プレスリリース配信元:ユアーズデンタルクリニック
治療の説明で出てくる言葉が分からないまま判断しないために。米国歯周病学会の公式誌に症例報告を発表した院長・湯口晃弘が、患者向けの言葉で書き下ろしました。
医療法人令徳会が運営するユアーズデンタルクリニック(北海道札幌市中央区、理事長:湯口晃弘)は、歯を残す治療で使われる専門用語23語と、歯ぐきが下がった状態の分類をまとめた用語集を、2026年9月9日、情報サイト「Save Your Teeth.」で公開しました。ウェブページと、印刷して診察に持参できるPDFの2つの形式で提供しています。閲覧に費用はかからず、会員登録や個人情報の入力も必要ありません。
・用語集ページ:https://save-your-teeth.jp/columns/glossary/
・印刷用PDF(全3ページ):https://save-your-teeth.jp/wp-content/uploads/syt/pdf/syt-glossary.pdf

収録した23語。歯周外科と歯周組織再生療法で実際に使われる言葉を、患者向けの言葉で定義した
公開した資料について
・名称:歯を残す治療の用語集
・収録語数:23語
・あわせて収録:歯ぐきが下がった状態の分類(Cairo分類)の図解
・形式:ウェブページ、および印刷用PDF(A4・全3ページ)
・公開日:2026年9月9日
・費用:無料(会員登録・個人情報の入力は不要)
・監修:湯口晃弘(医療法人令徳会 理事長、ユアーズデンタルクリニック 院長)
・作成方法:既存の解説記事から用語を抽出し、監修者が患者向けの言葉で定義を書き下ろしたもの
背景
治療の説明を受けるとき、専門用語がそのまま使われることがあります。その場では聞き返しにくく、後から調べても、専門家に向けた説明しか出てこないことが少なくありません。
言葉の意味が分からないまま、治療を受けるかどうかを判断している方がいます。用語の意味が分かれば、説明の内容を持ち帰って考えることができます。
今回の資料は、そのために作成したものです。
収録している用語の一部
歯ぐきの下がりに関する用語
・歯肉退縮(しにくたいしゅく)とは、歯ぐきが下がり、本来は歯ぐきに覆われている歯の根が露出した状態のことです。加齢、歯周病、強すぎるブラッシング、矯正治療の経過などによって起こります。
・根面被覆(こんめんひふく)とは、歯ぐきが下がって露出した歯の根を、歯ぐきで覆い直す治療のことです。歯周形成外科治療のひとつにあたります。
・歯周形成外科治療(ししゅうけいせいげかちりょう)とは、歯ぐきの形を修正したり改善したりする治療のことです。根面被覆もそのひとつです。
・ブラックトライアングル(黒い三角形)とは、歯と歯のあいだの歯ぐきが下がってしまい、三角形の黒い隙間ができてしまっている状態のことです。Cairo分類のRT2やRT3がこれにあたり、根面被覆だけでは治せないと言われています。
・CTG(Connective Tissue Graft・結合組織移植)とは、上顎の口蓋部から結合組織を採取して使用する移植のことです。根面被覆の際に併用すると、予後が良好であることが分かっています。
・FGG(Free Gingival Graft・遊離歯肉移植)とは、上顎の口蓋部から歯ぐきの表層ごと採取して移植し、角化歯肉を増やす目的で行う移植のことです。
・角化歯肉(かくかしにく)とは、歯の周囲にある、硬くて動かない歯ぐきのことです。この幅が狭いと、歯ぐきが下がりやすい状態になります。
・Thin biotype(シン・バイオタイプ)とは、歯ぐきが薄いタイプの歯周組織のことです。同じ条件でも歯肉退縮が起こりやすいとされています。
歯周組織再生療法に関する用語
・歯周組織再生療法(ししゅうそしきさいせいりょうほう)とは、歯周病で溶けてしまった骨を再生する治療のことです。骨の減り方によって適応が変わります。
・エムドゲイン(EMD・エナメルマトリックスデリバティブ)とは、歯周組織再生療法に用いられる生物学的製剤のひとつです。歯周組織がつくられる過程を再現することで、失われた組織の回復を促します。
・リグロス(rhFGF-2)とは、歯周組織再生療法に用いられる生物学的製剤のひとつです。有効成分のrhFGF-2(遺伝子組換えヒト塩基性線維芽細胞増殖因子)が細胞の増殖を促し、歯周組織の回復を助けます。
・NIPSAとは、MGJに切開を加えることで、歯間乳頭にメスを入れずに再生療法を行う術式のことです。
・M-MIST(Modified Minimally Invasive Surgical Technique)とは、歯周組織を温存しながら行う低侵襲な術式のことです。
・MGJ(Mucogingival Junction・歯肉-頬粘膜移行部)とは、動かない歯ぐき(角化歯肉)と、頬や唇の動く粘膜との境目のことです。
歯周病の検査に関する用語
・歯周ポケットとは、歯と歯ぐきのあいだにある溝のことです。健康な状態では1~2mm程度で、4mm以上が治療の対象となる目安です。
・アタッチメントレベルとは、歯と歯ぐきが付着している位置を、基準点から測った値のことです。どれだけ支えが失われたかを評価できます。
・エンドペリオ病変とは、歯の根の中の病気(歯内疾患)と、歯を支える組織の病気(歯周病)が、同じ歯で重なっている状態のことです。
インプラント・共通の用語
・GBR(Guided Bone Regeneration・骨造成)とは、インプラントを埋めるための骨が足りない場合に、骨補填材と膜を使って骨の量を増やす治療のことです。
・オッセオインテグレーションとは、インプラント体(チタン)と骨が、あいだに組織をはさまずに直接結合した状態のことです。
・マイクロサージェリーとは、手術用の顕微鏡を使って行う精密な外科処置のことです。

