プレスリリース配信元:JLL
日本は12位で透明度の高いグループを維持し、サステナビリティ分野で東京が世界3位に
調査のハイライト
- アジア太平洋地域および中東・北アフリカ地域が世界の透明度向上を牽引: 透明度が最も向上した上位10市場のうちアジア太平洋地域が半数を占め、特にインドとベトナムがけん引しました。また、湾岸諸国も、政府主導の制度のデジタル化や大規模な経済改革を背景に透明度が大きく向上し、トップ3を占めました。
- 透明度の向上が記録的な投資を後押し:不動産透明度の向上はクロスボーダー投資の回復を後押しし、特に、インドとベトナムの不動産投資額は過去最高を記録しました。
- 日本は世界12位で透明度「高」グループを維持: 上位13市場が分類された透明度「高」グループに引き続き位置し、世界の投資家や金融機関、企業にとって事業展開しやすい環境であることを示しています。
- 東京はサステナビリティ分野で世界3位:エネルギー効率や気候変動リスクへの対応が不動産の価値と競争力を左右する中、日本の先進的な環境対応や情報開示の取り組みが国際的に高く評価されました。
- 改正省エネ法施行や情報開示義務化がサステナビリティ分野の透明度向上に寄与:全ての新築建物への厳格なエネルギー効率基準の遵守を義務付けた改正省エネ法の施行や、サステナビリティやエネルギー使用、気候変動リスクに関する情報開示義務化が、日本のサステナビリティ分野における透明度の向上につながりました。
東京 2026年9月16日 - 総合不動産サービス大手JLL(本社:米国シカゴ、CEO & プレジデント:クリスチャン・ウルブリック、NYSE:JLL)は、第14回目となる「2026年版グローバル不動産透明度インデックス」を発表しました。本調査では、前回調査時から2年間で世界の3分の2の市場において不動産透明度が向上したことが明らかになりました。世界の投資資金の大半が成熟市場に集中する中、急速なデジタル化と積極的な制度改革を推進したアジア太平洋地域および中東・北アフリカ地域が透明度向上を主導する市場として浮上しました。
市場の細分化が進む中、商業用不動産における透明度は、グローバルな流動性と投資配分を決定する上で重要な要素となっています。透明度「高」と評価された13市場の不動産取引額は2年間で64%増加し、他の市場を20ポイント上回りました。投資家がリスクを軽減するには、市場規模、早期の適正な価格発見、信頼性の高いデータが不可欠であることから、透明度「高」市場が世界の収益不動産の56%、世界の投資額の80%以上を占めています。
JLLキャピタルマーケット CEO リチャード・ブロクサムは次のように述べています。「不動産透明度はもはや市場の成熟度を示す指標にとどまらず、グローバルな資金投資の前提条件となっています。不確実性が高まるなか、投資家は、強固なデジタルインフラ、質・量ともに充実したデータ開示、明確な規制環境を備えた市場を重視しています。アジア太平洋および中東・北アフリカ地域で進む制度改革は、リスクの低減やクロスボーダー投資の促進、そして世界の主要市場との透明度の差の縮小に寄与しています」
アジア太平洋地域は今回の調査で最も透明度が向上し、向上した市場の上位10位の半数を占めました。インドは、デジタルインフラの整備、市場データの拡充、REIT市場の拡大を通じて、同地域の透明度の向上をけん引しました。また、ベトナム、韓国、オーストラリア、タイは、コーポレートガバナンス基準の強化、法制度の整備、オルタナティブアセットに関する情報開示の拡大により、透明度が大きく向上しました。その結果、アジア太平洋地域へのクロスボーダー投資は急速に回復し、インドやベトナムなどの主要市場における取引額は過去最高を記録しました。
中東・北アフリカ地域では、湾岸諸国において地政学的な不透明感が続く中でも、継続的な制度整備が海外からの投資の呼び込みに寄与しています。サウジアラビア、ドバイ、アブダビ、カタールは世界で最も透明度が向上した市場となり、サウジアラビアの「ビジョン2030改革」やドバイ土地局の「REST(Real Estate Self Transaction)プログラム」などの各国の政策は、海外投資家や金融機関が求める機関投資家水準の投資環境を提供しています。
JLLグローバルリサーチ シニアディレクター マシュー・マコーリーは次のように述べています。「アジア太平洋地域および中東・北アフリカ地域での透明度の向上は、新たな資本の流れを生み出しています。これらの市場を透明度が低いとみなし参入を見送ってきたプライベートウェルス、ファミリーオフィス、年金基金といった投資家が、数十億ドル規模の資金を積極的に投入するようになりました。政府が土地登記のデジタル化や明確な法規制の整備を進めることで、機関投資家水準の投資環境が構築され、『参入障壁の高い市場』から『不可欠な投資先』へと変貌しています。透明度の向上は、市場の成長とグローバルな資本の流入を実現する原動力となっています」
日本は今回12位となり、引き続き透明度「高」市場グループに位置付けられました。さらに日本(東京)は、エネルギー効率や気候変動リスクへの先進的な取り組みや情報開示が高く評価され、サステナビリティ分野で世界3位となりました。加えて、全ての新築建物への厳格なエネルギー効率基準の遵守を義務付けた改正省エネ法の施行や、サステナビリティやエネルギー使用、気候変動リスクに関する戦略やリスクマネジメント情報の開示義務化が、日本のサステナビリティ分野における透明度向上に寄与しました。日本は今後も、データの拡充や透明度のさらなる向上、規制環境の整備を通じて、海外投資家や企業にとってさらに魅力的な市場となっていくと期待されます。
