今回の熊本地震で大きな課題となったことの1つに『断水』があります。地震から1カ月が経ち、上水道は8月28日に全て復旧したものの、井戸水だけで生活している地域では、復旧のめどが立っていない所もあります。
■水に恵まれた地域で…井戸から“水が出ない”
八代市の金剛コミュニティセンターでは、28日も給水車が止まっていて、多くの人が水を汲みに来ていました。
八代市の前川や球磨川より南の地域は、上水道が整備されていない地域です。ほとんどの世帯が井戸水で生活していて、上水道の普及率は市全体でおよそ52%となっています。
この井戸水のみで生活している地域で、井戸水が地震で出なかったり、濁ったりしている世帯が多くあるそうです。
なぜ、地下水を使って生活しているのでしょうか?金剛校区の南田泰彦校区長に聞きました。
【南田 泰彦 校区長】
「金剛地区は地下水が豊富なところでありまして、ちょっと掘ると水が出てくるようなところで、昔からこの地下水を利用して生活をしています」
もともと水に恵まれた地域ですが、八代市全体の約4500戸で井戸の不具合が起きているということです。
この近くに住む櫻田晴彦さんは自宅の井戸から水が出ず、毎日湧き水を汲みに行き、タンクに溜めて生活用水として使っています。
家の外にはペットボトルが置かれ、ためた水を天日で温めてシャワー代わりにしているということです。
【櫻田 晴彦さん】
「運んでタンクに入れるのを1日2回。(Q.1日に何リットル使う?)節水して500リットルぐらい。(Q.1か月その生活を…)いつまで続くのか分からんですね」
【近くに住む女性】
「あらゆる(井戸の)業者に頼んだけど『途中で切れているから掘り直し』と。2年後か3年後か…」
先の見えない中での生活が続きます。
【南田 校区長】
「毎日、水を汲みに来るのが一つの日課になっていて、車で水を取りに来ても、車でも持ち運ぶ量というのは本当限られた水の量で、一日に使う水の量からするとほんの少しなので、皆さん今まで1カ月過ごして来られて、大変だったろうと。これから先もまだ続きますので、もっと水が多く手に入るようになるといいという気持ちでいるんじゃないかと」
■「支援チーム」設置も…復旧には時間が
大変な生活を余儀なくされていますが、国は『井戸水対応チーム』を設置して、県や八代市などと連携して原因調査を始めています。国の支援パッケージでも「洗浄や補修の支援を行う」としています。
地震から1カ月、改めて“いま求めること”を聞きました。
【南田 校区長】
「原因調査を行っていますが、1件1件回られて、しかも数も多くありますので、これだけでもかなり時間がかかると。今度は工事に入っていくわけですのでかなりあの復旧までに長期化するだろうと。それが心配であります」
井戸を掘る業者が全国から駆けつけていますが、調査は1つの班で1日1か所が限界だということです。修理や新たに井戸を掘るとなると、それ以上、復旧に時間がかかります。
八代市に28日、新たに井戸水に対応するチームが設置されました。
28日に設置された『地下水緊急対応タスクフォース』は、井戸の復旧までの間、各家庭に水を届けるための短期的な対策を考えていくということです。
【八代市 小野 泰輔 市長】
「大きな井戸を掘ってそこから給水などいろんなやり方が考えられる。地域ごとにやり方を変えるようなかたちでやっていかないといけない。できるだけ早く策を実行したい」
生活の基盤になる水、災害関連死を防ぐためにも、1日も早い復旧が待たれます。
