子どもの「自分専用のスマートフォンの所持率」は小学生・中学生で増加し、高校生ではほぼ100%に達している。生活に欠かせない一方で、長時間利用や視力への影響など、メディアとの付き合い方に不安を抱える保護者も多い。専門家は「デジタルデバイス=悪ではない」とした上で、近視予防のポイントや親子のコミュニケーションの重要性を指摘する。
■デジタルデバイス=悪ではない
便利な一方で、つい長時間使ってしまうデジタルメディア。心配されることの一つが、子どもの「目」への影響だ。
しおや眼科の塩谷浩院長は「『近視』をいかに予防するかが、子どもの目を守る上で大事になってくる」と語る。
福島県内の子どもたちの「裸眼視力1.0未満」の割合は、学年が上がるにつれて高くなっていて、すべて全国平均を上回っている。
塩谷院長は「デジタルデバイス=悪ではない。近い距離で見てしまう、それから長時間持続的に見て一切休憩しない。それが悪い因子」だと指摘する。
■予防のポイント
子どもの近視を予防するために、家庭でできること。
まずは【明るい場所で30センチ以上離して使う】ことを教える。30分見たら画面から目を離し、20秒以上、遠くを見ることが大切。
また【屋外で遊ぶこと】も近視の予防に繋がるという。塩谷院長によると「様々な研究から、最適なのが2時間」だという。「2時間日光を浴びると、近視がある程度抑制されるのは、科学的なデータとして認識されている」と語る。
ただ夏場は熱中症の心配もあるため、塩谷院長は、日向であることや時間にこだわらなくて良いとしたうえで「30分でも1時間でもいいから、できるだけ外遊びの時間を設けるというのは大事だと思います」と話した。
■メディアは育児のパートナー
YouTube登録者数・約61万人。12人の子どもを子育て中の助産師・HISAKOさんは、メディアを一方的に“悪”とするのではなく、親子のコミュニケーションに活かす姿勢が重要だと語る。
HISAKOさんは「今あるタブレットやスマホ、テレビは立派な育児のパートナー」とした上で、「ママの都合で見せてしまう自己嫌悪をまずやめてほしい」と話し、20年以上の子育て経験から「ルールより大事なのは対話」と強調する。
■“対話”が子どもの区切り力を育てる
HISAKOさんによると、親が子どもが何を見ているのか知らないケースは多い。
「ねえ、それ何が面白いの?ママにも教えて」と声をかけ、子どもの世界に足を踏み入れることで、子どもは嬉しそうに話し始めるという。
親子の心が通じ合うと、子どもは自然と「そろそろおしまい」と区切りをつけられるようになると話す。
■“問題提起”で子どもが自分で気づく
スマホが悪いと決めつけるのではなく、子どもの生活の変化に目を向ける声かけもポイントだ。
「最近朝起きられないね?」「単語覚えられなかったでしょ?」など、生活リズムの乱れを話題にしながら、スマホとの付き合い方を子ども自身が考えるきっかけを作る。
「見るし、見ざるを得ないけれど、良くないよなと気づかせることが大事」とHISAKOさんは話す。
HISAKOさん自身、自分の子どもが小さい頃はメディアに触れることに不安もあったそうだが、今では「デジタルメディアとの付き合い方に正解がないからこそ、試行錯誤していくと思う。その経験が、子どもが大きくなった時に自分の頭で考える力として返ってくる」ということを実感しているという。
