新米が2025年の米より安いという、価格の逆転現象が起きています。
異例の事態を取材しました。
“デカ盛り”で知られる埼玉・川越市の中華料理店「二代目 蝦夷」では、食欲をそそる約2kgのから揚げに、1.6kgのご飯が並ぶ定食が人気です。
1日に30kgものコメを扱うという店主は、このところの仕入れ価格に異変を感じていました。
二代目 蝦夷・岡安清純店主:
(Q. 30kgあたりの仕入れ値)1年くらい前までは2万4000円。今の仕入れ値は1万3500円まで下がった。
この1年で、仕入れ価格が1万円以上も下落したコメ。
しかし店側は、メニューの値下げに踏み切れない厳しい現実に直面しています。
二代目 蝦夷・岡安清純店主:
野菜も肉も光熱費も、どんどん世の中の物価が上がっている。お米の値段が下がって、やっと少し利益が出るようになった。お米(の仕入れ値)が下がったから(メニューの)値段を下げるというのはのは、なかなか難しいというのが個人の飲食店の悩みどころ。
スーパーの平均販売価格を見ると、最新の数字で5kg当たり3191円。
2026年1月より1200円以上安くなりました。
コメ価格が下落する中で迎えた新米シーズン。
神奈川・横浜市のスーパーを取材すると、店頭に並んでいるのは2025年のお米のみで新米はありませんでした。
新米がどこにあるのか聞くと、案内されたのは倉庫。
そこには新米が山積みとなっていました。
なぜなのでしょうか。
スーパーセルシオ和田町店・久保田浩二さん:
こちらの新米だと5㎏税込み2500円くらいの販売予定になっている。令和7年産の直近での販売価格でいうと、だいたい税込み3500円以下ぐらい。逆転現象が今年は起きてしまっている。
新米が2025年の米より安いという逆転現象。
店としては2025年の米が売れ残っているため、新米を店頭に並べるタイミングを見定めていたのです。
スーパーセルシオ和田町店・久保田浩二さん
在庫の調整をしながら、安い新米をスムーズに売り場に並べられるように調整していく。
価格の逆転現象の背景にあるのが“コメ余り”です。
農水省によりますと6月末時点でのコメの民間在庫量は過去最大の243万トン。
適正水準とされる180万トンから、200万トン程度を大幅に上回っています。
コメ余りの原因について、宇都宮大学農学部・松平尚也助教は「2025年産は増産だった。生産量が多かった。さらに去年、政府備蓄米100万トンのうち59万トンを放出して市場供給が増えたのも大きな要因」と指摘します。
また、2026年の生産量も需要を上回る見通しで、“コメ余り”の状況は2027年まで続く見込みだということです。