用語の解説には図を添えている(例:ブラックトライアングル)
歯ぐきが下がった状態は3つに分かれる
Cairo分類(RT分類)とは、歯肉退縮を、歯と歯のあいだの組織がどれだけ残っているかで3つに分ける分類のことです。2011年に Cairo らが提唱し、現在の標準的な分類として使われています。どれにあたるかで、根面被覆でどこまで治せるかが変わります。
・RT1とは、歯ぐきの表面は下がっているものの、歯と歯のあいだの歯ぐきは保たれている状態のことです。根面被覆の効果は良好とされ、CAFやトンネル法といった従来の術式で治すことができます。
・RT2とは、歯ぐきの表面だけでなく、歯と歯のあいだの歯ぐきの下がりも併発している状態のことです。根面被覆は難しいとされてきました。
・RT3とは、歯ぐきが下がっているだけでなく、歯周病で歯と歯のあいだの歯槽骨が吸収してしまっている状態のことです。根面被覆で覆うことは不可能とされています。
ブラックトライアングルは、このRT2かRT3にあたります。
・CAF(Coronally Advanced Flap・歯冠側移動弁術)とトンネル法とは、従来の根面被覆の術式のなかで第一選択となる術式のことです。RT1であれば治せます。いずれも、露出した歯根面に直接、結合組織を設置して覆うことを目的とします。
※分類の出典:Cairo F, Nieri M, Cincinelli S, Mervelt J, Pagliaro U. The interproximal clinical attachment level to classify gingival recessions and predict root coverage outcomes. J Clin Periodontol. 2011.

