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熊本地震の被災地で「佐賀モデル」現場の困りごとを翌日には支援へ【佐賀県】

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熊本地震で震度7を観測した氷川町を取材してきました。
現地で目にしたのが、こちらです。災害支援団体、行政、社会福祉協議会の三者が連携し被災者の困りごとを支援につなげる取り組みです。
実はこれ、佐賀豪雨をきっかけに県内で培われてきた支援の形で、「佐賀モデル」とも呼ばれています。
国は2018年から整備を進めていますが、まだ定着していないのが実情です。官民が連携し支援につなげる氷川町を取材しました。

【平川】
「氷川町の住宅街を歩いています。瓦が剥げたり、家が傾いていたり、そして、奥の家は完全に崩れて屋根が地面についています」

7月28日、震度7を観測した熊本県氷川町。
1か月余りが経っても地震の深い爪痕が残っています。
週に2回炊き出しを行う町内の公民館では、支援団体のスタッフが話しかけ、住民の体調の変化を確認していました。
断水から復旧しても地域によって出るのは濁った水。
料理ができる環境ではなく、生活再建には費用もかかり、炊き出しは「食糧の提供」だけでなく「食費の支援」という側面もあります。

【氷川町民】
「水は出ても使えない水。濁った水や臭いがする水。温かい食べ物をいただいて、やっと普通の生活をちょっとだけ感じる」

被災地は命を守る段階から暮らしを取り戻す段階へ。
住民が必要とするものも変わりつつあります。
こちらの避難所に届いたのは、アウトドアメーカーKEENの靴約400足。
避難所生活が長期化し足がむくんでいる人もいるため、幅が広く履きやすい靴が用意されました。
大切にされたのは、「靴を渡すこと」ではなく、普段の買い物のように「日常の時間を過ごすこと」です。

【避難者】
Q.久々、靴屋さんでお買い物したような感覚ですか?
「そうですね。テンション、めちゃくちゃ上がってますね。好きなの選んでいいのはありがたい」

こうした活動を支えているのは災害支援団体同士のネットワーク。
KEENも現地で活動する団体と連携して、被災者に靴を届けました。

【支援団体メンバー】
「炊き出しにしてもこういうイベントにしても、しっかりとした調整がなされいろんな所での紹介という形になっている。いろんな方々が力を出し合ってやるというところはいいんじゃないかなと思う」

それぞれの支援現場で拾われる被災者の悩みや困りごと。
氷川町にはその情報を集め、スムーズな支援につなげていく場所があります。

【平川】
「氷川町には全国から災害支援組織が集まっているんですが、その全組織が集まる珍しい部屋があります。全国的にもまれだそうです。中に入ると氷川町の地図であるとか現在の課題などが貼りだされています」

ここは「CSO連携室」。
CSOとは、NPOなど民間の災害支援団体のことです。
日中多くの団体が現場に出る中、ここで情報を整理するのが「佐賀災害支援プラットフォーム」。
県内唯一の「災害中間支援組織」で、行政と支援団体をつなぐ橋渡し役となります。

【SPF 山田健一郎代表】
「必要な備品があれば用意する、住民のためにできることを現場で泥かきをしてもいいが、するわけでもないとしたらここが主戦場になるんですよね」

今回の熊本地震で災害支援団体が現地で得た情報は、支援団体同士だけでなく、行政・氷川町役場、町の社会福祉協議会に共有されます。
この三者が連携する仕組みは、被災者支援に必要な体制として国も2018年から整備を進めていますが、全国で十分に伝わっていません。
しかし、佐賀県では早くから連携を実践してきました。
きっかけは、2019年と2021年の豪雨。
災害を重ねて経験する中で、行政、社会福祉協議会、災害支援団体の三者が互いを知り、一緒に動く関係が築かれていきました。
この三者連携、特定の被災地を受け持ち職員を派遣する「対口支援」で佐賀県が氷川町を担当したことから町でも取り入れられました。
現地では「佐賀モデル」とも呼ばれています。

【氷川町 副町長】
「(佐賀県は)大町町で以前水害があったときに、NPOと連携して災害対応にあたった話を聞いたので、そのときと同じように氷川町でもNPOと連携するような協議体を作って一緒にやっていこうということになった」

現場で集まった情報は、行政、社会福祉協議会、支援団体の三者が同じテーブルにつく「連携会議」で共有されます。
会議で出た情報は、町で活動する40余りの団体に共有されるため1つのチームとして支援できます。
また、副町長も参加するので現場の課題が直接届き、迅速な判断につながります。

【氷川町 副町長】
「前日の会議でいろんな課題を話し合い、次の日には、『こういう団体を連れてきます』『こういうふうに一緒にやろう』という形で、もう次の日には対策ができてる。何ができる、何ができない、どういうことをやってほしい、がはっきり分かるようになりスムーズな連携につながった」

現場で困りごとを拾い、官民で共有し、次の支援へ。
佐賀の災害経験から生まれた仕組みが被災地でも取り入れられ、支援の早さにつながっています。

【平川】
全国で活動する災害支援団体シビックフォースによると三者連携が全国で定着していない背景には、NPOが人道支援を担う考えが浸透していない。
行政側に支援団体の役割や強みが十分知られていないため、連携イメージが持てない。
三者をつなぐ調整役の不足が主な要因だということです。
災害経験の少ない自治体でも、平時から支援団体と訓練し、顔の見える関係を作っておくことが地域の災害対応を考える上でも大切なヒントだと感じました。

サガテレビ
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