恋愛感情を利用して金銭をだまし取る「ロマンス詐欺」が、岩手県内でも後を絶たず、2026年の被害額は1億8000万円を超えています。SNSで詐欺師に遭遇したという雫石町の男性を取材しました。
雫石町に住む60代の男性、田中さん(仮名)は、2026年7月、なぜか、すでに亡くなっている親戚のアカウントから、無料通信アプリ「LINE」で「こんにちは。友だちリストにいたので連絡したのですが、どこかでお会いしましたか」というメッセージが届きました。
親戚のアカウントでありながら、メッセージを送ってきたのは「優月」と名乗る34歳の女で、田中さん(仮名)がどこに住んでいるのかなど個人情報を聞いてきたといいます。
田中さん(仮名)
「何かなと思って、たぶん間違いで来たんだろうと思ったが、好意を持ちましたみたいに言われて私としては正直悪い気はしなかったので、LINEくらいだったらいいですと」
田中さん(仮名)は不審に思いながらも、この女とその日の出来事などについてやり取りを重ねていきました。
田中さん(仮名)
「この辺で見るような感じの人ではなかった。正直下心がなかったというとウソになるが半信半疑でやりとりはしていた」
「優月」と名乗る女は、田中さん(仮名)とのやり取りのなかで、ジムでトレーニングしている様子の動画や水着でプールに入っている写真などを送ってきました。田中さん(仮名)は違和感を強めていきました。
田中さん(仮名)
「全部似ているがだんだん露出度が高くなっていく画像が来て、なんか違うんじゃないかとだんだん思うようになった」
やり取りを始めて1週間後、女は田中さん(仮名)に対し「叔父さんのところで投資を勉強している。一緒に勉強しませんか」と勧誘してきました。
さらに、女は「勉強するには口座の開設が必要」だとして口座管理の担当者にLINEで連絡するよう求めてきました。この時点で田中さん(仮名)は詐欺だと確信し口座の開設を拒否しました。
田中さん(仮名)
「なんかこれは話がヤバくなってきたなと。(口座開設を)断ったら急に相手が豹変したような感じで、1回で読み切れない文章を送ってきて、これはもう絶対駄目だなと」
田中さん(仮名)が「いままで送ってきた画像は別人ですよね?」とメッセージを送ると、返信は途切れたといいます。
県警生活安全企画課にこのやりとりを見てもらったところ、恋愛感情を利用して金銭をだまし取る「ロマンス詐欺」の手口だと指摘。
親戚の携帯電話が解約された後、何らかの形でその番号が犯行グループに渡り、LINEアカウントを作られたのではないかと話します。
県警生活安全企画課・佐藤和正特殊詐欺対策係長
「LINEアカウントを勝手に作ったうえで、友だちリストの人に手あたり次第、こういった運命の出会いを装ったメッセージを送るということもあるので(連絡が)知らない人から急に来たら注意してもらえれば」
県警によりますと、2026年1月から8月までに県内で被害が確認されている「ロマンス詐欺」は31件。被害総額は1億8000万円余りに上っています。
県警生活安全企画課・佐藤和正特殊詐欺対策係長
「うまい話には絶対に裏があると思ってもらえれば。あなたが被害者になる可能性がある、思いとどまってもらえれば」
県警ではSNSで投資を勧誘する詐欺や、警察官を名乗る詐欺など、様々な特殊詐欺の被害が相次いでいるとして、他人事と思わずに警戒するよう呼びかけています。
