福島テレビの清野貴大気象予報士が中心となって始まった、地球温暖化が進む福島市での柑橘栽培プロジェクト。達人が駆けつけ、1年目の苗木の状態を確認。プロが伝授する「摘心」の技と、試験的に実らせたカボスの出来を確かめた。
庭先に育つミカン
フルーツ王国・福島市で柑橘類の栽培を目指す「せい天かんきつ畑」プロジェクト。2026年3月にスダチやミカンなど9種類の柑橘を植え付け、栽培実験を続けている。
今回は、福島県内でミカンゆかりの地として知られる浜通りの広野町を訪れた。広野町では1985年、暖かい町をPRしようと町内の全戸にミカンの苗木を配布。現在も各家庭の庭先や町の「みかんの丘」でミカンの木が育てられている。
しかし広野町には、ミカンを専門にする農家が1軒もいないという課題があった。多くのミカンはジュースなどに加工され、生食用として販売されるものはごくわずかなのが現状だ。
熊本から来た達人
こうした状況を変えようと、2026年6月に赴任したのが地域おこし協力隊の藤川隆春さん(65)。本場・熊本県でミカンやオレンジなどの栽培経験を持つ達人だ。
藤川さんは「みかんの丘」の管理だけでなく、町民から「木の調子が悪い」と相談を受ければ自宅へ駆けつけ、栽培のアドバイスを行っている。藤川さんは「ミカンは単価が少し高いので、生業としてやっていける農家が現れるのではないか」と期待を寄せる。
達人が伝授する技
気象予報士の清野貴大さんは、藤川さんを福島市の「せい天かんきつ畑」に案内した。
ここではリンゴ栽培のスペシャリスト・阿部幸弘さんの協力のもと栽培を行っている。早速、1年目の苗木の状態を確認した藤川さんは、春に出た芽の先端を摘み取る作業を提案。これは「摘心(てきしん)」と呼ばれ、木の成長に欠かせない重要な工程だ。
専門的なアドバイスを受けたリンゴのプロ・阿部さんは「リンゴで言えばこうだな」と即座に理解。柑橘とリンゴというジャンルの違いを超え、剪定の技術やノウハウで通じ合う姿が見られた。
試しに実らせたカボス
本来、植え付け1年目は木を大きく育てるため実をつけないのが鉄則だが、今回は実験的にカボスとスダチで計3つの実を残していた。
藤川さんから「もう十分になっている」とお墨付きをもらい、成長したカボスを無事に収穫。切り立てのカボスを炭酸水に絞って味見をした。
皮が厚く身が引き締まったカボスからは爽やかな甘酸っぱい香りが広がり「青春の味がする」と声が上がった。
福島で無事に実がなることが証明された柑橘プロジェクト。次回は、9種類の苗木が福島の厳しい冬を無事に越せるのかを検証しレポートする。
(福島テレビ)

