先月発生した熊本地震から28日で1カ月となります。
地震大国・日本に住む我々にとって決して他人事ではない、いつ身近な場所で同様の甚大な被害が起きてもおかしくない中で、日々生活しているわけですが、現地調査をされてきた広島大学大学院の後藤教授に「広島」の活断層などについて解説いただきます。
よろしくお願いします。
(加藤キャスター)
まず後藤さん、発災直後に上空から現地を視察をされて、そして先日は地上からも調査をされたということで、この熊本地震をご覧になって一番感じられた部分というのはどういったところなんでしょうか。
【広島大学大学院 人間社会科学研究科 後藤秀昭教授】
事前に知られている活断層の上に沿ってですね、亀裂が生じている、ずれが出ているということと、それからそのずれに沿ってですね、大きな被害が生まれているということに驚いたというか、確認をしました。
これを踏まえるとですね、断層の位置をきちんと押さえてやって、それを地震防災に生かしていくということが必要になってくる、重要になってくるなというふうに感じたところです。
(加藤キャスター)
断層の位置を把握することが、ひとつ防災の第一歩になるということかなというふうにも思います。そして、私もちょっと映像で見たとき驚いたんですが、こちらご覧ください。
これ、防犯カメラが捉えた映像なんですけれども、ちょっと再生できますかね。田んぼで地震が起きた時に、今こう、この部分がグワッと上がりましたよね。
これまさにあの、地面が隆起をしたという瞬間なんですけれども、後藤さん、この映像から読み取れることというのはどういったことなんでしょうか。
【後藤秀昭教授】
この映像は大変貴重でして、日本で初めて断層が動いたのが捉えられたというものです。世界では2例目になるかと思います。これを見てですね、断層がずれるのは本当に早いんだなと。わずか 1秒ぐらいでサッとずれていくんだなということが分かりました。
(加藤キャスター)
そうですよね。当然、今回、この映像自体は田んぼということですけれども、仮にこの上に住宅などがあった場合は、そのまま持ち上がってしまうということにもなりますよね。
今回の熊本地震は、熊本県の益城町から八代海南部に至る日奈久断層帯というもので起きています。
断層がずれる場所はものすごく厳密に分かるということが、専門家たちの中でも印象的だったようなんですが、ちょっとこちらをご覧いただきましょう。
これ、広島県の地図なんですよね。
広島県内に関係してくる活断層の図だということなんですけれども、例えばエリアとしてはこの上の方に広島市がありまして、その下に江田島市、大竹市ということで、この辺が海ということになりますが、いろいろ断層があるわけです。
そして、特に警戒しなければならないのが、こちら。
安芸灘断層帯と呼ばれるものでして、今後三十年以内、マグニチュード7.2程度の地震の発生確率が0.1パーセントから10パーセントというふうに言われているわけです。
後藤さん、これ、やはり懸念は大きいですよね。
【後藤秀昭教授】
先ほど紹介いただいた地震調査研究推進本部のこの計算なんですけども、ランクが三つに分かれておりまして、そのうちで一番高いSランクというものに位置づけられる断層帯になります。
今回動いた日奈久断層と同レベルですので、今日地震が起こっても、明日地震が起こってもおかしくないと、そういう切迫度になろうかと思います。
(岡野キャスター)
過去、芸予地震での被害をニュースの映像で見たことがありますが同じくらいの被害が予想されるんですか?
