現在、4期目を務める福岡市長が、2026年11月の福岡市長選挙への5選不出馬を自身のSNSで表明した。その決断の背景にあったものは?
「いつのまにか権力への執着になる」
「やりたいことはまだまだあります。でも、自分で決断して今回は次の世代に“襷”を繋ぎたい」。8月24日の会見で次の市長選に立候補しないと明言した福岡市の高島宗一郎・市長(51)。

2010年から4期16年に渡る市長の職を退く判断について「人も組織も変わり続けていく。その方が市役所という組織にとっても、福岡市にとっても健全だと思う」と述べた。

「街のためと言いながら、いつのまにか権力への執着になる。これって本当に紙一重で、私はそうなる前に自分の身を引きたい」

2010年に下馬評を覆し初当選
民放のアナウンサーで政治経験がなかった高島市長。選挙戦では、若さゆえか強気の発言もみられた。

2010年、市長選に初出馬した際には「私は自民、公明、みらい(※『みらい福岡』)の先生方から推薦されてますけど、僕はそんな言うこと聞きませんからね、簡単には。なったあとは自分の思う通りにしますから」とアピールした。

現職を相手に不利と言われた下馬評を覆し、初当選を果たす。「スピード感と経営感覚、この2つをしっかり持って前に進んでいきましょう」(2010年11月・就任挨拶)。多くの職員の出迎えを受けて、華々しく市長としてのスタートを切った。

交通課題の解決に向けた取り組みも
以来、約16年。当時の安倍晋三総理や麻生太郎元総理などの後押しを受けながら、さまざまな事業を手がけてきた。

なかでも“目玉”とされたのが『天神ビッグバン』計画だ。国家戦略特区による規制緩和を活用し、ビルの高さ制限を緩和。天神地区のビルの建て替えは現在も続いている。

天神ビッグバンについて高島市長は「2026年末までに93棟の竣工という一つの節目に。こういったプロジェクトを成功に導いていくのも大事な役割」(2026年1月)と述べている。

さらに、交通課題の解決に向けた取り組みにも意欲をみせる。今夏から福岡市地下鉄と西鉄貝塚線の直通運転に向けた検討を始めた。

『西日本鉄道』の林田浩一社長は「直通運転になればスムーズに行ったり来たりできるので、地元の期待は大きいと思うし、沿線地域の活性化に大きく寄与すると思う」(2026年7月)と期待を寄せる。

目指すのは、通勤時間帯の混雑率が全国ワースト2位という西鉄貝塚線の混雑緩和。福岡市地下鉄と同じ6両編成にして直通運転を行う案などが、今後、検討されることになっている。

高島市長について福岡市民も概ね好意的だ。
「まだ続けてほしいと思う」(50代女性)
「住みやすい街だと思う、福岡は」(10代男性)
「一番、評価できるのは、博多駅前の陥没事故のとき。ものすごく早く取りかかったのがよかった」(70代女性)

次の市長は誰?「何も決めていない」
高島市長の就任以降、人口が約20万人増加し、日本を代表する元気の良い都市と言われるようになった福岡市。

次の選挙に立候補しないと表明した市長の方針は、2026年1月のインタビューでも垣間見ることができた。「私は幸せなことに、例えば七隈線の延伸を決めて、博多駅まで繋がるところまで見ることができた。中長期に渡る“骨太”のことでも、最初、始めることって大変なので、痛みを伴ってでも皆さんにご理解を頂く努力をして、次にバトンを繋ぐのも仕事」

バトンを受け取る次の市長は誰になるのか。高島市長は任期を終えたあとについて「何も決めておらず、最後まで走り抜けたあとに決めればいいと思う」と話している。
(テレビ西日本)

