医師ががんの患者に、治療や闘病生活のリアルを伝えることに役立ててもらいたいと、富山県魚津市のアニメーション作家が自らの闘病体験をもとにした漫画本を出版しました。
先月発行された「キャンサーパンサー ~もしも歯肉がんと言われたら読む本~」
登場するのは主人公のクロヒョウ「パンサー」やゾウなどのかわいい動物。
4コマ漫画全24話で構成され、パンサーが口腔がんと診断されてから、手術を受け、回復するまでの過程が綴られています。
この漫画本を制作した魚津市在住のアニメーション作家のミヤサカカズヒデさんです。
*アニメーション作家 ミヤサカカズヒデさん
「もともとがんを告知されてからつくっていた漫画があった。それを24話に編集して告知から退院までに再編集した。新しい絵を必要なところはつくった感じ」
ミヤサカさんは6年前、52歳の時に口腔がんと宣告されました。
*アニメーション作家 ミヤサカカズヒデさん
「がんになったから漫画描こうって思った」
自らの闘病体験を漫画にしてSNS上で発信し、翌年にはクラウドファンディングで資金を集めアニメを制作。
2021年10月にアニメ「キャンサーパンサー」はBBTで放送されました。
がんの宣告から6年。
今も2カ月に1回通院を続けていますが、再発の不安はなくなったと言います。
*アニメーション作家 ミヤサカカズヒデさん
「全然何も気にしなくなった。報道されたおかげで5年過ぎてから保険屋がきた『がん保険入りませんか』って」
今回、漫画本の制作を持ち掛けたのは、漫画の中でゾウとして登場するミヤサカさんの主治医、今上修一医師です。
今上医師はこれまでがんの再建手術をどう患者に分かりやすく伝えるか、頭を悩ませていました。
*富山大学歯科口腔外科 今上修一診療指導医
「僕らの説明と患者さんの受け止めの間にズレがあるなと思っていて、それを埋められるような方法がないかと思っていたところに、あの漫画使ってみたらいいんじゃないかと思い、僕そんな風に言っていないと思うんですけどね。生々しすぎるので実写だとちょうどいいバランスだと思った」
漫画本の初版の発行部数は5000部。
ミヤサカさんは全国の歯科医院や医療機関に販売し、必要な患者に直接届けてもらいたいと考えています。
*アニメーション作家 ミヤサカカズヒデさん
「口頭と一緒にこれを手渡せば、家族と一緒に見てこういうことが起こるのねというくらいに理解してもらえれば、少しは心の助けになるような気がして、そのつもりで描いた」
漫画本は500円で販売され、1冊につき10円が口腔がんの早期発見や啓発に取り組む医療機関・団体に寄付されることになっています。
