4年でおよそ4倍に急増した、モバイルバッテリーの事故。
先週末にも、東京ディズニーランドのレストランのテラス席で、客の荷物から煙が出る騒ぎがありました。
火はすぐに消し止められ、けが人はいませんでしたが、バッグとポーチが燃え、あわや大惨事となるところでした。
消防によると、持ち主の話などから、客が持っていたモバイルバッテリーから発煙した可能性があるということです。
これに対し、国は安全規制を強化する方針を示しました。
■関係する事故は「51件→192件」4年間でおよそ4倍に
近年、相次ぐモバイルバッテリーからの発火事故。
NITEによると、モバイルバッテリーに関する事故は年々増えていて、2021年に51件だった事故件数は、2025年には192件に。4年間でおよそ4倍に増えています。
このような事故に対して、街の人からは「怖いなと思う。自分のが大丈夫かなと心配に。あまり使わなくなりました」という声や、「寝ている時は充電しないように。寝ている間に発火したら怖い」という声が聞かれました。
■規制強化で最低価格帯が『数千円』底上げか
安全対策の強化が課題となる中、先月31日、経済産業省は規制を大幅に強化する方針を示しました。
現在モバイルバッテリーは事業者が自主検査を行っていますが、第三者機関による製品検査で、安全性が確認された製品のみ販売できるように見直す予定です。
第三者機関の検査に合格した製品には、「ひし形のPSEマーク」が表示されることになります。
流通の専門家・坂口孝則さんは、規制の強化により「1000円~2000円台の商品は消え、最低価格帯が『数千円』底上げされる」と指摘します。
■負荷をかける「いじめ検査」で安全性確認
では、安全のためにどのような検査が行われているのでしょうか?
取材班は、第三者機関としてPSEマークの適合検査などを行う「JET」を訪れました。
JETでは、第三者認証機関として公正中立な立場で、電池の安全性を評価する
試験を行っています。
発火・破裂がないか、「いじめ試験」のようなかたちで、安全を維持できるかどうかを確認しているということです。
また、国の登録検査機関として、電源プラグなど第三者機関による検査が必要な電化製品に対し、全国で年間4000件ほどの検査を実施しています。
■押しつぶして発火・破裂がないか確認する検査
さらに、メーカーの依頼に応じ、モバイルバッテリーに対する自主検査も行っているということで、JETが必ず行う検査の1つを見せてもらいました。
2つの鉄板で、真ん中に置いてある電池を既定の圧力まで押しつぶし、発火・破裂がないかを確認します。
検査開始とともに鉄板が徐々に降下。
そのまま電池が押しつぶされ、電解液が出てきました。
およそ1.3トン分の力が電池に加わると試験終了。無事発火はせず、今回は発火・破裂がないので『適合』という結果になりました。
■「自主検査」担当者は「第三者認証の試験でより安全になる」
現在の自主検査では、ほかにも高い場所からの落下時を想定した検査など、16項目を実施していて、今後、こうした検査を第三者機関が行うことが必要になる可能性があるということです。
JETで電池試験を担当する三ケ島優太さんは「第三者認証の試験が入りますので、より安全になるんじゃないかと感じています」と話します。
安全にモバイルバッテリーを使用するために、経済産業省は、年度内の制度改正を目指しています。
