに覆いかぶさっていたんです。とっさに“ヌガチン!”と叫んだら、野良猫だけさっと逃げていきました」
桑原さんは、占いで言われたとおり、慌てずにゆっくりヌガチンを抱きかかえ、家に連れ帰ることに。
「家についたら、占いの通り喉が渇いてたみたいで、水をガブガブ飲みはじめました。少しすると落ち着いたみたいで、窓際に行ってじっと外を見始めたんです。なんだかさっきの野良猫を探しているみたいな気がして、襲われていたのではなくて戯れてたんだなって」
「前世から一緒にいる」と言われた絆
2度失踪し2度占いによって桑原さんの元へと帰ってくることができたヌガチン。
11歳になった現在は、新橋の店舗へ毎日出勤し、得意の添い寝で多くの客を癒している。
「占い師の方には、“ヌガチンとは前世でも一緒にいたと思いますよ”と言われました。失踪した時は本当に辛かったですが、あの出来事があったからこそ、より絆が深まった気がします」
どんなに離れても必ず会える…。
不思議な縁で結ばれている桑原さんとヌガチンは、今日も一緒に店頭に立ち続けている。