【後藤秀昭教授】
揺れとしてはそれか、それをもっともっと上回る震度になると思います。
震源が浅いですし、規模が大きい、五倍も六倍も規模が大きいですので、そんなことが予想されてますから、被害が大きくなる可能性があると思います。
(加藤キャスター)
今お伝えしたのは、こちらの安芸灘断層帯という部分だけの話なんですけれども、広島県にある断層を見てみますと、その他にもこちらのように広島湾、岩国沖断層帯、こうした海に面した部分にある断層帯もあります。それからこちら。
ご覧ください。岩国五日市断層帯ということで、ちょっとどうでしょう、見えますかね、この赤い部分ですね、この部分。これ、地図から見てわかるように、先ほどの二つの断層と違って内陸にあるものということなんですね。
後藤さん、やはりあの、海に断層があるだけではなくて、内陸にも断層があるというところにも注意が必要なんでしょうか。
【後藤秀昭教授】
はい。ずれることで地震が起こります。そのずれが陸上でも生じるということです。先ほどボコッとずれるのをご覧いただきましたけれども、ああいう現象がこの赤い線に沿って生じると、出るということになります。
(加藤キャスター)
ここまでいろいろお話を伺っていて、この広島にも断層いろいろあるんだなというところを改めて認識しますよね。
【TSS野球解説者 山内泰幸さん】
そうですね。私の家が己斐断層の近くにあるわけですけども、先ほどの断層どおりにね、分かれるって言われたので、ちょっともうちょっと詳しく己斐断層の自分の位置をちょっとね、調べてみたいなと思いましたね。
(加藤キャスター)
本当にあの海だけではなくて、陸地にも己斐断層というものがあって、それからこのように海の方を見ても一つだけじゃないというのが、この広島の抱えているリスクなのかなというふうにも思います。
さて、では被害を防ぐためにどのようなことを日頃から頭に入れていればいいのかということなんですけれども、後藤さんがまず存在知ってほしいというふうにお話しされているのが。こちらです。
いわゆるインターネットで普通に見ることができるわけなんですけれども、自分が住むエリアの表層地盤などを見ることができるものだということです。これ、広島市周辺を見ると真っ赤ですね。
【後藤秀昭教授】
地盤のよくないところが広島の平野の中心に広がっているという状況がよく見えます。
(加藤キャスター)
やはりそれだけ広島市の中心部はそういった場所が多いということですけれど、一方で人口も多いですから、それだけ被害も警戒したいし、備えも重要ということになりますね。
【後藤秀昭教授】
長く揺れる、大きく揺れるというゾーンが赤く紫で出ているということになります。
(加藤キャスター)
そして先日、私も広島から熊本地震の被災地にボランティアに行った方にお話を伺ったんですが、やはり倒壊をしている家屋を見ると、築年数が経っているもの、古い家屋が多かったということでした。
それから、シロアリの被害がさらに加速させているんじゃないかという話もあったんですけれども、家のこの普段からの点検というのも、後藤さん、やはり大切になってきますね。
【後藤秀昭教授】
人間の健康診断と同様に、住宅の健康診断のように定期的に診断をしていただきたいと思います。
(加藤キャスター)
特に戸建てにお住まいの方なんかは、ガサッと崩れてしまった時に、本当に一人でっていうところもあろうかと思いますけれども、ひとつこれちょっと頭に入れておいていただきたいポイントがこちらです。
地震による建物被害というものがどのように決まるかというと、主に地盤と、それから建物の耐震性で決まるということです。
地盤というのは、ちょっと人間の力ではいかんともしがたい部分が大きいと思うんですが、一方で建物の耐震性というのは少し対策も取れる部分もあるのかなというふうにも思います。
新川さん、ここまでお聞きになっていかがですか?
【番組コメンテーターJICA中国 新川美佐絵さん】
今まさにそこの部分で、私は賃貸のアパートに住んでいるので、なかなか自分の家の耐震性を測るというのが難しいなと思っていて、現実的にはどんな備えが必要なのかなと。
ちょっと備えが甘い人間としては疑問があるんですけどね。
(加藤キャスター)
後藤さんどうでしょうか。何かこう、すぐにでも取り掛かれる部分でいうと、どんなところがありますか?
【後藤秀昭教授】
新しい家だと被害が小さいということはよく見えております。その場合には、家の中の構造を、家の中のものをきちんと固定をしていただくということが肝要かと思います。
(加藤キャスター)
それからシロアリ駆除っていうところは、これ地震関係なくね、本当に家屋の安全を守る上では大切なことになりますから、こうした日頃の点検というのは、地震などの災害が起きていない平時にしかできないものかなというふうにも思いますので、皆さんいま一度、お住まいの住宅、どのような状況か確認してみるのはいかがでしょうか。
ここまで広島大学大学院後藤教授と共にお伝えしてきました。後藤さん、どうもありがとうございました。