JLL日本 リサーチ事業部 シニアディレクター 大東 雄人は、次のように述べています。「日本の不動産市場の透明度は着実に向上していますが、グローバル市場はそれ以上のスピードで変化しています。国内ではコーポレートガバナンス改革で企業のバランスシートが改善し、株主価値向上に向けて非中核事業や資産の売却、カーブアウトが進みました。その結果、これまで市場に出回らなかった優良アセットの流動化が進み、国内の不動産投資額は2025年に6兆円を超える歴史的な水準を記録し、2026年もこれを上回る規模になる見込みです。2024年以降の透明度向上は海外投資家の需要を着実に呼び込んでいますが、依然として取り組むべき課題も残っています。特に市場データ整備においては、グローバルでデータセンターを含むオルタナティブセクターと呼ばれる非伝統的なアセットクラスのデータ拡充が進んでいるほか、AIや最新テクノロジーを取り込むことで、データはリアルタイムな開示へと進化しつつあります。近年益々重要性が高まっているサステナビリティの観点では、日本はグリーンビルディング認証や環境規制の厳格化によって世界でも高い評価を得ています。しかし、実際の不動産運用における詳細なエネルギーコストの開示や、オーナーとテナントが共同で脱炭素を測る仕組みづくりにおいては、依然として発展途上といえます。日本企業による情報開示にはまだ改善の余地があり、市場データの充実と整備が進めば、日本市場全体の透明度はさらに高まることが期待されます」
透明度の向上により、投資対象は専門的な運営を要するオルタナティブアセットにも拡大しています。データセンターや製造向け施設、インフラなどのオルタナティブアセットは世界の投資額の20%を占めるまでに成長し、その割合は10年前の2倍に拡大しました。これらのセクターの透明度は、単に建物の賃料を把握するだけでなく、電力供給網の容量や安定性、サステナビリティに関する情報など、より多様で専門的なデータの開示が求められています。同時に、規制変更によって個人富裕層や年金基金などの新たな資金が市場に流入しており、標準化された高頻度の情報開示や、評価プロセスの透明度に対する需要が一段と高まっています。
よくある質問(FAQ)
不動産透明度インデックス調査とは?
世界80ヵ国以上で事業展開するJLLと、グループ会社で不動産投資運用を担うラサールが世界の不動産市場に関する情報を収集し、各市場の透明度を数値化した独自の調査レポートです。1999年に開始し、今回第14回目となる2026年版は世界88の国と地域の146都市を対象に、256項目を6つのサブインデックスで分析しています。
スコアや順位はどのように算出されていますか?
JLLとラサールのグローバルネットワークを活用し、各国・都市の不動産市場に関する定量的データや専門家へのアンケート調査をもとに算出しています。2026年版では、256項目を「パフォーマンス測定」「市場ファンダメンタルズ」「上場法人のガバナンス」「規制と法制度」「取引プロセス」「サステナビリティ」の6つのサブインデックスに分類し、総合スコアを算出。スコアが1.00に近いほど透明度が高く、5.00に近いほど低いと評価されます。スコアと順位は、現地リサーチャーやビジネスリーダーの評価と、各種市場データを組み合わせて決定されており、公平かつ一貫した基準で比較できる仕組みになっています。透明度「高」市場の投資額が64%増加したとありますが、新興市場への投資動向はどうなっていますか?
透明度が高い市場はその資本市場の成熟度と規模の大きさから、依然として世界の投資の約80%を占めています。一方で、今後の成長性と未開拓の投資機会という観点では、急速に透明度が向上している市場が大きな可能性を秘めています。アジア太平洋地域と中東・北アフリカ地域が成熟市場との透明度の差を縮めるなか、世界の投資資金に占める両地域の割合は着実に拡大しています。
今回の調査において、日本の評価は?
日本は12位で、前回に続き透明度「高」市場グループに入りました。日本(東京)は、エネルギー効率や気候変動リスクへの先進的な取り組みや情報開示が高く評価され、サステナビリティ分野で世界3位となり、 改正省エネ法の施行や、企業に対するサステナビリティ関連の情報開示義務化なども透明度の向上に寄与しました。

JLLについて
JLL(ニューヨーク証券取引所:JLL)は、世界80ヵ国以上で事業を展開し、2026年6月30日時点で約112,000名の従業員を擁する総合不動産サービス会社です。200年以上にわたり、オフィス、リテール、インダストリアル、ホテル、レジデンシャル、データセンターなどのセクターにおいて、お客様が保有する不動産の賃貸借、売買、投資、建設プロジェクトマネジメント、管理などを支援しています。2025年の売上高は261億米ドルで、フォーチュン500(R)にも選出されています。
JLLは、「不動産の未来を拓き、より良い世界へ(Shape the future of real estate for a better world)」という企業目標(Purpose)のもと、お客様、従業員、地域社会とともに「明るい未来へ」と導くことを使命としています。また、JLLは豊富なデータと最先端のテクノロジーを活用し、幅広い業界のお客様に包括的な不動産サービスを提供しています。グループ会社のラサール インベストメント マネージメントは、世界の投資家ニーズに応じた不動産投資運用サービスを提供しています。
JLLは、ジョーンズ ラング ラサール インコーポレイテッドの企業呼称及び登録商標です。詳細は jll.com をご覧ください。
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
データ提供 PR TIMES
本記事の内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMES (release_fujitv@prtimes.co.jp)までご連絡ください。また、製品・サービスなどに関するお問い合わせに関しましては、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。
