シリーズでお伝えしている「みやぶれ詐欺」。
春からサービスを開始したアプリが詐欺の電話をブロックし、効果を発揮しています。
一方、専門家はアプリを過信しないようにと注意を喚起しています。
9月11日、札幌市豊平区に住む60代の女性にかかってきた1本の電話。
相手は銀行の関係者、警察官、そして検察官を名乗る人物に代わっていきます。
女性は「あなた名義のカードで10万円が使われ、未払いとなっている」「身の潔白を証明するために紙幣を調査するから送金してほしい」と言われ、550万円を振り込んでしまいました。
道警によりますと「特殊詐欺の最初の接触手段」で最も多いのが「電話」です。
「家の電話ではやっぱり出ますよね。1回はね」(70代女性)
「無視してから電話番号を調べます。ネットで」(20代男性)
「学校関係とか会社関係だと困るなと出ちゃう。そこが拒否できないところ」(40代女性)
特殊詐欺の犯行グループは、なぜ最初に「電話」をかけてくるのでしょうか。
「まき餌をバーっとまいて絞り込むという感じ。AIを使ってどんどん電話してみて、この時間帯にこのぐらいの年齢、性別、どんな人というデータが収集できる」(東洋大学 社会学部 桐生正幸教授)
登録されていない電話番号からの着信。
スマートフォンの設定で簡単にできる対策があります。
「通話スクリーニング機能というもので、未登録の電話番号から着信があった時、自動的に応答、相手側に用件や名前を尋ねることが出来る」(ドコモショップ札幌店 木村渉大さん)
「通話スクリーニング機能」はここ数年で発売された機種に限られます。
設定画面から「アプリ」を選択。「電話」の項目を選び、「通話の理由を尋ねる」をタップすると設定完了です。
「電話がかかってきて、知らない番号で出てもいいのかと迷う人に利用してもらいたい」(木村さん)
不審な電話に対応できるものは他にもあります。
NTTタウンページが3月からサービスを開始した「詐欺対策」アプリです。
これまで蓄積した膨大な数の電話番号が着信の際に表示されます。
また警察庁からは犯罪に使われた電話番号が提供され、アプリが警告してくれます。
サービス開始から半年がたち、ダウンロード数は167万件を突破。
不審な電話をブロックした件数も10万件を超えたといいます。
「要注意番号の(ブロック)件数は8月末時点でアンドロイドのみだが約14万8000件。要注意番号は警察から提供してもらい毎日増えている状況。海外から詐欺の電話がかかってくる割合は多い。国内も国外の番号も管理している」(NTTタウンページサービス開発部 宇都宮満さん)
ただしアプリは1つの手段であり、これで特殊詐欺の被害がすべて防げるわけではありません。
「(アプリを)入れたからもう大丈夫だと思っているとだまされる。システムを導入するのは是非推奨したいと思うが、100パーセント防ぐのはありえない。過信しないようにしてもらいたい」(中央大学文学部 有賀敦紀教授)
中央大学などが行った実験では、警察官を装った人物が大学生148人に電話をかけたところ、5人が個人情報を提供する直前まで話が進みました。
「何かちょっと思い当たる節、つじつま合わせができるエピソードがあって、そのタイミングがすべて重なったうえでその5人がだまされただけ。だまされやすい人がいるわけではなくて、タイミングによっては誰でもだまされる」(有賀教授)
