畑で収穫作業を行う男性は福島県郡山市出身の鴫原宏一朗(しぎはらこういちろう)さん。仙台市での大規模なメガソーラー建設計画をきっかけに、山や土地を生かしながら、持続可能な地域のあり方を模索している。
■借りた土地で仲間と農業
宮城県仙台市の秋保(あきう)地区。畑で育てられているのはナスやオクラなどの夏野菜だ。
「ところどころイノシシとか小動物に食べられちゃってるところもあって、そこは結構悩んでるんですよね。獣害被害が」と話す郡山市出身の鴫原宏一朗さん。地域の人から借りた土地を利用して、仲間と農業を行っている。
仲間の笠原沙織さんは「持続可能な感じはありますよね。外から全く何も持ってこなくて、ここで循環するので続けていけそうだなっていうのと」と話す。
■震災と原発事故を経験
鴫原さんは小学6年生のときに郡山市で東日本大震災と原発事故を経験し、地域の経済やエネルギーの問題に関心を持つようになった。いまは環境問題を学ぶため、大学院で農業経済学を研究し、環境団体の理事も務めている。
鴫原さんは「いつかは自分たちで土地を耕すなり管理するなりやらなきゃいけなんじゃないかなということを、ずっと考えてはいたんですけども、実際ここまで大規模に農業をやるというところまでは考えてはいなかったですね」という。
■メガソーラー計画反対が活動のきっかけ
秋保地区での活動のきっかけとなったのがメガソーラーの建設計画だ。対象は地区内の山林約600ヘクタールに及ぶとされ、地域の住民は環境への影響などを懸念。鴫原さんたちも計画に反対してきた。
■クラファンで山林を購入
「ここから先が私達が管理している山の敷地になります」
2025年クラウドファンディングなどで資金を集め、計画地のすぐ近くにある山林を購入。開発に反対するだけでなく自分たちで山林を活用しようと、実践しているのが木々を生かしながら農作物を育てる取り組みだ。
鴫原さんは「ここの山自体はそういう皆伐、伐採とかはしてほしくないってことで地域の人たちが守ってきた山ではあるんですよね。でもだからといって手入れができるわけでもない」と話す。
■持続可能な地域へ模索
2025年はゴーヤ、サトイモなどを収穫し、仙台市内のフードバンクに提供。山や畑などの資源を活用し、地域で経済を循環させる仕組みを模索している。
「これ(メガソーラー問題)をきっかけに、自分たちで山ないし、土地ないし、生活っていうのをどういう風に作り変えていくかっていう、そういうきっかけにしなければならないと思っています」と鴫原さんは語った。
そして、鴫原さんの活動を追いかけたドキュメンタリー映画「みちのく電記」が4日からフォーラム福島で上映される。
※9月4日~10日(予定)各日1回上映
