令和8年熊本地震は、発生から約1ヵ月が経過しました。
被災地の現状などについて、FNN取材団として高橋礼子アナウンサーが取材してきました。
7月28日に、熊本地方で発生したM7.1の地震では、宇城市と氷川町で震度7を観測、熊本市・八代市・嘉島町などで震度6強を観測しました。
地震により関連死の疑いを含む38人が亡くなり、6万3878棟の住宅に被害が及んでいます。(全壊1748棟)※9月3日午後2時時点
高橋礼子アナウンサー
「地震で壊滅的な被害を受けた住宅です。どこから手を付ければいいかわからないほど悲惨な状態になっていて、きょうはボランティアが片付け作業に追われています」
震度7の揺れを観測した宇城市では、被災した住宅の片付けのため県内外からボランティアが駆け付け、作業に追われていました。
住宅は、10年前の地震で被害を受け、最近やっとリフォームが終わったところだったということです。
住人
「築50年くらいたっているのかな。10年前にやられていて、さらにそこから。家の基礎がやられて、もう中は住めない」
現在(8月27日取材時点)は、家族6人で避難所に身を寄せていますが、猛暑の中の避難生活は体力的にも精神的にも負担が大きく「早く避難所を出たい」と話します。
住人
「仮設住宅とか入れればいいけれど、なかなか」
ボランティアとして活動していた名古屋市の消防職員・齋藤勝行さん、東日本大震災や能登半島地震でもボランティアの経験があり、今回の熊本地震の印象を次のように話していました。
各被災地でボランティア 齋藤勝行さん
「被害の面積が東日本大震災の時は『面』。津波なので全体にやられている感じ。熊本は断層の近くがやられている。被害部分が点々としている」
今回の地震を引き起こしたのは、益城町から八代海にかけて延びる活断層「日奈久断層帯」です。
この断層がずれ動いたことで、地震が起きたとされています。
日奈久断層帯の近くに位置する八代市、観測した揺れは震度6強、県内で最も多い1万6000棟以上の住宅が被害を受けました。
崩壊した家が川に落ちてしまったり、原型を留めていない建物が多く見られたほか、至る所で地割れも起きていました。
八代市在住 光永百合子さん
「ガタガタブルブル、瞬間的だった。10年前よりも今回のやつはもう、自分たちでも何が何か分からなかった」
八代市に住む光永百合子さんは、地震が起きた時の状況を詳しく教えてくれました。
八代市在住 光永百合子さん
「こうしたら揺れるじゃないですか。うわーってこうつかまって、もうテレビは落ちているし、三面鏡は落ちているし、物は落ちて。(緊急地震速報は)なかった。いつもなら鳴るけれど、今回だけはなかった」
活断層の地震など内陸の浅い場所で地震が発生した場合、震源近くへの緊急地震速報の提供が揺れの到達に間に合わないことがあります。
突然、襲いかかった強烈な揺れについて光永さんは「気付いてから避難する余裕はなかった」と振り返りました。
今もこの家で暮らす光永さん、自宅は断水が続いていましたが、地震発生から3週間後の8月17日に解消されました。
大変な生活の中、岐阜の小学生から届いた励ましの言葉に心を救われています。
八代市在住 光永百合子さん
「『早く元の生活になりますように』って。本当にありがたかった、このお手紙。これ見ると涙が出てきた。ありがたいなって、人の気持ちが。私たちも頑張らんばなと思って、ここに貼っている。こんな目に遭うと思わない。一日一日大切に、真面目に生きていかないとと思う」
今回の熊本地震では、全国に衝撃をもたらした事故がありました。
嘉島町の「イオンモール熊本」、地震発生から1時間以上が経過した午後5時40分ごろ、大きな爆発があり、建物の2階部分が崩落するなどしてテナントの従業員7人が死亡しました。
建物は現在(8月28日取材時点)も骨組みがむき出しになったままで、爆発の衝撃の大きさを物語っています。
発生から1ヵ月となった8月28日には、献花台に花を手向けに訪れる人の姿が見られました。
犠牲者の知人
「一瞬で命が奪われたんだって思うと、何でこんなことになるのかなと」
また、爆発が起きた時間には犠牲となった従業員の遺族が訪れ、今の思いを語りました。
犠牲者の夫
「本人がまだここで働いているよう。週に2、3回のペースで献花に来ている」
犠牲者の兄
「無事か無事かと思っていた気持ちが、ずっと続いているような感覚。まわりは地震から日常に戻っていると思うが、そこになかなかうまく入り込めていない」
これまでの現地調査などの結果、LPガスによる爆発の可能性が高いとの認識が示されていますが、現在もガス漏れの箇所や発火の原因などは特定されていません。
犠牲者の兄
「亡くなった人間は言葉をしゃべれませんし、何か発表があったときに『それは違う』と言えないわけなので、100%は分からないとしても(話を)出し尽くせるところまで出し尽くして、報告を聞きたい」
