創業100年以上、地域の食卓を支え、学校給食でも提供されてきたみそが地震の影響で製造休止に追い込まれている。「復活を待ち望む消費者にまたいつか届けたい」と前を向く、みそ蔵の5代目夫婦を取材した。
創業112年の老舗みそ蔵 地震で製造休止に
丸屋商店・丸木果歩里さん:
どうしても「もう一度皆さんに届けたいな」という思いはあるので、どうにか復興できるように、何年かかるか分からない状況ですけど…。

熊本県八代市日奈久のみそ蔵、丸屋商店5代目の妻で、「みそソムリエ」の資格を持つ丸木果歩里さん。

創業1914年の丸屋商店は、112年にわたり日奈久の地でみそを作り、消費者に届けてきた。先祖代々続いてきた『ヒナグみそ』作り。現在は、5代目の浩嵩さんと妻の果歩里さんが中心となり、その味を守っている。

八代市内のスーパーなどでの販売はもちろん、ふるさと納税の返礼品や、市内の小中学校の給食でも提供され、『郷土の味』として親しまれてきた。
今回の地震で、創業前に建てられたという工場の柱や壁などが傷んだほか、みそづくりで欠かせない麦や米、大豆を蒸したり茹でたりする大きな釜も、土台部分に亀裂が入り使えなくなってしまった。

さらに外の土壁も、この通り、倒れてしまっている。この土壁は麹室と隣り合っていて、製造途中だった麹にも土埃が入るなどしたため、すべて廃棄したという。

丸屋商店・丸木果歩里さん:
震災後1週間くらい「やっぱりちょっと無理なのかな…」と家族会議して。だけど、インスタグラムなどで皆さん「戻ってきてほしい」とか「この味じゃないとダメ」とか言われるので。「なんとか立ち上がりたいな」と思っていま、夫とも話して…。
「どうしてももう一度届けたい」復興への決意
新たなみその製造ができない一方で、被災を免れたみそがある。2つの樽は倒れることなく、中のみそも無事だった。

しかし、工場が被災したいま、商品として売るまでの工程が日奈久ではできない。そこで、無事だったみそを芦北町にある岩永醤油ですりみそにしてもらうなど、作業をお願いすることにした。

丸屋商店・丸木果歩里さん:
ここで負けたら何もないので、立ち上がって復興していけたらと思う。
復活を待ち望む声に応えるべく、いまできることに少しずつ取り組む日々だ。

