東京・中野区の商業施設で25日に発生した窃盗事件。
白昼堂々、高級腕時計4本が盗まれ被害額は合わせて2億円近くに上ります。
逃げた男2人組は今も逃走中です。
現場は高級時計店が軒を連ねる中野ブロードウェイ。
今、現地では警戒感が高まっています。
なぜ多くの人が行き交う場所で被害に遭った店舗が狙われたのでしょうか。
「イット!」が26日、事件が起きた同じ時間帯の現場を取材すると、犯人像が少しずつ明らかになってきました。
割れたショーケースのガラスが散らばる床に残された赤いハンマー。
これは中野ブロードウェイにある時計店で25日、窃盗事件が起きた直後の映像です。
26日午前11時から営業を開始した時計店。
割れたショーケースは片づけられ、一見、元の姿を取り戻したように見えますが、入り口には小さなガラス片のようなものが残っていました。
白昼堂々行われた窃盗事件。
26日、新たに犯人が逃走に使ったキックボードは、犯行の10分から20分前に中野駅周辺で犯人の1人が借りて現場まで移動していたことが分かりました。
事件が発覚したのは施設の警備会社からの「不審な男がショーケースを割って物を取って逃げた」という110番通報です。
25日の正午前、店に入ってきた2人組の男。
そのうちの1人が突然、入り口のすぐ近くにあるショーケースをハンマーでたたき割り、中にあった高級腕時計4本を持ち去りました。
警視庁によりますと、盗まれた時計はいずれもスイスの高級腕時計メーカーのもの。
被害額は合わせて2億円近くに上り、犯行時間はわずか10秒ほどだったといいます。
目撃者:
ガッシャーンって音が鳴って、数秒後くらいに男の人2人が走って行って、そこの通りの電動キックボードに乗って逃げた。1人目はすぐかけていっちゃって、2人目は前に黒いリュックしょって逃げて。まじスピードダッシュ。
番組が調べただけでも、このフロアに25台以上のカメラが設置されている中野ブロードウェイ。
26日、犯行時刻と同じ時間帯の現場を取材すると、犯人の逃走ルートにある特徴が見えてきました。
まず店舗で時計を盗んだ犯人は、近くの通路を左に曲がり、自動ドアから施設の外に出たということです。
逃げた2人は隣のビルを通り過ぎた先で二手に分かれ、1人が徒歩で中野駅方向に、もう1人は電動キックボードを使って反対方面に逃走。
その後、逃走に使われた電動キックボードは中野ブロードウェイから300メートルほど離れた遊歩道で発見されました。
電動キックボードに乗って逃走した犯人が逃げた先は、どういった状況だったのでしょうか。
事件と同時間帯、キックボードを乗り捨てたとみられる場所までの最短ルートには、歩道にいくつかお店もあり、すれ違う人通りもあります。
数十メートル歩いた先に現れたのは大きな交差点。
信号を待つ人の姿も多く見られます。
さらに先へ進むと、建物の横に防犯カメラが設置されていました。
この道路を通ったとしたら、犯人の姿が映っている可能性も考えられそうです。
防犯カメラなどがある一方、人通りは少なく、電動キックボードでも走行がしやすい道が続きます。
犯人は、こうした状況を事前に把握していたのでしょうか。
この先にあるのが電動キックボードが乗り捨てられていた遊歩道です。
別々に逃げた犯人はこの遊歩道で合流したあと、2人はその場で犯行時に着ていた黒い服を脱ぎ捨てたうえで、JR中野駅方向へ逃げたとみられます。
高級腕時計を盗み、現在も逃走中の男2人組は、いずれも年齢が20代くらいで身長は1m70cmほど。
黒い長ズボンやマスクを身に着けていたといいます。
被害のあった店舗が入る中野ブロードウェイ。
ここは多くの時計店が軒を連ね、高級時計などを求める客が国内外から訪れる場所です。
そんな「時計の聖地」では今、警戒感が高まっています。
JACKROAD AND BETTY・阿部賢一部長:
常に我々は警戒していますし、セキュリティー含め対策はしています。過去は本当にただ時計好きで趣味の領域が非常に高かったんですけど、その資産性ということが言われ始めて、ここ数年で見ると数百万も値上がりした時計もあったりするぐらいなので、そういう資産としての価値観でお求めになる方も結構増えてきたと思う。
今回被害に遭ったのは、スイスの高級時計メーカー「パテックフィリップ」の腕時計1本と「リシャール・ミル」の腕時計3本。
中には、店で一番高い時計もあったといいます。
犯人は、あらかじめこの4本に目星をつけていたのでしょうか。
都内で高級時計などの買い取り販売を行う専門店の店長は…。
宝石広場 渋谷本店・荒井敏店長:
誰もが認めるといっていい、ナンバーワンのブランドに当たるかなと思う。オークションなどでも高値がつきますし、歴史を考えても業界トップのブランドの1つかと思います。(盗まれた時計は)手に入れること自体が難しくて、なかなか定価で買うことすら難しいので、プレミアムになって取引される。1本でもその(高い)レベルの時計ですので、それが4本集まってるというのはかなり珍しいなと感じました。今回盗難にあった4本がその場所にあって、それが犯行グループの目的だったんじゃないかなと思います。
榎並大二郎キャスター:
今回の事件を受けて、腕時計を扱う業界で広く不安が広がっていますよね。
山崎夕貴キャスター:
インタビューにもありましたが、資産価値が上がるにつれて、それが犯人に狙われてしまうということなんですね。
榎並大二郎キャスター:
ではなぜ数多くの店舗がある中でこの店舗が狙われたのでしょうか。
中野ブロードウェイは地下1階から4階まで店舗が並んでいます。
被害に遭った店舗は1階、出入り口から比較的近い位置にありました。
都内で高級腕時計の販売や買い取りなどを行う店舗の担当者によりますと、盗まれた4本の時計は非常に数が少なく、売却できれば大きなリターンがあるモデルで、下見をしたうえで狙ったのではないかと話していました。
そして、こうした高額な腕時計を扱う店舗ならではの難しさもあるといいます。
「宝石広場 渋谷本店」の荒井敏店長は「警備の強化を前面に出すとお店の雰囲気に影響する」と話していて、こちらのお店では、お客さんに声掛けはせずゆっくり見てもらう対応をしているそうですが、窃盗の下見のような不審な人物がいないかは常に注意を払っているそうです。
そして、都内に複数店舗を展開するうえで、防犯対策として、路面店は避けて2階以上に出店しているということでした。
そして、犯人が逃走などに利用したレンタル電動キックボードを管理・運営するLUUPが「イット!」の取材に応じ、「弊社のサービスが使用された可能性があることは承知しており、現在、利用データ等の調査・提供を含め、警察の捜査に全面的に協力しています」ということでした。
