特集は、入れたてのコーヒーを販売する長野市の小学6年生です。最初は家庭でのお手伝いでしたが、商売の楽しさ・難しさを実践で学び、将来に役立てようと奮闘しています。

権堂商店街で週末、開催される「にぎわいマルシェ」。こちらは出展テナントの一つ、「ニコニコーヒー」です。コーヒーを入れるのは、小学6年生の倉根結太さん。

ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11):

「こだわっていることは、65gまでゆっくり入れて…真ん中部分に穴を空けるようなイメージです。65gから全体的にかけることですね」

ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11):

「どうぞ、これが『カゼ』です」

客:

「結構さっぱりとしているんですけど、しっかり香りもあって。飲みやすいコーヒーだと思います」

「最初(店長は)お父さんなのかと思って、お手伝いしているのかなと思ったら、写真立てに店長と書いてあって『えー』と思った」

そう、「ニコニコーヒー」の店長は結太さん。

この日が2回目の出店でした。

ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11):

「自分の入れたコーヒーを、おいしいって言ってくれるのはうれしいです」

こだわりの一杯を提供する結太さん。どうして店を出すようになったのでしょうか。

ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11):

「これは“蒸らし”で30秒待ちます」

出店に向け、自宅でドリップを試す結太さん。豆に合った蒸らし時間やお湯の量を調べます。

試飲すると…。

ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11):

「味は苦味が強かった。酸味も少しあるね」

結太さんがコーヒーにこだわり出したのはこの春からです。

父・倉根明徳さん:

「最初はコーヒーメーカーを朝入れる係だったんですけど、だんだんそれが(臨時休校で)時間もあるし、豆から挽いてハンドドリップでやってみようかというところからスタートした」

当初はお手伝いでしたが、父親の明徳さんは働いてお金を稼ぐことを体験してもらおうと、結太さんが入れる1杯に100円を払うようにしました。

「ならば、おいしいコーヒーを」と結太さんの研究が始まります。小学校はそのころ、新型コロナの影響で臨時休校。時間を有効に使って、専門店でプロの技を教えてもらいました。

さらに豆の量や挽き具合、お湯の温度などによる味の違いを調べ、自由研究としてまとめました。

ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11):

「入れ方を変えるだけで味がすごく変わって、そういうところが奥深いなと思いました」

そこまでなら家庭学習の延長でしたが…。

父・倉根明徳さん:

「いつか飽きるかなと思っていたけど半年以上やっていて、たまたま権堂のマルシェに誘われて」

熱心さを聞きつけたマルシェの関係者から打診され、結太さんは「ニコニコーヒー」と名付け、先月17日、初めて店を出しました。

コーヒーは予想を上回る60杯以上が売れました。反省点は、お客さんとあまり会話できなかったこと…。

ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11):

「入れるのは緊張しないでできたんですけど、行列ができちゃって」

父・明徳さん:

「前回は数をこなすことで精いっぱいだったけどね」

ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11):

「改善点にたくさん(お客さんと)話すって書いちゃったから」

2回目の出店に向けて準備する結太さん。販売する4種類のコーヒーには「ソラ」や「モリ」など信州らしい名前を付け、味の解説文を添えました。

弟の崇太さんは、看板を作ってくれました。

弟・崇太さん:

「完成です。すごく目立ちそう」

出店によって結太さんの研究対象に「商売の仕組み」が加わりました。仕入れ値と売り値から利益を考えます。

ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11):

「難しいけど、面白いかな。やった後に最後、こうやって利益とか計算して、もうちょっと値段上げないとなとか考えるのが楽しいです」

迎えた2回目の出店。

ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11):

「今回はお客さんとの会話を頑張りたいです」

午前10時にオープンすると、次々と客が訪れました。

客:

「名前は誰が考えたんですか?」

ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11):

「名前は僕とお父さんで考えました」

客:

「すごくいい名前だね」

ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11):

「味に合うように考えました」

ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11):

「お待たせしました」

客:

「ありがとうございます、頑張ってね」

「変わったね、下、保温(容器)にしたの?」

ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11):

「保温にしました」

会話も弾み、売れ行きは上々。

客:

「うまい」

この日は、1日で70杯を売り上げる人気ぶりでした。

父・明徳さん:

「前回よりも手際が良くなったかなと。収支の計算とかもやってみているので、将来何かに役立てばいいなと思っています」

机に向かっているだけでは決してわからない、商売の楽しさ・難しさ。1杯のコーヒーから結太さんは、たくさんのことを学んでいます。

ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11):

「午後は疲れてきて会話がまたできなくなってきてるので、次はもっと頑張りたい。将来は商売に関することをやりたいので、今からこういう商売のことを知れる趣味はいいと思います」

(画像:ニコニコーヒー店長・倉根結太さん(11))