歯ぐきが下がった状態は3つに分かれ、どれにあたるかで選べる治療が変わる
収録した用語のひとつ「CTG Bottom-up suturing approach」について
CTG Bottom-up suturing approach(ボトムアップ縫合法)とは、下がってしまった歯ぐきの下に結合組織(CTG)を設置し、歯ぐきごと持ち上げて元の位置に戻す術式のことです。ユアーズデンタルクリニック院長の湯口晃弘が考案し、2026年5月13日、米国歯周病学会(American Academy of Periodontology)の公式誌 Clinical Advances in Periodontics に、筆頭著者として症例報告を発表しました。
筆頭著者として症例報告を発表した論文
・論文名:Bottom-up suturing approach with biologic and grafting support for RT2 gingival recessions with papilla deficiency: Two case reports
・日本語訳:RT2歯肉退縮と歯間乳頭欠損に対する、生物学的材料と骨補填材を併用したBottom-up縫合法(2症例の報告)
・掲載誌:Clinical Advances in Periodontics(米国歯周病学会 公式誌)
・掲載日:2026年5月13日(オンライン公開)
・筆頭著者:湯口 晃弘(Yuguchi A/医療法人令徳会 理事長、ユアーズデンタルクリニック 院長)
・共著者:Suzuki E、Katayama A、Zuhr O(ドイツ・ミュンヘン)、Funato A
・DOI:10.1002/cap.70076
・PubMed:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/42130249/
従来の根面被覆術は、ブラックトライアングルをともなう歯ぐきの下がり(Cairo RT2)に対して予知性が低いことが分かっていました。とくに下顎の前歯は、歯と歯の隙間が狭く、歯ぐきの周囲の筋肉が張っているため、そもそも根面被覆を成功させること自体が難しい部位です。
従来のCAFやトンネル法が、露出した歯根面に直接、結合組織を設置して覆うことを目的とするのに対して、この術式は、退縮した歯ぐきの周囲組織そのものが元の位置に戻ることによって露出面を覆うことを目的とします。結合組織は覆うための材料ではなく、それを下から支える役割を果たします。
この術式は、次の3つを組み合わせたものです。以下は論文の要旨として公開されている範囲です。
・結合組織を基底部に置く二層アプローチ。CAFやトンネル法のように歯冠側へ置くのではなく、歯肉弁の基底部に設置します。
・歯と歯のあいだへの骨移植と、生物学的製剤の併用。構造的な支持を与え、治癒の環境を整えることが目的です。
・改良型の垂直交差縫合法。移植した結合組織が主導する形で歯ぐきを歯冠側へ移動させ、組織の張力をコントロールします。
術式名の「Bottom-up(下から上へ)」は、歯ぐきを上から覆うのではなく、下から支えて元の位置へ戻すというこの考え方に由来します。論文では、リグロス(rhFGF-2)とエムドゲイン(EMD)のいずれでも同等の良好な結果が得られたと報告しています。切開の位置、縫合の具体的な手順、適応の判断基準は、原著論文に記載しています。
論文は、ドイツ・ミュンヘンの Otto Zuhr 氏、金沢の船登彰芳氏らとの国際共著です。
なお、これは2症例の報告であり、すべての症例で同じ結果が得られることを示すものではありません。適応には条件があり、術者の技量が結果に影響します。今後は、RT3のように歯周病を併発している状態に対しても同じ効果が得られるかを検証していく必要がある、と著者らは述べています。

監修した湯口晃弘。マイクロスコープを使う様子。
監修者について
湯口晃弘(ゆぐち あきひろ)/医療法人令徳会 理事長、ユアーズデンタルクリニック 院長
・2010年~2015年 石川県金沢市のなぎさ歯科クリニックにて船登彰芳氏に師事
・2015年 ユアーズデンタルクリニック開院(札幌市中央区)
・2022年 米国カリフォルニアの歯科スタディグループ OSCSC にて英語講演
・2023年 日本臨床歯周病学会 第41回年次大会 新進気鋭セッション 最優秀賞。第9回日本国際歯科大会 登壇
・2024年 EAO(European Association for Osseointegration)認定医、日本歯周病学会 認定医 取得
・2025年 5-D Japan ペリオインプラントコース インストラクター就任
・2026年5月 米国歯周病学会の公式誌 Clinical Advances in Periodontics に、筆頭著者として症例報告を発表(DOI: 10.1002/cap.70076)
医療法人令徳会 ユアーズデンタルクリニックについて
札幌市中央区・大通駅直結の自由診療専門の歯科医院です。2015年開院。歯周外科、歯周組織再生療法、歯肉移植(根面被覆)、インプラント治療、審美歯科を診療科目としています。院長の湯口晃弘は日本歯周病学会認定医、EAO(European Association for Osseointegration)認定医、5-D Japan ペリオインプラントコース インストラクター。
医院名:ユアーズデンタルクリニック
運営法人:医療法人令徳会
設立:2015年9月
所在地:〒060-0042 北海道札幌市中央区大通西1-13 ル・トロワ6F(地下鉄大通駅直結)
理事長:湯口 晃弘
診療科目:歯周外科、歯周組織再生療法、インプラント治療、審美歯科(自由診療専門)
ユアーズデンタルクリニック 公式サイト:https://yours-dental.com/
歯科情報メディア Save Your Teeth.:https://save-your-teeth.jp/

YOURS DENTAL CLINIC
本件に関するお問い合わせ
医療法人令徳会 ユアーズデンタルクリニック
電話:011-206-8241
所在地:〒060-0042 北海道札幌市中央区大通西1-13 ル・トロワ6F

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札幌・大通の歯科医院ユアーズデンタルクリニックが、歯を残す治療の専門用語23語と歯ぐきが下がった状態の分類をまとめた用語集を2026年9月9日に公開。院長・湯口晃弘が監修。
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