長野市西鶴賀にオープンしたレトロな喫茶店についてです。店主は27歳の女性。小さい頃に見ていた祖父の喫茶店と姿に憧れ、パートナーとともに、その夢を実現させました。
■「昭和」感じるレトロな新喫茶店
「昭和」を感じさせるレトロな雰囲気の店内。
机の脚を見ると、昔のミシン台を利用して作られています。
8月24日、長野市の西鶴賀商店街にオープンした「喫茶イロドリ」。
店主は、27歳の奥村あゆみさんです。
イロドリ・奥村あゆみさん:
「いろんな人と出会えると思うと楽しみ」
厨房では、婚約者の佐藤陸也さん(29)が腕をふるい、あゆみさんをサポートしています。
佐藤陸也さん:
「彼女がお客さんとお話ししたりっていう時間が長くとれるように、裏の仕事をやっていこうかなと思ってます」
オープン初日にもかかわらず、開店の朝8時から客が続々と訪れました。
客:
「おめでとうございます」
イロドリ・奥村あゆみさん:
「ありがとうございます。来ていただいて」
■30年喫茶店を営んでいた”祖父の姿”
27歳の奥村さんがなぜ喫茶店を始めたのか―。
それは小さい頃に見ていた「祖父の姿」がありました。
イロドリ・奥村あゆみさん:
「もともとおじいちゃんが喫茶店やっていて、それを小さな頃から見ていて、おじいちゃんの接客している姿を見て、すごくかっこいいなと思って、自分もいつかは同じような喫茶店をやりたいと思ったのがきっかけです」
あゆみさんの祖父、唐木幸栄さんは、2017年までの約30年間、長野市吉田で喫茶店「リビエラ」を営業していました。
イロドリ・奥村あゆみさん:
「自分もご飯食べに行ったりだとか、お手伝いしたりだとかもしてて、おじいちゃんのお店っていうのもあって、安心できてすごく居心地が良くて」
■美容師に…でも諦められなかった夢
奥村さんは市内の専門学校を卒業後、2年間美容師として働きましたが、「喫茶店」への思いはずっと持ち続けていました。
イロドリ・奥村あゆみさん:
「頭の片隅にまだお店をやりたいっていうのがあって、それを諦められずにはいて。接客も好きですし、喫茶店っていうものもすごい好きだったので、やるぞっていうふうに決意はしましたね」
美容師を辞めた後、いくつかの飲食店で働いて経験を積み、3年ほど前に出会った佐藤さんと「店舗探し」をスタート。
ようやく出会ったのが、元々、喫茶店だったこの建物でした。
■閉店した名店の跡地に「ビビっと」
建物は「珈琲館 珈香(こか)」が2024年8月まで営業していた場所です。
1978年から45年以上営業した常連客も多い店で、奥村さんたちも、訪れたことがありました。
イロドリ・奥村あゆみさん:
「マスターがすごくいい方で、帰るときも『いってらっしゃい』ってお見送りしてくれて、すごくすてきな喫茶店という思い出があります」
珈香が閉店して2年。
物件を紹介された奥村さんは、祖父の喫茶店に似たレトロな雰囲気が気に入り、すぐに出店を決めました。
イロドリ・奥村あゆみさん:
「ここがすごくビビっときたじゃないですけど、自分がこれからやっていくというのが想像できたのが一番大きくて」
■「イロドリ」に込めた2つの思い
劣化していた壁や床の補修、机や椅子の修理も自分たちで行い、店は「喫茶イロドリ」と名付けました。
イロドリ・奥村あゆみさん:
「色とりどりのクリームソーダを提供しているっていうところからで、あとは来ていただいたお客さまと一緒にこのお店を彩っていけたらいいなっていうので、『イロドリ』ってつけました」
看板メニューは、「クリームソーダ」です。
全部で7種類あり、味はもちろん見た目でも楽しむことができます。
イロドリ・奥村あゆみさん:
「クリームソーダは、おじいちゃんが昔やっていたってのもあって、それを飲んですごく記憶に残ってて、見た目もかわいいし」
■手間暇かけたフレンチトースト
看板メニューはもう一つ。フレンチトーストです。
イロドリ・奥村あゆみさん:
「家でも作れるものではあるんですけど、お店で手間暇かけて作ったものを提供したいって思って。この辺でもあまりやってる所はないって思ったので、フレンチトーストは看板メニューに」
自家製の厚切りデニッシュを生クリームなどを加えた特製の卵液につけ、一晩寝かせます。
その生地を、200度のオーブンで約10分間じっくりと焼き上げます。
イロドリ・奥村あゆみさん:
「食パンがデニッシュでリッチな上に、生クリームも入れてることで、リッチ感が増して濃厚かなとは思います」
祖父・幸栄さんは「奥村さんの店ができたら訪ねたい」と話していたそうですが、かなわず2年前に他界。
奥村さんが目指すのは祖父の喫茶店のような地域に愛される店です。
イロドリ・奥村あゆみさん:
「おじいちゃんがやっていた喫茶店みたいな、常に常連さんがいるじゃないですけど、ちょっとあったかい空間で地元の方に愛されるようなお店にしていきたいなっていうふうには思ってます」
■オープン初日のにぎわい
オープン初日ー。
オープン日は、珈香が2年前に閉店した日と同じ8月24日にしました。
イロドリ・奥村あゆみさん:
「やっとこの日が来たのかという感じで、バタバタで緊張もしているんですけど、楽しみですね」
SNSなどで情報を知った客が続々と来店しました。
客(市内から):
「フレンチトーストは外カリ中フワというのがすごくおいしくて、ペロって食べちゃいました」
親子で来店:
「おいしかった」
「昔ながらのクリームソーダって感じで、アイスもおいしかったので先に食べちゃった」
■「応援したい」かつての常連客も
珈香時代の常連も、オープンに駆けつけました。
珈香時代の常連:
「すごくおいしかったです。(珈香に)けっこう来ていたので寂しかったです。また開店してうれしかったです」
「若い人がこうやってお店開くのはすてきなことだと思います。私たちも来て応援したい」
イロドリ・奥村あゆみさん:
「珈香さんもすごくすてきな場所だったので、自分たちもそんなすてきな場所になれるようにこれからも頑張っていきたい」
この日は奥村さんの父・幸治さんも客として訪れました。
あゆみさんの父・幸治さん:
「(祖父の店と)造りが似てるんで、カウンターがあってお客さんとよくしゃべっていたので。もうちょっと長生きしてくれれば一緒にできたんですけどね。でも喜んでいると思います。みんなに親しまれるお店になってくれれば」
■地域に新たな「イロドリ」を
パートナーの佐藤さんとともに、夢への一歩を踏み出した奥村さん。
喫茶店の店主としてこれから地域に新たな「イロドリ」を加えます。
佐藤陸也さん:
「(彼女が)思い描いてた喫茶店ができてるなっていうような雰囲気は、後ろから感じるので、いろいろな年齢層の方に来ていただいて、喫茶店ってこういう魅力があるんだとか、喫茶店の良さっていうものを知ってもらう場所になれればいいなと思ってます」
イロドリ・奥村あゆみさん:
「夢はこれでかなって、まだ終わりじゃないので、おじいちゃんがやっていたような、常連さんにも愛されるような、ゆっくりできる場所にしたいなと思う」
