創業100年以上、地域の食卓を支え、学校給食でも提供されてきたみそが地震の影響で製造休止に追い込まれています。「復活を待ち望む消費者にまたいつか届けたい」と前を向く、みそ蔵の5代目夫婦を取材しました。
(丸屋商店・丸木果歩里さん)
「どうしても、もう一度皆さんに届けたいなという思いはあるので、どうにか復興できるように、何年掛かるか分からない状況ですけど…」
熊本県八代市日奈久のみそ蔵、丸屋商店5代目の妻で、「みそソムリエ」の資格を持つ丸木果歩里さんです。創業1914年の丸屋商店は、112年に渡り日奈久の地でみそを作り、消費者に届けてきました。先祖代々続いてきた『ヒナグみそ』作り。現在は、5代目の浩嵩さんと妻の果歩里さんが中心となり、その味を守っています。
八代市内のスーパーなどでの販売はもちろん、ふるさと納税の返礼品や、市内の小中学校の給食でも提供され、『郷土の味』として親しまれてきました。
今回の地震で、創業前に建てられたという工場の柱や壁などが傷んだほか、みそづくりで欠かせない麦や米、大豆を蒸したり茹でたりする大きな釜も、土台部分に亀裂が入り使えなくなってしまいました。
さらに外の土壁も、この通りです。この土壁は麹室と隣り合っていて、製造途中だった麹にも土埃が入るなどしたため、すべて廃棄したそうです。
(丸屋商店・丸木果歩里さん)
「震災後1週間くらい「やっぱりちょっと無理なのかな…」と家族会議して。だけどインスタグラムなどで皆さん「戻ってきてほしい」とか「この味じゃないとダメ」とか言われるので。なんとか立ち上がりたいなと思っていま、夫とも話して…」
新たなみその製造ができない一方で、被災を免れたみそがあります。2つの樽は倒れることなく、中のみそも無事でした。
しかし、工場が被災したいま、商品として売るまでの工程が日奈久ではできません。そこで、無事だったみそを芦北町にある岩永醤油ですりみそにしてもらうなど、作業をお願いすることにしました。
(丸屋商店・丸木果歩里さん)
「ここで負けたら何もないので、立ち上がって復興していけたらと思う」
復活を待ち望む声に応えるべく、いまできることに少しずつ取り組む日々です。
