全国から届けられた物資が拠点や避難所で止まり、必要とする被災者の手元に届かない、いわゆる『ラストワンマイル』をどうつなぐかが問題となっています。市町村だけでは足りないマンパワーやノウハウを、企業や団体が後押しする取り組みを取材しました。

職員も被災…不慣れな作業で人手足りず

熊本県・木村敬知事:
今回もラストワンマイル問題が、10年前と比較して起きてしまったことは事実。ただ私の認識としては、早期に解決に向けて動き出している。

災害時の『ラストワンマイル』とは、市町村に送られてきた支援物資などが集積拠点や避難所で止まり、被災者の手元に届かないことを指す言葉です。

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国のプッシュ型の支援により、県の拠点であるグランメッセ熊本に届いた物資は、ここから各自治体の拠点へ送られます。

市町村の拠点や避難所は自治体が運営しますが、職員も被災している場合が多く、不慣れな作業で人手が足りないのが現状です。

岡崎宣彰記者:
八代市の物資拠点では、届いた重たい支援物資をフォークリフトを使って運んでいます。

この拠点から避難所までの物資の『目詰まり』を解消しようと、八代市では包括連携協定を結ぶヤマト運輸が拠点に入りました。

次々とやってくる物資を、ノウハウを熟知したプロの手でさばきます。

ヤマト運輸・佐藤賢吾 熊本主管支店長:
最初の頃は多くのものがプッシュ型で送られてくる。どこに何が整理されているのか、見えなかった。我々がノウハウを持っているので、いままで培ってきた整理整頓で、どこに何があるのかを管理した。

自治体の負担軽減へ

発災から10日後、8月7日に支援に入ったヤマト運輸が真っ先にやったことは、物資が集まる拠点の整理整頓。

在庫のデータ管理を行い、パレットを導入することで、手作業や台車で行っていた物資の搬入・搬出が、スムーズにできるようになりました。

この拠点からは八代市内26カ所の避難所に必要な物資が届けられ、ヤマト運輸は現在12人いる八代市の職員を、9月には1人にまで減らし、自治体の負担軽減を図ります。

「困っとる人がおっとぞ」青年会議所動く

こうして、拠点からそれぞれの避難所へ届いた水や食料。しかし、水などの重たい荷物を避難所から自宅に運べない人や、避難所に取りに行くことができない人もいます。

そんな被災者の手元に必要な物資を届けるために、八代市や氷川町で活動している団体がいます。

八代青年会議所・吉田将治さん:
八代JC(青年会議所)で掲げた「困っとる人がおっとぞ」という言葉があって、避難所には国から支援が来ていて食料の配給も行われるけど、本当に困っている人は避難所にも買い物にも行けなくなってしまって、日常生活で出来ていたことが出来なくなるので、そうした困っている人に対して青年会議所でサービスを行っている。

発災直後から被災者支援を行ってきた八代青年会議所では、自ら物資を取りに行けない被災者のために、電話で必要な物資を届ける宅配サービスを始めました。

この日、同行させてもらった吉田さんも被災者の一人ですが、困っている人のために車を走らせ、一軒一軒、物資を届けます。

八代青年会議所・吉田将治さん:
500ミリリットルのペットボトルです。取りに行けないときは大変だと思うのでいつでも遠慮なく言ってください。また伺います。

被災者:
本当にありがたい。ぼちぼち店が開いてきたが、骨折して入院した後なので、右手があまり使えない。

被災者:
助かります、すごく助かります。重い物とかが特に。水分、お茶とか水とか、簡単に食べられる物も必要。

八代市の小野市長は『ラストワンマイル』問題に対応するため、庁内の関係部局やヤマト運輸、八代青年会議所を集めたプロジェクトチームを立ち上げました。

また、氷川町の避難所では、内閣府の要請を受けたサカイ引越センターのスタッフが、重たい段ボールベッドを手慣れた手つきで避難所の中まで運びます。

木村知事:
氷川町の小学校の避難所で、引っ越し業者が段ボールベッドが重くてボランティアが運べないものを、避難所の中の必要なところまで持って行っていた。民間の専門家の力を借りることを今回の災害の反省点として、教訓にしていきたい。

全国から届けられた善意の品を、必要とする被災者の手元に確実に届けるため、民間や団体の支援が続けられています。

テレビ熊本
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