福岡県議会の実力者、蔵内勇夫議長が8月25日付で議員辞職した。その蔵内氏の肝いり政策として、服部知事と共に多額の公費をかけて進めてきた『ワンヘルス』政策について、政策の妥当性などを検証する有識者会議が開かれた。県民から批判の多い『ワンヘルス』。果たして蔵内氏が表舞台から消えたことで、どの程度、見直されるのだろうか。
「何でも予算つくと誤解生じた」
8月25日午後から福岡県庁で開かれた『行政改革審議会』。

県政の課題や改善を協議する県の諮問機関で、弁護士や大学教授など有識者15人が、服部誠太郎知事から任命されている。

冒頭、服部知事が、「予算の規模が大きくなり、県民の皆さんに疑念やワンヘルスと言えば何でも予算がつくのではないかという誤解を生じさせることになった。このことについては深く反省しています」と反省の言葉を口にした。
知事の挨拶の直後、委員の1人である福岡・大任町の永原譲二町長が、「知事あるいは執行部に本当に覚悟があるのか。ガス抜きのために審議会をやっているのではないのか?知事も副知事もワンヘルスのバッジがついている。これは施策を検証して欲しいということであれば、せめて答申が出るまではバッジは外して欲しい」と釘を刺した。

服部知事は、「ワンヘルスに対する県民の皆さまの認知を広めるためにロゴマークの入ったバッジを付けていますが、幹部職員もみんな付けているので、職員の皆さんと相談したいと思う」と答えるに留めた。
そもそも『ワンヘルス』とは、人と動物の健康、環境を一体的に守っていくとする取り組みのこと。

蔵内氏が旗振り役となり服部知事と二人三脚で進めてきたワンヘルス政策では、過去5年間で約58億円の予算が投じられている。

蔵内氏の地元、筑後市内の公園に約3億円をかけて整備したモニュメントや6千万円以上を投じたものの、目玉の馬術体験の利用者が、1日平均1人に留まり、赤字のまま1年で閉園した福岡市の『ワンヘルスパーク』など。

高額で杜撰だと『ワンヘルス政策』に対し、県民から批判の声が相次ぎ、一連の事業の必要性や妥当性が、行革審で審議されることになったのだ。

審議会では、委員から厳しい意見が寄せられた。「これだけ報道され、県民がかなり怒っている。まずは県民に対して、ワンヘルスって何なのかということをきちんと理解していただくことを進めた方がいいと思う」と大野祐子委員が発言。

安河内恵子委員からも「ワンヘルスパークは、1日1人とか書いているが、乗馬している人を見たことなかった。馬術体験は必要なのか」と率直な意見が寄せられた。

蔵内氏の肝いり「冷静、冷徹に判断」
審議会では、各委員からワンヘルス政策の問題点について意見が出され、今後は、県の担当者と審議会のメンバーで各事業を精査をした上で、次回の審議に臨むことが確認された。
これを受け、津田純嗣会長は、「ワンヘルスというのは非常に大きな理念。大きなものの下にたくさんのものが入ってきている。今までの行革審と同じで、これは止めるべきというのは、しっかり出てくると思う」との見解を示した。
しかし、『議員辞職を表明した蔵内氏がライフワークのように進めてきた案件だが』との記者の質問に対しては、「政治的、感情的に判断するものではない。冷徹に冷静に判断にしていきたい」と津田会長は蔵内氏の肝いり事業という先入観は持たず、客観的に事業判断をするとの考えを明確にした。
次回の審議は、10月に行われる予定で、津田会長は、ワンヘルス政策について2026年度内には、結論が出せるのではとの見通しを示した。
(テレビ西日本)

