日々の暮らしを少しでも豊かにしたい、そんな『ひと工夫』にフォーカスするコーナー「チョイたし!」です。
9月になってもまだまだ暑い日が続いていますが、疲れがたまっていたり、気分がスッキリしない…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな中、今回注目するのは、『植物の香り』です。
広島市中心部にあるアパレルのセレクトショップ。
その中に入るブランド「EPICROBE」は、ハーブソルトやハーブティーなどの商品を販売しています。
このブランドを1年前に立ち上げたのが、岡田和真さんです。
【EPICROBE 岡田和真さん(27)】
「上の段がハーブソルト、下の段がハーブティーになっているんですけど、イタリアのアペニン山脈というところがあって、ハーブを栽培している生産者さんに出会って始まったのがEPICROBEです」
岡田さんがイタリアで出会ったのが、『バイオダイナミック農法』。
化学肥料を使わず、月の満ち欠けなど天体の周期に合わせて育てられたというハーブは、香り立ちがよく、味わいにも深い奥行きが生まれるといいます。
このハーブを使って作られるEPICROBEのハーブティーは定番のもので11種類。様々な素材をブレンドしていて、人工香料は使わず、素材そのものの味や香りを楽しめます。
【岡田和真さん】
「これは見ていてもきれいな色合いなんですけど、ルイボスティーをベースに野生のリンゴとか、青いのはコーンフラワー、あとはスパイスも入れたりしています」
Q:EPICROBEのハーブティーの魅力は?
「気持ちの切り替え、休みたいと思ったときにカフェインも入っていないので、胃が弱い方でも取り入れやすい。11種類とかをブレンドしてハーブティーにしていて、複合的な香りや味わいがあって、飲んでいても楽しいですし、体にもやさしい」
最近は、岡田さんが自身の取り組みを発信しているSNSを見て来店する人も増えているそうです。
この日、岡田さんが向かったのは廿日市市。
【岡田和真さん】
「ラベンダーを収穫しにきました」
『ハーブの女王』ともいわれるラベンダーの畑です。
ドライフラワーショップからラベンダーを提供したいと連絡がありました。
【ドライフラワーショップを営む下原ゆかりさん】
「岡田さんのおかげで8月になっても収穫できるのが助かりました」
【岡田和真さん】
「僕としてもありがたい」
刈りとるのは廃棄されるはずの、成長が進んだラベンダーです。
Q:一緒に刈るんですね
【岡田和真さん】
「一緒に刈ります。生産者さんと出会うことで、植物を育てている方の思いがわかるので、より大切に製品を作ろうという気持ちになりますね」
【下原ゆかりさん】
「これ(ラベンダー)が、まだ使えるんだなって岡田さんに会って思った。ラベンダーの香りをたくさんの人に知ってほしいと思っても、この田舎で一人でやっていてもなかなか広がらなかった。岡田さんのように行動力のある方が使うともっと(ラベンダーが)生きてくる…直感」
このラベンダーは、どのように使われるのでしょうか…?
店内でひときわ存在感を放っている、こちらの装置に関係があるようです。
【岡田和真さん】
「これが、『蒸留器』といって香りをつくる機械。これもイタリアを旅したときに農家さんが使っていないハーブなどをこの蒸留器の中に入れて、そこからエッセンシャルオイル、いわゆる精油を取り出していて、使っていないものをアップサイクルで別のかたちにするのはすごくいい循環だなと思って、日本でやってみようと思って」
岡田さんが、去年11月から始めたのは『天然の香りづくり』。
蒸留器で植物を熱すると植物の香りを含んだ蒸気が生まれ、それが水で冷やされると液体に変化。
香り成分が高い精油と芳香蒸留水が取り出せる仕組みです。
【岡田和真さん】
「薄い膜が精油、下の水の部分が芳香蒸留水になっていて、香りの製品をつくるときに使う原料になります」
岡田さんが作っているのは、「ルームミスト」。
様々な植物が使われているミストは、空間だけでなく、枕や衣服、マスクなどにも楽しめるそうです。
【岡田和真さん】
「香りは五感の中で脳と直結している部分なので、リラックスしたいときやスッキリしたいときに、天然の香りはすごくいいと思うし、時間がたつごとに香りが熟成されていって深みも増してくるので、そういった香りの変化も楽しめるのが天然香料のいいところ、おもしろいところ。四季折々の香りを楽しんでほしいと思います」
また、SDGsの視点からも注目されています。
【岡田和真さん】
「使っていない、もったいないもの。(果実を)大きく育てるために周りの小さい実を落とす『摘果』で、『使ってみませんか』と農家さんから言っていただくことが多い。いい循環がここで生まれるんだと、やって気づきましたね。未利用材を活用できる取り組みの1つでもあるんだと」
今後も、この活動を広げていきたい岡田さん。
地元広島を盛り上げるためにできることを考えています。
【岡田和真さん】
「広島も耕作放棄地や高齢化が進んで衰退をたどっているところでも、いい資源があるので、市町村の方と連携をしながら、香りだけではなくてちゃんとお金も生み出せる循環を目指していきたい。(転出超過で)若者が少ないといわれているので、少しでもおもしろいことしているなと思ってもらえたらうれしいですね」
